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てらまち・ねっと



 岐阜県の中津川市の工場でフェロシルトが見つかった。

 というより、2001年には同工場が石原産業の資料を使って住民に説明をしていたことも分かった。石原産業も2005年に県に報告していた。
 しかし、県はその書類などがないらしく、どうしてだか分からないけれど、今年度になって中津川市・工場・フェロシルトを「確認した」ので公表した、というものらしい。
 今年になっても、他県でも見つかったフェロシルト。まだあるのだろう。

 京都では撤去が一応完了したらしい。

 新聞記者の悩みも紹介したい。

 それと、6月26日の石原産業刑事事件の判決要旨にもリンク。

 なお、うちには、昨日、「まだ公表しないで」との注つきで、告発の手紙が来た。

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● 住民「農地への影響心配」 フェロシルト埋設の疑い  岐阜 2007年07月14日
 中津川市千旦林の工場地内で有害物質を含む土壌埋め戻し材「フェロシルト」が埋設されている可能性が明らかになった問題で、同市は14日、千旦林地区の住民を対象にした地元説明会を開いた。出席した住民たちからは農業や住民生活への影響を懸念する声が相次いだ。
 
 フェロシルトは、石原産業(本社大阪市)が製造、販売。愛知県内で新たなフェロシルトの埋設が明らかになったことから、6月に県が同社に再調査を指示。これを受けて同社は2001(平成13)年に、中津川市の工場用地の造成工事で約300トンが埋設された可能性を明らかにした。

 地区集会所で開かれた説明会には周辺住民ら約50人が出席し、加藤晴郎副市長が「市の中にフェロシルトが搬入されていることを知って驚いている。県と協力して皆さんの安全確保に努めたい」と説明。県の担当者が、17日に石原産業が現地をボーリング調査することに併せて土壌や河川、井戸水の汚染や放射線の調査を実施することを報告した。

 出席した住民たちからは「周辺には農地がたくさんあり、影響がないか不安だ」として、同社などに対する不信感をあらわにする発言が相次いだ。 

● 中津川の工場地内にフェロシルト300トン?  岐阜 2007年07月14日1 
 石原産業(本社大阪市)が製造、販売した有害物質を含む土壌埋め戻し材「フェロシルト」の不法投棄問題で、県は13日、中津川市千旦林の工場地内に、フェロシルト約300トンが埋設されている可能性があることを明らかにした。石原産業は県の指示に従い、17日に現地をボーリング調査する。県も同調査に併せて土壌、河川水、周辺の井戸水、放射線の調査を実施する予定で、埋設が確認された場合、撤去を指導する方針。
 
 現場は2002(平成14)年1月に造成され、同8月に工場が建設された場所。地中5メートルほどの場所に埋設されているとみられる。同市は14日に住民説明会を開き、県が状況説明する。

 県内ではこれまでに土岐市や瑞浪市、可児市内などの13カ所で計約8万5000トンの埋設が確認され、うち、11カ所で撤去が完了している。

 愛知県内で新たなフェロシルトの埋設が相次いで発覚したことから、県では6月8日に石原産業に対し再調査を指示。同11日、石原産業は「新たに内部文書が見つかり、埋設された可能性がある」と報告していた。県はボーリング調査を指示し、石原産業側は現地の工場と調査の実施時期などについて調整してきた。
 石原産業は13日、「速やかに埋設の有無の事実確認を行い、埋設が確認された場合、報告と土壌・環境調査を行い、回収計画を策定する」とのコメントを発表した。

 一方、石原産業が05年、県に「01年に取扱業者がこの工場に10トンダンプ約20台分を搬入した」と報告していたことも明らかになった。当時、県は同社に調査を指示するとともに、取扱業者からも聞き取りを行ったが、業者は「工場が使用を断ったため、愛知県内に持ち込んだ」としていた。石原産業からの調査結果については「県に記録が残されていない」(奥村政文不法投棄監視課長)といい、当時、結果確認が十分に行われていなかったことも判明した。 


