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てらまち・ねっと



 今月のはじめ、「法の番人」といわれる内閣法制局の長官に集団的自衛権の解釈見直し派を起用するという前例の無い人事を行った安倍総理。
 その時、前長官は、事前に最高裁判事に移した。
 その正式な就任の会見が昨日あった。
 
 最高裁判事としては、異例ながら、政治的な見解を表明。
   「集団的自衛権に関して、実現には憲法改正を」との旨。
   各紙の報道を記録しておく。
 
 ともかく、「そういう考えをしているから飛ばす」というのが安倍氏だろう。
 無論、自民党の中でも慎重論はある。
 (毎日新聞) 「山崎拓・元自民党副総裁は解釈改憲を否定する」
      「長官を代えて解釈を変える手法は、スポーツの試合で自分に有利なように審判を代えるようなもの」
      「憲法解釈を話し合うのに憲法の専門家が少ない、と憲法軽視を不安視するのが山崎氏」


 その安倍氏は、”独走風にならないように”、今年2月に政府の有識者会議として「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を設置した。
 その会議の主枝や構成メンバー、記録などについて、官邸のWebページを見た。

 第一次安倍内閣の同会議の復活であり、構成員も変わらないというう。

 会議の方向性について、福島民報(あぶくま抄・論説)が次のようにまとめている。
    (集団的自衛権行使を推奨しているで、記録するのは癪だけど、分かりやすい次の部分があるから・・・)

  安倍晋三首相が設置した政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は
   先ごろ、年内にまとめる報告書に集団的自衛権は合憲である-との内容を盛り込む。

   集団的自衛権は、自国と密接な関係がある国が攻撃された際に自国への攻撃と見なして実力で阻止する権利をいう。
   政府は「集団的自衛権を有していることは主権国家である以上、当然」とした上で「憲法九条で許容されている自衛権の行使はわが国を防衛するため必要最小限の範囲にとどまるべきと解され、
   集団的自衛権の行使はその範囲を超え、憲法上許されない」との立場を取ってきた。

   しかし、懇談会の座長代理を務める北岡伸一国際大学長は時事通信のインタビューに対し、
   行使について「『必要最小限の範囲』に含まれる」と述べ、憲法上の制約を撤廃する考えを表明した。

   さらに、国連が主導する集団安全保障への自衛隊の参加も憲法上可能-とする新たな解釈を提言する方向で検討していると明かした。
   実現すれば、国連安全保障理事会決議に基づく多国籍軍や国連軍への参加にも道を開く。


 なにか、多くの人の知らないうちに、着々とレールは敷かれる様子。

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 (関連エントリー)103年8月3日ブログ ⇒ ◆法制局長官 集団的自衛権の解釈見直し派 異例起用/「法の番人」にも安倍色

●首相官邸 公式Webページ
   ★  安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会
 


 我が国周辺の安全保障環境が一層厳しさを増す中、それにふさわしい対応を可能とするよう安全保障の法的基盤を再構築する必要があるとの問題意識の下、集団的自衛権の問題を含めた、憲法との関係の整理につき研究を行うため、内閣総理大臣の下に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を開催するものです。

□ 根拠・構成員 [PDF](平成25年2月7日)
□ 開催状況
■ 参考   ・平成19年8月30日以前の安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の開催状況等
--------------------------------------------------------------------------------
【連絡先】 内閣官房副長官補(外政・安危)付 〒100-8914 東京都千代

安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の開催について平成25年2月7日内閣総理大臣決裁
1.趣旨
我が国周辺の安全保障環境が一層厳しさを増す中、それにふさわしい対応を可能とするよう安全保障の法的基盤を再構築する必要があるとの問題意識の下、集団的自衛権の問題を含めた、憲法との関係の整理につき研究を行うため、内閣総理大臣の下に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(以下「懇談会」という。)を開催する。

2.構成
(1)懇談会は、別紙に掲げる有識者により構成し、内閣総理大臣が開催する。
(2)内閣総理大臣は、別紙に掲げる有識者の中から、懇談会の座長を依頼する。
(3)懇談会は、必要に応じ、関係者の出席を求めることができる。
(4)懇談会の事務は、内閣官房において処理する。

★構成員   ★構成員 
安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会 有識者
岩 間 陽 子 政策研究大学院大学教授
岡 崎 久 彦 特定非営利活動法人岡崎研究所所長・理事長
葛 西 敬 之 東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長
北 岡 伸 一 国際大学学長・政策研究大学院大学教授
坂 元 一 哉 大阪大学大学院教授
佐 瀬 昌 盛 防衛大学校名誉教授
佐 藤 謙 公益財団法人世界平和研究所理事長(元防衛事務次官)
田 中 明 彦 独立行政法人国際協力機構理事長
中 西 寛 京都大学大学院教授
西 修 駒澤大学名誉教授
西 元 徹 也 公益社団法人隊友会会長(元統合幕僚会議議長)
村 瀬 信 也 上智大学教授
柳 井 俊 二 国際海洋法裁判所長(元外務事務次官)

