未唯への手紙
未唯への手紙
ソーシャルメディア
『インターネット白書2012』より
Social × Local × Mobile
フラッシュマーケティング市場が一巡した感がある市場において、昨年度からマネタイズポイントとしてネット上のサービスから実店舗へと生活者を送客する、020が活況であった。この背景をもとに、2012年に入り、「Social × Local × Mobile」を略したSOLOMOというワードが注目を集めている。
米フォレスター・リサーチが、2011年8月、3万7000人の米国在住者を対象に行った「ロケーション系サービスの利用状況」に関する調査結果では、ロケーション系サービスはまだキャズムを超えているとは言い難いが、現在の利用者がアーリーアダプター層でありバイラルの発生率が高い点や、ロケーション機能がほとんどのアプリにデフォルトで組み込まれている点などから、「ロケーション」がマーケティングにおいて重要になってくる時代が近いうちにやって来るであろうと結論付けている。
Facebookやグーグルも当然力を入れており、グーグルから、モバイル決済の「Google Wallet」、クーポン配信サービス「Google Offers」、特典付きクーポン配信サービス「Google Offers with rewards」と、関連サービス開始が立て続けにアナウンスされ、ほぽ時を同じくしてFacebook側からも同様のクーポン配信サービス「Face-book Offers」の提供が開始されている。
また、Facebookも2011年12月には、位置情報ソーシャルサービス会社の米フォースクエア(foursquare)のライバルと目されていた米ゴワラ(Gowalla)を買収、翌年2012年4月には、スタートアップでスマートフォンを活用した情報読み取りシステムを開発している米タグタイル(Tagtile)を、翌月5月には同じく位置情報ベースのモバイルサービスを手がける米グランシー(Glancee)を買収している。
ソーシャルメディア業界の現状
2011年夏から毎月1000万人前後でアクティブユーザーを増やし、成長率で業界のトップを走っているPin-terest(ピンタレスト)、Facebookによる買収で世間の注目を集めたInstagram (インスタグラム)など、注目すべきソーシャルメディアは無数に存在している。
ネット上で見つけたお気に入りの画像や動画のキュレーションを行い、友人と共有するPinterestは、デザイン性の高さなどの理由から、米国における訪問者数1610万人のうち74%が女性との調査結果も公表されている。友人と画像や位置情報などを共有できるPath、興味がある人と無制限につながることができるInstagramとは違い、ソーシャルグラフでの結び付きが強く、非常に近い友人とのコミュニケーションがメインとなっている。ユーザーインターフェースが素晴らしく、最低限のクリックで情報発信が可能な設計がされている。利用者数は全世界で200万人を超えている。
1対1や複数人でのグループチャットが可能なLINEは、喜怒哀楽を表現する「スタンプ」機能などで、テキスト情報を入力せずともコミュニケーションを取ることが可能なユーザーエクスベリエンスを実現し、スタートからわずか半年で1200万人のユーザー獲得に成功している。
これらのサービスを見ていくと、サービスモデルとして斬新というよりも、当初ニッチであったサービスが、再び注目を集めている印象を持つ。ソーシャルネットワークが普及し、ソーシャルな人間関係を持つ人が増えた結果、望んでいないソーシャルグラフが構築され、ストレスを感じているユーザーも増えつつある。そんなユーザーが、もφと簡単に気の合う友人とのコミュニケーションができ、プラットフォームを求めているのかもしれない。
国内におけるソーシャルメディアの状況
国内の状況に目を移すと、2012年3月時点でのFacebookの訪問者数は1488万人であり、徐々にTwitter(1402万人)との差を広げつつある。直近1年間では、Facebookの訪問者数が794万人も増加している。
FacebookとTwitterは、すでにキャズムを超えており、アーリーマジョリティー層にまで到達していることが推測されるが、米国と比較すると日本のFacebook、Google+、Linkedinの普及率はまだまだ余力を残している。
Google+は、2012年3月時点で訪問者数が250万人程度となっている。 2011年9月までユーザー数を急激に増やしていたが、10月以降はユーザー数の伸びが安定している。現時点では情報感度の高いアーリーアダプター層が多く、今後メインストリームを取り込み、さらなる成長ができるかどうかが注目される。しばらくは、じわりじわりと浸透していく状況が続くと推測される。
Facebookのケースでは、訪問者数が200万人程度の時期がしばらく続き、2011年1月に公開された映画「ソーシャル・ネットワーク」と、それに付随したマスメディア報道、書籍ラッシュをきっかけとして訪問者数を大きく伸ばすことになった。この状況についてFacebookは、日本以外の国においても、自国の友人数が海外の友人数を上回る“ティッピングポイントを超えた時点を境に大きくユーザー数を伸ばす傾向があるとして、日本でも最大のソーシャルメディアの座を獲得できる可能性があると自信をのぞかせていたが、その予想通り、2011年中ごろには、それまで日本最大の訪問者数を誇っていたmixiを超えた。
また、Linkedinに関しては、ユーザー数、伸び率共に米国との開きがある。理由として、米国ではビジネス分野でのソーシャルメディアというポジションニングにFacebookよりも先に成功したが、日本ではすでにビジネスシーンでもFacebookが浸透し始めていることや、転職に対する考え方が日本ではまだまだオープンにはなっていないことなどが考えられる。 Linkedin もGoogle+同様、じわじわ浸透していく状況が続くのではないだろうか。