 ● 京都府木津川市は搬出作業が6月28日でいったん終了  ヤフー 7月5日
 京都府木津川市は4日、同市加茂町のゴルフ場に埋設され、環境基準値を超える有害物質を検出した土壌埋め戻し材「フェロシルト」の撤去について、製造元の化学メーカー「石原産業」(大阪市)による搬出作業が6月28日でいったん終了し、現在は撤去現場の土壌分析が行われていることを明らかにした。分析結果は7月中に判明する予定で、問題がなければフェロシルト撤去は昨年6月の開始から約1年でようやく終了となる。
 
 現時点で搬出した量は、フェロシルト約5万6000トンと周辺土壌を合わせて8万7360トン。府から廃棄物処理法に基づく撤去命令を受けた同社は当初、ボーリング調査などから撤去対象を7万500トンと見込んでいたが、予想以上に深い場所の土壌を運び出す必要が生じて量が膨らんだ。

 土壌分析は、石原産業が撤去後の現場で約110カ所の土をサンプル採取して、六価クロムなどの有害物質が基準値以下かどうか確認している。同社は以前にフェロシルトの分析結果を虚偽報告しており、府も一部で同じサンプルを分析する。
 また田中達男市長公室長は、懸案の清掃センター建設に向けたプロジェクトチーム結成について、人数は10人以内で人事発令は7月中旬ごろになるとの見通しを示した。
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● 地元記者“歯ぎしり”東海のフェロシルト問題   日本ジャーナリスト会議機関紙部が開設するブログ  から引用 ↓
 石原産業元副工場長に実刑判決が出ました。この問題は一部ブログの記事で知っていましたが、全国的にはあまり知られていないと思い、朝日新聞津総局にお願いして寄稿してもらいました。ある記事が全国版で大きく報じられるかどうか・・・。メディア論としても考えさせられます。
 機関紙「ジャーナリスト」06年3月号掲載の記事を紹介します。

●地元記者“歯ぎしり”東海のフェロシルト問題 公害企業と地方行政の癒着ぶり 全国レベルの検証 不可欠

 三重県が、条例に基づく推奨リサイクル製品に認定した「フェロシルト」。産業廃棄物の廃硫酸汚泥が原料だが、土壌埋め戻し材として愛知、岐阜、三重、京都の各府県に70万㌧余が埋め立てられた。
 ところが、各埋設先で環境基準を上回る六価クロムやフッ素などの有害物質が相次ぎ検出されたため、地元住民らは不安を募らせている。
 製造元の大手化学メーカー石原産業(本社・大阪市)が、同社四日市工場で生産する主力製品「酸化チタン」の製造工程で大量発生する廃硫酸を、産廃処理費を浮かす目的でリサイクルを偽装。三重県には無害な試料を提出してリサイクル認定を促した疑いが持たれており、4府県警合同捜査本部が廃棄物処理法違反容疑で捜査を進めている。

 同社は80年、四日市港に1万㌧余の廃硫酸を垂れ流して伊勢湾を白濁させたとして工場排水規制法違反などの罪に問われ、津地裁の全面有罪判決が確定。公害で刑事責任を追及された全国初の企業となったが、今回も教訓を無視したまま、確信犯的に投棄場所を海から陸に変えた格好だ。
 「工場内で申請外の不正な廃液が混入されている」とする情報をつかんだ朝日新聞は05年6月、津総局と四日市支局、名古屋本社報道センターの合同チームが本格的に取材を開始。口の重い関係者らと接触を重ね、同社がひた隠しにする操業日報、月報などの膨大な資料を入手して、不正を否定する幹部の一問一答を含めた特報の予定稿を準備した。

 朝日新聞が送った4回目の質問状の回答締め切り日にあたる10月12日夜、同社は三重県庁で抜き打ち会見を開き、廃液不正混入の事実を認めた上で「フェロシルト製造の中心人物だった元副工場長の独断だ」として、会社ぐるみの関与を打ち消した。
 これに対し、名古屋本社発行紙面では、予定稿に手を加えて会社ぐるみの偽装を裏付ける記事を1面と社会面に展開し、翌日以後も詳報を打ち続けた。ただ、一報が発表扱いで特報ではなかったせいか、他地域発行の紙面にはなかなか掲載されなかった。

