11月27日開催の総務文教委員会では、平成30年度から市体育施設の運営管理をまかせる指定管理者候補が
選考委員によって10月9日に決定されたことに伴い、選考委員会議事要旨、評価点集計表、
「玉野市体育施設の指定管理に係わる仮協定書案」、指定管理者候補の基本事業計画書が資料として提出され、協議した。
指定管理者候補は、(株)東京アスレティッククラブ、を中心に(株)ルソ・スポーツマネージメント、日本管財(株)
の3社による共同事業体である「玉野スポーツネットワークJV」である。
事業計画書には「市内業者への積極的発注」と記載しているものの、「物品販売の実施」として、自社で調達する
スポーツ用品や健康飲料等の商品販売を体育施設内で実施する計画を記載、また、「社内一括購入システムによる消耗品の安価購入」
を掲げて消耗品費・事務用品費を社内購入する方向であり、「市内業者への積極的発注」とは相矛盾する事業計画となっている。
また、計画では清掃員を複数名雇用し、直接施設清掃を実施するようだが、これまでのシルバー人材センターへ清掃委託は今後どうなるのかなど
の問題点も指摘した。当初からの懸念事項であった地元企業への発注等による地域内循環型経済振興とは逆行する。
また、利用者評価については具体的な体制はなく、利用者アンケート実施だけとなっている。利用者・市民・教育委員会・議会なども参加する
協議会を設置し、運営管理に対して直接、利用者の意見が反映され、利用者評価ができる体制づくりを求めた。
さらに、計画では「現職員の再雇用」について、「再雇用を希望する方については、極力本人の希望に添えるよう配慮し、
面談の上、積極的に再雇用します。」とある。市・教育委員会として、現職員の安定雇用について責任を持つよう、強く要望した。
本来、スポーツ振興財団は、スポーツ振興のため玉野市が設立し、20数年前に正規職員を採用し、現在に至っている。
多くの自治体では、こうしたスポーツ振興財団がある場合、市体育施設のすべてを民間企業に管理運営を任せることはせず、
プールなど特定の一部施設のみの管理運営に限定して指定管理者にし、それ以外の体育施設はスポーツ振興財団に任せ、
財団の維持運営に責任をもっている。
市民に冷たく、市外企業の儲け口提供に熱心な黒田市政のゆがみと、これを容認する議会の問題点がより鮮明になっている。
12月定例市議会では、この指定管理者決定議案が審議されるため、
問題点、課題を浮き彫りにし、より良いものにしていくことが求められている。