Social × Local × Mobile
フラッシュマーケティング市場が一巡した感がある市場において、昨年度からマネタイズポイントとしてネット上のサービスから実店舗へと生活者を送客する、020が活況であった。この背景をもとに、2012年に入り、「Social × Local × Mobile」を略したSOLOMOというワードが注目を集めている。
米フォレスター・リサーチが、2011年8月、3万7000人の米国在住者を対象に行った「ロケーション系サービスの利用状況」に関する調査結果では、ロケーション系サービスはまだキャズムを超えているとは言い難いが、現在の利用者がアーリーアダプター層でありバイラルの発生率が高い点や、ロケーション機能がほとんどのアプリにデフォルトで組み込まれている点などから、「ロケーション」がマーケティングにおいて重要になってくる時代が近いうちにやって来るであろうと結論付けている。
Facebookやグーグルも当然力を入れており、グーグルから、モバイル決済の「Google Wallet」、クーポン配信サービス「Google Offers」、特典付きクーポン配信サービス「Google Offers with rewards」と、関連サービス開始が立て続けにアナウンスされ、ほぽ時を同じくしてFacebook側からも同様のクーポン配信サービス「Face-book Offers」の提供が開始されている。
また、Facebookも2011年12月には、位置情報ソーシャルサービス会社の米フォースクエア(foursquare)のライバルと目されていた米ゴワラ(Gowalla)を買収、翌年2012年4月には、スタートアップでスマートフォンを活用した情報読み取りシステムを開発している米タグタイル(Tagtile)を、翌月5月には同じく位置情報ベースのモバイルサービスを手がける米グランシー(Glancee)を買収している。
ソーシャルメディア業界の現状
2011年夏から毎月1000万人前後でアクティブユーザーを増やし、成長率で業界のトップを走っているPin-terest(ピンタレスト)、Facebookによる買収で世間の注目を集めたInstagram (インスタグラム)など、注目すべきソーシャルメディアは無数に存在している。
ネット上で見つけたお気に入りの画像や動画のキュレーションを行い、友人と共有するPinterestは、デザイン性の高さなどの理由から、米国における訪問者数1610万人のうち74%が女性との調査結果も公表されている。友人と画像や位置情報などを共有できるPath、興味がある人と無制限につながることができるInstagramとは違い、ソーシャルグラフでの結び付きが強く、非常に近い友人とのコミュニケーションがメインとなっている。ユーザーインターフェースが素晴らしく、最低限のクリックで情報発信が可能な設計がされている。利用者数は全世界で200万人を超えている。
1対1や複数人でのグループチャットが可能なLINEは、喜怒哀楽を表現する「スタンプ」機能などで、テキスト情報を入力せずともコミュニケーションを取ることが可能なユーザーエクスベリエンスを実現し、スタートからわずか半年で1200万人のユーザー獲得に成功している。
これらのサービスを見ていくと、サービスモデルとして斬新というよりも、当初ニッチであったサービスが、再び注目を集めている印象を持つ。ソーシャルネットワークが普及し、ソーシャルな人間関係を持つ人が増えた結果、望んでいないソーシャルグラフが構築され、ストレスを感じているユーザーも増えつつある。そんなユーザーが、もφと簡単に気の合う友人とのコミュニケーションができ、プラットフォームを求めているのかもしれない。
国内におけるソーシャルメディアの状況
国内の状況に目を移すと、2012年3月時点でのFacebookの訪問者数は1488万人であり、徐々にTwitter(1402万人)との差を広げつつある。直近1年間では、Facebookの訪問者数が794万人も増加している。
FacebookとTwitterは、すでにキャズムを超えており、アーリーマジョリティー層にまで到達していることが推測されるが、米国と比較すると日本のFacebook、Google+、Linkedinの普及率はまだまだ余力を残している。
Google+は、2012年3月時点で訪問者数が250万人程度となっている。 2011年9月までユーザー数を急激に増やしていたが、10月以降はユーザー数の伸びが安定している。現時点では情報感度の高いアーリーアダプター層が多く、今後メインストリームを取り込み、さらなる成長ができるかどうかが注目される。しばらくは、じわりじわりと浸透していく状況が続くと推測される。
Facebookのケースでは、訪問者数が200万人程度の時期がしばらく続き、2011年1月に公開された映画「ソーシャル・ネットワーク」と、それに付随したマスメディア報道、書籍ラッシュをきっかけとして訪問者数を大きく伸ばすことになった。この状況についてFacebookは、日本以外の国においても、自国の友人数が海外の友人数を上回る“ティッピングポイントを超えた時点を境に大きくユーザー数を伸ばす傾向があるとして、日本でも最大のソーシャルメディアの座を獲得できる可能性があると自信をのぞかせていたが、その予想通り、2011年中ごろには、それまで日本最大の訪問者数を誇っていたmixiを超えた。
また、Linkedinに関しては、ユーザー数、伸び率共に米国との開きがある。理由として、米国ではビジネス分野でのソーシャルメディアというポジションニングにFacebookよりも先に成功したが、日本ではすでにビジネスシーンでもFacebookが浸透し始めていることや、転職に対する考え方が日本ではまだまだオープンにはなっていないことなどが考えられる。 Linkedin もGoogle+同様、じわじわ浸透していく状況が続くのではないだろうか。
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