昨日は、午後5時半から「行政委員の高額な月額報酬」の返還を求める住民訴訟の弁護団会議だった。
ところで、昨日の夜のニュース。
東京高裁で、「内部通報」した社員に対する制裁としての不当配転に関して、
被告・会社を勝訴とした一審判決を覆して
原告・社員勝訴の判決があった。
東京新聞では、
鈴木裁判長は判決で、配転命令は内部通報に反感を抱いた上司が、業務上の必要性とは無関係に行ったと認定。「内部通報による不利益取り扱いを禁止した社内規定に反しており、配転命令は人事権の乱用にあたる」と判断した。
とされている。
判決を報道した毎日新聞の記事では、
昨年10月の消費者庁の調査では、同種の社内通報制度を持つ2604事業者のうち過去1年間の通報がゼロだった事業者は約44%に上った。また、労働者3000人の約43%が会社の不法行為を知っても「通報しない」とし、このうち約30%が「不利益な扱いを受ける恐れがある」との理由を挙げた。労働者側が萎縮している実態が浮かぶ。
とある。
このオリンパス社員のような勇気のある人の行動が社会を変えていくのだと改めて思う。
ところで、インターネット上に「企業法務ナビ」 公式・トップページ というPRがある。私は過去に何度か見たことがある。
「自治体法務」ということについて勉強の場を開いたこともあるので
「企業法務」というとピッとくる。
同ページでは、昨日の判決について、次のようにコメントしている。
上司も人間であり、自分の行動の間違いを指摘されれば、それを人事のマイナス要因とすることは大いにありうることである。しかし、情報が外部に簡単に飛び交う現在の情報化社会では、社員の恣意は命取りにもなりかねない。
・・・社員全員が、今一度その行動が企業にどのような影響を与えるのか考えなければならない。
各企業は、コンプライアンス等の勉強会を積極的に行い、従業員のモラルの強化をすべきである。
・・・ヌッヌッヌ
・・・こんな「法務」では、負けた会社を擁護するような考え方。
そのWebページはブログ末に引用・転載しておく。
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●社内通報訴訟、社員が逆転勝訴 オリンパス、東京高裁
2011/08/31 16:37 【共同通信】
社内のコンプライアンス(法令順守)窓口への通報で不当に配置転換されたとして、大手精密機器メーカー「オリンパス」(東京)の社員浜田正晴さん(50)が会社側に1千万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は31日、請求を棄却した一審東京地裁判決を変更、配転を無効と認め、220万円の支払いを命じた。
鈴木健太裁判長は、浜田さんの上司が「内部通報に反感を抱いて、必要のない配転命令をした」と指摘。内部通報による不利益な取り扱いを禁止した社内の運用規定にも反するとして「人事権の乱用」と判断した
●社員が逆転勝訴 オリンパス内部告発訴訟
日テレ 2011年8月31日 15:57
オリンパスの社員が内部告発後に配置転換させられたとして会社側に損害賠償などを求めた裁判の控訴審判決で、東京高裁は社員に逆転勝訴を言い渡しました。
オリンパス社員・浜田正晴さん:「オリンパスには、この判決に従い、私の適正な処遇を考えて頂きたい」
オリンパスの社員・浜田正晴さん(50)は2007年、当時の上司が取引先企業の社員を引き抜く計画を会社側に通報しました。その後、違法に配置転換させられたとして、会社や上司らを相手取り、1000万円の損害賠償などを求めていました。1審で東京地裁は浜田さんの訴えを退けましたが、東京高裁は「上司が内部告発に反感を抱き、必要のない配置転換をさせた」として、会社側に慰謝料など220万円の支払いを命じました。
●「正直者がばかを見ていいのか」逆転勝訴の原告
読売(2011年8月31日13時31分 読売新聞)