開催状況   開催状況  
第1回 平成25年2月8日

議事次第 配布資料 議事要旨 ぶら下がり記録


●集団的自衛権:内閣法制局前長官「実現には憲法改正を」
               毎日新聞 2013年08月20日
 内閣法制局長官から20日付で最高裁判事に就任した山本庸幸氏(63)が同日、最高裁で記者会見し、憲法9条の解釈変更による集団的自衛権行使の容認について「私自身は従来の解釈を変えることは難しいと思う。実現には憲法改正が適切だ」と述べた。
 政治的課題に関連して、最高裁判事が見解を表明するのは異例だ。

 安倍晋三首相は山本氏の後任の長官に、集団的自衛権行使容認派の小松一郎・前駐仏大使を起用し、解釈変更に向けた環境整備を進めている。

しかし、「憲法の番人」とも呼ばれる最高裁の判事として、山本氏が解釈変更に慎重姿勢を示したことは、今後の政府や国会での議論に影響を与えそうだ。

 集団的自衛権は、自国が直接攻撃されなくても、自国と密接な関係にある国への武力攻撃を実力で阻止できる権利。政府はこれまで「国際法上保有しているが、憲法上行使は許されない」と解釈してきた。

 会見で山本氏は「過去半世紀くらい、その議論でずっと来た。従来の解釈を変えることは難しい。地球の裏側まで行くような集団的自衛権行使の実現には憲法を改正した方が適切だ」と述べた。

 一方で「国際情勢はますます緊迫し、日本を巡る安全保障環境も変化している。それを踏まえて内閣がある程度決断して、新しい内閣法制局長官が理論的助言を行うことは十分あり得る」とも言及した。

 山本氏は京都大法学部を卒業し、1973年に旧通産省に入省。内閣法制局の参事官や次長などを経て2011年12月に長官に就任した。先月19日付で最高裁判事を定年退官した竹内行夫氏(70)の後任。【和田武士】

●集団的自衛権「憲法改正しかない」 最高裁判事就任会見
             朝日 2013年8月20日
 【田村剛】前内閣法制局長官の山本庸幸(つねゆき)氏(63)が20日、最高裁判事への就任会見で、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認について、「私自身は非常に難しいと思っている」と語った。憲法判断をつかさどる最高裁判事が、判決や決定以外で憲法に関わる政治的課題に言及するのは、極めて異例だ。

 山本氏は、解釈変更を目指す安倍内閣が、集団的自衛権の行使容認に前向きな内閣法制局長官を起用したため、最高裁判事に転じた経緯もあり、発言には自民党などの反発が予想される。ただ最高裁内部では、「個別の裁判に関して見解を示したわけではなく、発言に問題はない」と静観する見方が大勢だ。

 この日の会見で山本氏は、「我が国への武力攻撃に対し、他に手段がない限り、必要最小限度で反撃し、実力装備を持つことは許される。過去半世紀、ずっとその議論で来た」と自衛権をめぐる解釈の経緯を説明。「集団的自衛権は、他国が攻撃された時に、日本が攻撃されていないのに戦うことが正当化される権利で、従来の解釈では(行使は)難しい」と述べた。

●前法制長官、憲法解釈変更は困難 集団的自衛権で
         東京 2013年8月20日
 内閣法制局長官から最高裁判事に就任した山本庸幸氏(63)が20日、東京都千代田区の最高裁で記者会見し、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する考え方について「法規範そのものが変わっていない中、解釈の変更で対応するのは非常に難しい。実現するには憲法改正が適切だろう」と持論を述べた。

 就任は同日付。「法令の知識を生かし、誠心誠意、ひるむことなく判断していきたい」と抱負を述べた。

 安倍晋三首相は解釈変更に前向きな新長官を起用し、山本氏は今月8日に退任した。

 通産省生活産業局繊維製品課長、内閣法制次長などを経て2011年12月から内閣法制局長官を務めた。

●山本新判事、解釈変更「難しい」 集団的自衛権行使で
        日経 2013/8/20
 有内閣法制局長官から最高裁判事に就任した山本庸幸氏(63)が20日、最高裁で記者会見し、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認することについて「私は難しいと考えている」と述べ、「実現には憲法改正が適切」との考えを示した。

 最高裁判事が裁判外の公式の場で個人の憲法解釈に言及するのは異例。

 会見で山本氏は「現行の憲法で約半世紀維持されてきた解釈を変えるのは、なかなか難しいと考えている」とし、「集団的自衛権を実現するには憲法改正をした方が適切だろうと思う」と話した。「法令の知識を生かし、誠心誠意、ひるむことなく判断していきたい」と抱負を述べた。

