★反対討論のメモ
「議第58号(資料-1 議案書81頁)公園の設置及び管理に関する条例」「議第61号(資料-7 H26年補正予算(3号))」に反対する。
条例は、四国山公園の管理を「指定管理者」に適用しようとする趣旨。
現在の管理は、民間造園業者に年間おおよそ550万円から600万円程度で委託されているとのことだ。これを来年4月から、既に行われている「香り会館」の指定管理も含めて、同一の受託者に指定管理者として任せよう、そのために、10月から11月頃にプロポーザルを行い、相手方を決定、12月議会で「指定管理者の議決」、との方向だという。
山県市では、「指定管理は5年」を基本とすることは、過去のこの議場でも答弁され要る通り、既に実施されている方針である。
つまり、この議案は、「指定管理者」に関して、確実に支出が予定され、かつ、確実に複数年にわたることが予定されているのは明らか。
この場合は、債務負担行為として年数と金額を明示して、議決されることが不可欠。
今回、指定管理しようという条例案は出ているが、補正予算は出ていない。地方自治法では、予算を伴う条例などを議決する場合は、同時に予算が組まれていなければならないとの原則が定められている。
違法な鉄次にくみすることはできないから、反対する。
理由を整理して述べる。
●法律の規定
地方自治法
(予算を伴う条例、規則等についての制限)
第二百二十二条 普通地方公共団体の長は、条例その他議会の議決を要すべき案件があらたに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が適確に講ぜられる見込みが得られるまでの間は、これを議会に提出してはならない。
この「予算を伴う条例についての制限」の規定が守られないことが問題になることはまずない。ぜなら、自治体財政の基本であり、議案の提案や処理の基本であり、議会事務手続きの原則だから。
これが最近問題になることがある例は、自治体の長の意思とは異なった形で「議員提案で、予算を必要とする条例や制度」が提案される場合だ。つまり、議員提案で条例ができたけれど併せて当初予算の修正や補正予算が議決されていないと、長と意見が違うので協議は成立しない。
だから、長は、再議請求をするケースが実際にある。再議とは、地方自治法の176条4項 「普通地方公共団体の議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければならない」との規定である。
●地方自治法222条「予算を伴う条例の制限」)については、古くから解釈と運用は定着している。
【(通知・昭和31年8月 自乙行発24)第一項は、地方公共団体の長が条例案等を議会へ提出する場合の制約であり、「適確に講ぜられる見込みがある場合」とは、必要な財源の見通しが得られることを意味するものであり、具体的には既決予算の範囲内において処理し得ると認められる場合の外、地方公共団体の長が予算案を議会に提案した時をもって、見込みが得られたときと認定すべきものである。
すなわち、本項は条例案を提出する場合はこれに必要な財源を計上する予算案を同時に提出することを要件とする趣旨である。
なお、本条による制限は議会の議員が提出する条例案その他の案件については直接に適用されるものではないが、議員提案の案件についても、本状の趣旨に沿うて運用されるべきは当然である。】
【(通知・昭和31年9月28日 自丁行発82)「予算上の措置が適確に講ぜられる見込み」とは「関係予算案が議会に提出されたときをいう」】
【(実例・昭和32年9月25日 自丁行発159) 議会が予算を伴うような条例その他の案件を提出する場合、法239条の4(現行=222条)第一項の規定の趣旨に則って、予め長との連絡を図って財源の見透等意見の調整をすることが適当である。】
そして、
●(債務負担行為)
第二百十四条 歳出予算の金額、継続費の総額又は繰越明許費の金額の範囲内におけるものを除くほか、普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには、予算で債務負担行為として定めておかなければならない。
●2年前にも、国は通知を出した。そのことは、この議場でも市長に示して、債務負担を組むことを求めた
「指定管理者制度の運用について」(/総務省自治行政局長 /平成22年12月28日総 行 経 第 3 8 号
「指定管理者制度は、地方公共団体において様々な取組がなされる中で、留意すべき点も明らかになってきたことから、これまでの通知に加え、下記の点に留意の上、改めて制度の適切な運用に努められるよう、地方自治法第252条の17の5に基づき助言します。
『指定期間が複数年度にわたり、かつ、地方公共団体から指定管理者に対して委託料を支出することが確実に見込まれる場合には、債務負担行為を設定すること。』」
●では、市の現状はといえば次だ。
市は今年度から他の指定管理のうちの一件について債務負担行為を組んだ。予算書180頁、「社会体育施設指定管理料」で「限度額21620万円」、翌年度以降については、「27年度から30年度で1728万円、一般財源1728万円」と明示されている。
●先日9月8日の本会議質疑でこの問題を指摘し、「閉会までに補正予算として債務負担を組むことは十分にできるし、何も支障もない」と述べた。市は、検討した結果として、「補正予算を追加上程しない」というのだから、確信的だ。
技術的にできないことではない。
●9月8日の答弁では、「12月には、債務負担行為を組む」という。そうなら、なおさら、今組んで、法律の求める状態することが不可欠。
しかも、地方自治法 第2条 16 地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。なお、市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない。
17 前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。
●以上の諸点、一つずつを個別に判断しても、総合的に判断しても、山県市長は、違法状態を認識しながら、これを放置するという市の考えは到底認められない。よって、 「議第58号(資料-1 議案書81頁)公園の設置及び管理に関する条例」「議第61号(資料-7 H26年補正予算(3号))」に反対する。
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