オリンパスの内部通報を巡る訴訟で、逆転勝訴した原告の浜田正晴さん(50)は判決後、東京・霞が関で記者会見した。
浜田さんは、「正しい行動をした正直者がばかを見ることがあっていいのか、という思いだった」と訴訟を続けてきた理由を語り、「一区切りついた思い。オリンパスには適正な処遇を考えてほしい」と訴えた。
オリンパス広報・IR室は「1審判決通りの結果が得られなかったのは大変残念だ。判決文を精査した上で今後の対応を検討したい」とのコメントを出した。
●オリンパス訴訟 内部通報社員が逆転勝訴
東京 2011年8月31日
窓口に通報したため不当に配置転換されたとして、大手精密機器メーカー「オリンパス」(東京都新宿区)の社員浜田正晴さん(50)が配転の無効確認などを求めた訴訟の控訴審判決が三十一日、東京高裁であった。鈴木健太裁判長は、請求を棄却した一審判決を変更し、配転先で働く義務がないことを確認し、会社と上司一人に慰謝料など二百二十万円の支払いを命じた。
鈴木裁判長は判決で、配転命令は内部通報に反感を抱いた上司が、業務上の必要性とは無関係に行ったと認定。「内部通報による不利益取り扱いを禁止した社内規定に反しており、配転命令は人事権の乱用にあたる」と判断した。
また、配転で昇格・昇給の機会を失わせ、人格的評価をおとしめたことに加え、配転後も、浜田さんに新人社員と同様の勉強やテストを受けさせるなどパワーハラスメントがあったとして、慰謝料の支払いなどを命じた。
一審東京地裁は、配転命令には業務上の必要性があったと判断し、パワーハラスメントも認めなかった。
判決によると、浜田さんは検査機器の営業を担当していた二〇〇七年六月、上司が取引先の社員を不正に引き抜こうとしていることを知り、コンプライアンス窓口に通報。窓口担当者が通報内容などを上司らに漏らした後、別の部署に三回にわたって異動を命じられた。
●オリンパス訴訟:社員側逆転勝訴「配置転換は人事権乱用」
毎日 8月31日 12時45分
上司による取引先社員の引き抜き行為を社内のコンプライアンス窓口に通報したところ、不当な配置転換を命じられたとして、精密機器メーカー「オリンパス」(東京都新宿区)社員の浜田正晴さん(50)が、同社側に配転先で働く義務のないことの確認などを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は31日、浜田さん側逆転勝訴の判決を言い渡した。鈴木健太裁判長は「配転は業務上の必要性と無関係で、人事権の乱用」と述べ、事実上の報復人事にあたると判断した。
1審・東京地裁(10年1月)は、浜田さんの通報について「異動による浜田さんの不利益はわずかで配転命令は報復目的ではない」と指摘。コンプライアンス窓口の担当者が上司に連絡したことも「浜田さんの承諾があり、社内規定に反しない」などとして、浜田さん側の主張を全面的に退けた。
これに対し、高裁は「浜田さんの承諾はなかった」として社内窓口の守秘義務違反を認定。さらに配転について「上司が内部通報に反感を抱いて行ったもの」と指摘し、通報者に不利益となる扱いを禁じた社内規定に反すると判断した。
さらに配転後の勤務状況について、「達成が難しい業務目標を設定し、(浜田さんが)できないことをもって極めて低い評価をした」と指摘。2度目の配転以降、新入社員同様の学習とテストを受けるだけの状態に置いた点も「50歳となった原告への嫌がらせにあたり、違法だ」と批判した。こうした点から、会社と上司に対し、配転による賞与減額分と慰謝料など220万円の支払いを命じた。
判決によると、浜田さんは07年6月、「上司の行為は信頼失墜を招く」として社内の窓口に通報したが、窓口担当者は浜田さんの氏名と通報内容を問題の上司を含む複数の同社幹部に連絡。その後、浜田さんは別部署に異動となり、1審判決を控えた昨年1月以降も2度の配転を命じられた。【和田武士】
◇企業の報復に警鐘