 政府は解釈変更に前向きとされる小松一郎氏を新長官に起用し、山本氏は今月8日に退任した。

●特集ワイド:集団的自衛権行使の容認 憲法解釈変更は「脱法行為」
              毎日新聞 2013年08月20日
 安倍晋三政権が「集団的自衛権」の行使に向けて憲法解釈を変えようとしている。内閣法制局長官の「首」のすげ替えなど異例の措置もいとわない。なりふり構わぬ手法のどこが問題なのか。改めて識者に聞いた。【小林祥晃】

 ◇法制局人事は独立性軽視
 「長官人事は法治主義への配慮に欠けている」。政権による“人事介入”を強く批判するのは、9条を巡る政府見解の歴史に詳しい浦田一郎明治大教授(憲法学)だ。

 内閣法制局は、政府提出の法案が憲法や他法令と整合性があるかを審査したり、憲法解釈の政府見解を示したりする「法の番人」。
その長官は憲法解釈担当の第1部長から次長を経て昇進するのが通例で、政権は人事に口出ししないのが暗黙の了解だった。ところが安倍首相は8日、長官を解釈見直し推進派とされる小松一郎前駐仏大使に交代させた。小松氏は外務省の条約課長、国際法局長などを歴任。政府は「国際的知識が必要な時代なので適材適所」と説明する。

 この人事の問題点について浦田教授は「法律が違憲か合憲かを事後チェックする裁判所は国会や内閣からの独立が原則。内閣法制局は内閣の一部門ではあるが、法案が憲法に反していないかどうかを事前チェックする役割を担っており、裁判所と同様に独立性を尊重すべきだ。今回はその原則を崩したことになる。また国内法と国際法は全く異なる。小松さんは内閣法制局が扱う国内法については専門外だ」と指摘する。

 集団的自衛権とは日本が直接攻撃されていなくても、密接に関係する国に対する武力攻撃を実力で阻止する権利。これまで内閣法制局は「国際法上保有はしているが、憲法9条で許される実力行使の範囲を超えるため、行使はできない」との見解を示し、海外での自衛隊の武力行使に歯止めをかけてきた。自衛隊を海外派遣した歴代政権は「非戦闘地域での活動」「後方支援」などの名目で正当化したが、いずれも法制局の解釈の枠内にとどまり、武器は使われなかった。これに対し安倍首相は、憲法解釈を変える「解釈改憲」によって「できない」とされてきた集団的自衛権の行使を可能にしようとしている。他国での武力行使に道が開かれれば、戦争放棄を貫いてきたこの国の形が変わる。「それを解釈変更でやってしまおうなんて卑しい脱法行為だ」と浦田教授。

 菅義偉官房長官は記者会見で「内閣法制局は内閣を補佐する機関。憲法解釈についてはあくまで内閣の責任で行う」と述べた。2000〜05年に開かれた衆参両院の憲法調査会では「解釈の変更は閣議決定できる」との見解が示されたこともある。

「『官僚より政治家が優位に立つべきだ』という価値観が背景にあるのだろうが、法に基づいて政治を行う『法治主義』の観点からすると、法は政治より優位性を持つ。集団的自衛権の解釈も何十年も論争を重ねて『できない』と確認したもの。閣議決定で済む話ではない。政治家がやりたくてもできないことをまとめた『足かせ』が憲法。政治家が何でもできるようになったら立憲主義でなくなる」と浦田教授はクギを刺す。

 ◇自分に有利な審判交代と同じ
 批判は身内からも上がる。「目指すところは安倍さんと同じ」という山崎拓・元自民党副総裁は解釈改憲を否定する。「長官を代えて解釈を変える手法は、スポーツの試合で自分に有利なように審判を代えるようなもの。集団的自衛権を行使したいのなら憲法改正手続きに沿って国民投票を行い、堂々と民意を問うべきだ。そうではなく、歴代政権の解釈が間違いというなら何が間違いだったのか、あるいは時代がどう変わったのかをきちんと説明する。本質的な議論なしに解釈改憲に向かえば国民は反発し、政権は揺らぐ。そうなれば憲法改正はできずに終わる」

 解釈改憲をバックアップするのが、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇、座長・柳井俊二元駐米大使)だ。
政府は憲法解釈について「ここでの議論を踏まえて対応する」(8月13日の政府答弁書)。安保法制懇は07年に第1次安倍内閣が設置。翌年、解釈改憲で集団的自衛権行使を認めるよう報告書をまとめたが提出時、既に安倍首相は退陣。受け取った福田康夫首相は棚上げした経緯がある。この安保法制懇が今年2月、再招集された。年内にも改めて提言をまとめるが、メンバー13人は5年前と全く同じ。「憲法解釈を話し合うのに憲法の専門家が少ない」と憲法軽視を不安視するのが山崎氏。8人の学者のうち憲法学者は西修駒沢大名誉教授(比較憲法)だけ。他は国際政治や国際法の専門家だ。