 テレビ各局を含む同業他社の報道も東海ローカルにとどまる。地元の記者たちは「企業の不正と後押しした行政の癒着ぶりは、全国レベルで検証されるべきだ」と口をそろえ、地域による報道の温度差に「報道機関の縦割りによる弊害だ」と歯ぎしりする。
 土壌汚染をいち早く指摘したのは、各地の住民団体だ。ただ、他府県の動きを把握しにくいのも実情だった。
 市民の動きを広域的に把握し、共有する仕組みをつくらない限り、県境をたやすく越えて繰り広げられる不正を暴くのは困難だということも、取材で痛感した教訓だ。 本田直人(朝日新聞津総局)




● 判決要旨 フェロシルト不法投棄事件    よろずやさんの7月4日のブログ から転載 (詳しくリンク先のブログをどうぞ)
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全国紙から全文引用
(時間があったらブロック紙の判決要旨(こっちのが文量が多い)に置き換える。かも)

▼フェロシルト排出に至る経緯
 被告人佐藤は、1998年夏ごろ、酸化チタンの製造工程で排出される汚泥から何らかの製品を製造することによって、その排出量を減らし、処理費用を削減しようと考えた。だが、廃硫酸のみから排出された汚泥は、商品化できるものではなかった。
 被告人佐藤は、上記汚泥を98年9月ごろ、中部国際空港建設予定地の埋め立て工事で利用してもらおうと、交渉を始めたが、産業廃棄物は受け入れられないとの意向を示された。被告人佐藤は、四日市工場の工場長に対し、上記汚泥に別名をつけて商標登録することなどを提案。被告人会社は承認し、名称を「フェロシルト」と決めた。2001年4月ごろ、空港工事での使用を正式に拒否され、被告人佐藤は30万トン近いフェロシルトの搬出先の検討を迫られるようになった。

▼前提事実
 1. 亀山市辺法寺町の第1期工事現場への投棄 2001年11月、被告人会社は石原テクノとの間で、フェロシルトを1トン当たり80円で売却する契約を締結。石原テクノは杉本組に同150円で売却し、被告人会社は杉本組が購入したフェロシルト1トン当たり2950円を改質加工費の名目で支払う覚え書きを交わした。杉本組は01年12月から03年1月までに合計10万トン余りを買い取り、一世建設の関係者が依頼した車が搬出して埋め立てた。
 2. 土岐市泉町の山林への投棄 略
 3. 辺法寺町の第2期工事現場への投棄 略

▼投棄罪の成立
 被告人両名は、フェロシルトを造成現場に埋め立てようという考えの下、売買契約を締結し、それに従って、フェロシルトを買い受けた一世建設らが各山林等に埋め立てたと認められる。社会的に許容されない方法での処分といえるから、廃棄物をみだりに捨てた行為と認められる。

▼投棄行為の主体
 搬出・運搬業者らは、フェロシルトは被告人会社が販売する商品であると認識しており、投棄罪の故意の存在は認められない。他方、被告人両名はフェロシルトを山林等に投棄する意思の下に売買契約を締結し、搬出・埋め立て業者の行為を一方的に利用したものである。

▼量刑の理由
 1. 共通の事情 被告人両名は01年12月から05年4月にかけて比較的長期にわたり、産業廃棄物である汚泥を土壌埋め戻し材と称して投棄し続けた。しかも、01年当時から、埋め立てた汚泥から有害物質である六価クロムが検出されることを認識しながら、行政機関や搬出先からの問い合わせに虚偽の説明を行ったり、虚偽の事実を申告して三重県条例に基づくリサイクル製品認定を受けたりして、産業廃棄物を商品であるとごまかし続けるなど、その犯行は社会的な責任を考えない悪質なものである。
 2. 被告人佐藤は、産業廃棄物を商品と称して出荷することを発案し、終始自らが中心となって部下らに指示し、本件各犯行やそれに伴う隠ぺい行為を一貫して主導した。その刑事責任は重大である。
 3. 被告人宮崎は、環境保安部長等として四日市工場における産業廃棄物処理を適正に行うべき立場にあったにもかかわらず、違法性を認識しながら、売買契約などを行った。その刑事責任を軽視することはできない。
 4. 被告人会社の関係者は、不法投棄に当たる疑いが強いことを認識しながら、漫然と被告人佐藤らが犯行を行うのに任せていた。被告人会社の対応は、社会的責任を忘れ、被告人佐藤らに犯行の責任を負担させながら、会社の経済的利益を追求したものと言わざるを得ない。



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