上司の行動を問題視し、社内のコンプライアンス窓口に通報した社員の配転の是非が問われた訴訟で、31日の東京高裁判決は社内窓口の守秘義務違反を指摘し、配転後の勤務実態などをふまえて通報と配転の因果関係を認めた。不当な目的のない「善意」の内部通報者に対する企業側の報復や制裁を戒めたと言える。
昨年10月の消費者庁の調査では、同種の社内通報制度を持つ2604事業者のうち過去1年間の通報がゼロだった事業者は約44%に上った。また、労働者3000人の約43%が会社の不法行為を知っても「通報しない」とし、このうち約30%が「不利益な扱いを受ける恐れがある」との理由を挙げた。労働者側が萎縮している実態が浮かぶ。
内部通報した労働者を守る公益通報者保護法(06年4月施行)の要件が厳しすぎるという問題も横たわる。同法は保護の対象となる通報を400余りの法違反に限定しており、労働者個人に難しい法解釈を求めているに等しい。違反企業に罰則もなく、実効性を疑問視する意見が強いが、運用実態の調査が不十分であることを理由に見直しの検討は先送りされている。
一方で匿名性の高いインターネット上の告発サイトも存在し、企業は内部情報流出の危険にさらされている。流出を防ぐためにも労働者側からみた内部通報制度の信頼度を高める必要があるといえ、判決もそれを後押しする内容となった。【和田武士】
●内部通報で配転は無効 オリンパス社員の請求認める判決
朝日 31日
会社に内部通報したために不当な配置転換をされたとして、精密機器大手「オリンパス」の社員が配転無効の確認を求めた訴訟の控訴審判決が31日、東京高裁であった。鈴木健太裁判長は、一審・東京地裁判決を変更し、配転命令が無効だとする逆転判決を言い渡した。同社側に220万円の賠償も命じた。
原告の浜田正晴さん(50)は2007年、「営業秘密を知る取引先の社員を引き抜くのはオ社の信用を失わせる」と考え、上司や社内のコンプライアンス(法令、規範順守)室に通報。その後、それまでの営業職とは異なる調査研究業務や、品質保証の勉強をさせられてきた。
判決は、内部通報した社員への不利益扱いを禁じた社内規定に反する配転だったと指摘。「通報で引き抜きを阻止されたと考えた上司が、制裁として配転した。業務上の必要性とは無関係だった」と述べ、人事権の乱用にあたると判断した。
そのうえで、品質保証部門への配転後に「浜田君教育計画」と題した書類を渡され、初歩のテキストを勉強させられ続けたなどの処遇について「侮辱的な嫌がらせで、違法だ」と指摘。同社と上司にボーナスの減額分や慰謝料など220万円を支払うよう命じた。
一審・東京地裁判決は「配転による不利益はわずかで、報復目的とはいえない」として浜田さんの請求を棄却していた。
オリンパスは「一審判決通りの結果が得られなかったのは大変残念」とのコメントを出した。(根岸拓朗)
●内部通報で配転は無効、社員側逆転勝訴
TBS 8月31日
大手精密機器メーカーの男性社員が、上司の不正疑惑について社内で内部通報した結果、不当に配置を転換されたとして会社を訴えていた裁判で、東京高裁は社員側逆転勝訴の判決を言い渡しました。
「どこにでもいる平和な普通のサラリーマン生活に、一日も早く戻していただければと願っています」(浜田正晴さん)
この裁判は、「オリンパス」の社員・浜田正晴さん(50)が、社内のコンプライアンス窓口に「上司が不正に取引先社員を引き抜こうとしている」と通報したところ、専門外の部署に配置転換されたとして、異動の取り消しなどを求めたものです。
一審の東京地裁は訴えを退け、浜田さんが控訴していました。31日の判決で東京高裁は、「通報に反感を抱いて人事権を乱用した」と、配置転換は無効と認め、オリンパス側に220万円の賠償を命じる逆転判決を言い渡しました。
オリンパス側は、「今後の対応は判決文を精査して検討したい」とコメントしています。