 ◇安保法制懇では必要性ない議論

 より根本的な疑問がある。第1次安倍内閣時の安保法制懇は集団的自衛権を巡り、公海上で攻撃された米軍艦の防護のための反撃▽米国に向けた弾道ミサイルの迎撃−−の2類型について検討した結果、「集団的自衛権の憲法解釈変更が必要。政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正を必要とするものではない」とした。今回の安保法制懇では尖閣問題や北朝鮮のミサイル問題などを念頭に集団的自衛権についてはこの2類型にとらわれずに幅広く議論が進められている。

これに対し、防衛庁(当時)官房長などを歴任、04〜09年に内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)として自衛隊のイラク派遣を統括した柳沢協二氏は次のように語る。「近海で米艦が攻撃されれば日本有事で憲法が認める個別的自衛の範囲内であるし、米国に向かうミサイルは北極を通るため物理的に国内から迎撃できない。いずれも集団的自衛権を行使したいという抽象的な政治目標を達成したいだけではないか。必要性に基づかない議論をしているから手法に無理が生じる」

 前回の安保法制懇では集団的自衛権の対象国が米国限定だったのに対し、今回は米国以外に拡大される見通しだ。柳沢氏は「そこまでするニーズがあるのか。あるなら国民的合意の下での憲法改正を目指すべき話だ。自衛官の命の重みを考えて議論しているのか。それが最も気がかりだ」と批判する。

 なし崩し的手法はまだ隠れている。自民党が昨年以来、制定を公約している「国家安全保障基本法」には集団的自衛権の行使を明記している。安倍首相は政府提案する考えで、その時期は来年の通常国会以降とされる。浦田教授は「もし成立したら、法律が憲法解釈を変えることになってしまう。最高裁が違憲と判断しない限り、国権の最高機関である国会の議論を経たということで解釈が事実上確定してしまう」と警告する。

 憲法解釈がなし崩しに変更されたら、他国から攻撃されるより先に「法治国家」日本が崩壊する。

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 ◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を t.yukan@mainichi.co.jp ファクス03・3212・0279


●あぶくま抄・論説
                  福島民報
【集団的自衛権行使】憲法解釈変更に関心を(8月19日)
 「憲法上は許されない」とされてきた日本の集団的自衛権の行使が、従来の「違憲」とする解釈から方向を180度転換し、「合憲」とされる方向に加速している。戦後、貫いてきた日本の防衛の在り方が大きく様変わりする可能性がある。解釈の変更は法律の改正を必要とせず、閣議決定などの手続きで済む。国民は強い関心を持って注視すべきだ。

 安倍晋三首相が設置した政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は先ごろ、年内にまとめる報告書に集団的自衛権は合憲である-との内容を盛り込む。政府も13日の持ち回り閣議で、憲法解釈について「有識者懇談会での議論を踏まえて対応をあらためて検討したい」との答弁書を決定し、解釈見直しを示唆した。

 集団的自衛権は、自国と密接な関係がある国が攻撃された際に自国への攻撃と見なして実力で阻止する権利をいう。政府は「集団的自衛権を有していることは主権国家である以上、当然」とした上で「憲法九条で許容されている自衛権の行使はわが国を防衛するため必要最小限の範囲にとどまるべきと解され、集団的自衛権の行使はその範囲を超え、憲法上許されない」との立場を取ってきた。

 しかし、懇談会の座長代理を務める北岡伸一国際大学長は時事通信のインタビューに対し、行使について「『必要最小限の範囲』に含まれる」と述べ、憲法上の制約を撤廃する考えを表明した。さらに、国連が主導する集団安全保障への自衛隊の参加も憲法上可能-とする新たな解釈を提言する方向で検討していると明かした。実現すれば、国連安全保障理事会決議に基づく多国籍軍や国連軍への参加にも道を開く。


 安倍首相は解釈問題を決着させて日米同盟の強化につなげ、中国の海洋進出や北朝鮮の核武装・ミサイルへの抑止力を高めることを狙う。
 しかし、領土や歴史問題で関係が冷え込んだ中国や韓国などの反発は確実だ。連立政権を組む公明党内にも慎重論は根強い。本社加盟の日本世論調査会が6月に実施した調査でも、解釈の変更に賛成する意見は23・7%にとどまっている。
 防衛政策の根幹を見直す改革である。政府は論議を盛り上げるべきだ。閣議決定による解釈変更にこだわる必要もない。難しい作業ではあるが、国民の理解を得るため、憲法改正を目指す道もあるのではないか。いずれにしても、後世に禍根を残さない選択を望む。(酒井 俊一郎)


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