●オリンパス社員が逆転勝訴 配転先での勤務必要なし 社内通報訴訟で東京高裁
産経 2011.8.31 13:01
内部告発後に不当な配置転換を受けたとして、精密機械メーカー「オリンパス」社員、浜田正晴さん(50)が同社や上司に配転先で働く義務がないことの確認と計1千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が31日、東京高裁であった。鈴木健太裁判長は「人事権を濫用し、昇格・昇級の機会を事実上失わせた」として、請求を棄却した1審東京地裁判決を変更、働く義務はないとした上でオリンパス側に計220万円の支払いを命じた。
1、2審判決によると、浜田さんは平成19年6月、上司が取引先職員の引き抜きを行っているとして、社内のコンプライアンス(法令遵守)窓口に通報。その後、専門とは別の部署へ異動となった。
浜田さんは1審判決後にも異動を命じられており、控訴審ではこの異動についても「通報への嫌がらせだ」と主張していた。
鈴木裁判長は、浜田さんの通報は公益通報者保護法の保護対象にはあたらないとした1審の判断を維持。その上で、取引先の信頼失墜防止という通報目的について「相当の根拠がある」として、内部通報に伴う不利益な取り扱いを禁止したオリンパスの社内運用規定に違反すると認定。配転命令は内部告発に反感を抱いた上司による人事権の濫用と結論づけた。
同法を巡っては、「公益通報として認められるための要件が厳しい」といった指摘があり、施行5年にあたる今年4月をめどに見直すことが付則で定められている。
オリンパス広報・IR室は「1審の判決通りの結果が得られなかったのは大変残念。今後の対応は、判決文を精査した上で検討していきたい」とのコメントを発表した
●逆転勝訴!!オリンパス内部通報訴訟
法務コラム記事投稿日:2011-08-31 19:15:14
概要
精密機器メーカー「オリンパス」の社員が、取引先の社員を引き抜こうとした上司の行為を上司や社内のコンプライアンス室に通報した結果不当な配置転換をされたとして、同社に対し配置転換の無効と損害賠償を求めた訴訟で、社員側の逆転勝訴判決が、8月31日東京高裁で出された。
雑感
内部通報者の保護については、2006年に公益通報者保護法が施行されたが、その後も内部通報による報復を受けたことを理由とする訴訟が後を絶たない。
この事件では、原告は内部通報を契機として、それまでの経験とは全く異なる調査研究業務等を命じられている。解雇権乱用ではなく、内部通報に対する事実上の制裁に関する事案について請求が認められた事例として、実務上の影響力は大きいだろう
●内部告発を理由にマイナス人事、企業側が敗訴
訴訟・行政記事投稿日:2011-08-31 19:29:26
概要
精密機器メーカー「オリンパス」の社員が、内部告発後に配置転換をさせられたとして、配置転換の無効確認を求めていた事例で、東京高裁は社員側の勝訴を言い渡した。原審では会社側の勝訴を言い渡しており、逆転勝訴となる。
なお、内部告発の内容は、上司が取引先企業の社員を引き抜く計画を会社側に通報した、というもの。
雑感
上司も人間であり、自分の行動の間違いを指摘されれば、それを人事のマイナス要因とすることは大いにありうることである。しかし、情報が外部に簡単に飛び交う現在の情報化社会では、社員の恣意は命取りにもなりかねない。
今回は訴訟になったため公になることは避けられない事例だったが、内部情報が外部に漏れることは情報化社会の中、日常的に起こりうる。社員全員が、今一度その行動が企業にどのような影響を与えるのか考えなければならない。
各企業は、コンプライアンス等の勉強会を積極的に行い、従業員のモラルの強化をすべきである。
kou2011
最終更新日:2011-08-31 19:34:33 |
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