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てらまち・ねっと



3月25日の土岐市での集会において、参加者から先日の国会でもフェロシルト問題が議論された、との意見がありました。
 石原産業四日市工場長の安藤氏も、「私も見ていました」と答えました。
 ということで、国会の議事録を読んでみました。
 環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長の「国は必要に応じて助言していくが、直接的に国の方で企業に対しては、現在のこの廃掃法の制度が法定受託事務なので、まずは自治体の方でしっかりやっていただく」、国務大臣の「環境省としてもこれまでしっかりと対応してきたと考えている」との答弁には、驚きます。
 事案の全体状況を 専門誌原稿 にまとめた私はなおさら。 少し要約します。
 全文はリンク先にあります。
   参議院の議事録速報・3月22日 環境委員会
  3月22日から30日を過ぎると、リンク先が移動する可能性があります。リンク切れの場合は 国立国会図書館の検索画面 で「期間=平成18年3月22日 参議院」などの検索後をいれれば、繋がると思います。
第5号 平成18年3月22日 第164回国会 環境委員会 第5号 平成十八年三月二十二日(水曜日)
   
質問者 → 市田忠義(共産党)
答弁者 → 国務大臣 環境大臣 小池百合子
    → 環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長 由田秀人
    → 経済産業省製造産業局次長 塚本修


○市田忠義君 フェロシルトは、埋め戻し用土木資材として周辺の府県に出荷されたが、当初の埋設状況について、府県ごとに何か所、総合計で何万トンか。
○政府参考人(由田秀人君) 岐阜県が十三か所、愛知県が十三か所、三重県が八か所、それから京都府が一か所ということで、合計三十五か所。埋設量全体で七十三万八千トン。

○市田忠義君 この中で六価クロムと弗素のどちらかが土壌環境基準を超えている箇所数。
○政府参考人(由田秀人君)三十五か所のうち、環境基準を超過している埋設地は二十六か所。

○市田忠義君 どうしてそのリサイクル商品からこんな発がん性の有害物質が検出されるのか。こちらはアイアンクレー。これが産業廃棄物。どちらも同じ石原産業の三重県の四日市工場で、違うパイプを通すだけで全く違うものとして製造された。この産業廃棄物、これを処理するには幾ら掛かかるか。
○政府参考人(由田秀人君) 地域や最終処分場によって異なるとは考えらるが、三重県では八千円から一万円程度で最終処分されている。

○市田忠義君 最初に出したリサイクル製品、これは幾らで販売していたか。
○政府参考人(由田秀人君) 石原産業から子会社の石原テクノに一トン当たり八十円で売却され、更に一トン当たり百五十円で埋め戻し用の資材として売却された。

○市田忠義君 資料は、石原産業四日市工場のフェロシルトの製造とアイアンクレーの排出記録の三か月分を抽出したもの。Aの表とBの表を見比べて、Bの表の四日間、ここだけアイアンクレーの投棄量が多い。Cの表の十六日以降、四月の十六日以降、これフェロシルトの生産がゼロで、アイアンクレーの投棄量一気に増えている。その理由は。
○政府参考人(由田秀人君) Bの表は、数値の傾向として、いわゆる投棄アイアンクレーの量がこの間にのみ増え、フェロシルトの量がこの間のみ減っているということで、何らかの操作によりこのような事実関係になったと推定される。
 表Cの方は、フェロシルトがすべてゼロになっておるところは投棄の方のアイアンクレーの方で最終処分の方に回っているものと推定される。

○市田忠義君 実は、Bの表の四日間というのは三重県の立入検査の日を含んだ数日間。Cの表は、昨年環境省が工場視察を行った直後。すなわち、二〇〇三年三月から二〇〇五年四月の製造中止までの間は、リサイクル商品と偽っていたフェロシルト、これに四日市工場全体の廃液を石原産業は混入していた。
 表Aがフェロシルトに廃液を混入していた通常時の生産とアイアンクレーの排出の量。これはリサイクル商品のフェロシルトが、産業廃棄物が少なくてフェロシルトが多いと。ところが、廃液が混入をされていた。Bの表の県の立入検査時には、パイプをつなぎ換えて申請どおりの工程で行ったためにフェロシルトの量が減って逆にアイアンクレーの量がぐんと増えている。
 明らかに、本来ならアイアンクレーになる量を低く抑えて、残りはすべてリサイクル商品と偽って販売した。申請どおりの工程による製造は、製造を始めてからたった五か月間だ。これで数十億円の産廃の処理費用を浮かして、もう自分のところさえもうかれば環境はどうなっても知ったことかと、ひどい反社会的行為だ。
 経済産業省は、これを受け止めてどのように対処したか。
○政府参考人(塚本修君) 本来廃棄されるべき廃液等を混入してフェロシルトを製造していたことと、それから三重県や岐阜県に会社として提出したフェロシルトのサンプルが故意に違うものにすり替えられていたということで、企業の信頼を失墜させる行為がなされていたということで、経済産業省として誠に遺憾だと認識している。
 このため、この問題が当省として認識た以降、昨年の十一月七日に、この行為を行った石原産業に対しては、特に関係自治体及び警察の指示に従い、原因究明に協力するとともに再発防止に万全を期すように文書で要請を行っている。それから、この関係の日本酸化チタン工業会あてにも同様な要請文を発出している。

○市田忠義君 経済産業省は重大な問題ととらえてそういう指導も行ったが、石原産業に重大な責任がある。三重県の責任について環境省はどうお考えか。
○国務大臣(小池百合子君) この撤去については、原因者であって、そして措置命令を受けた石原産業が責任を持って速やかに履行すべきものである。一方で、フェロシルトの搬入が可能な最終処分場の確保が十分になされていないことも撤去の遅れにもつながっている。関係自治体は、措置命令を発しているわけだが、今、命令を履行させるために、石原産業に対して最終処分場の確保ということで厳しく指導している。
 よって、今後とも、環境省として関係自治体に対し必要な指導、助言を行っていくとのスタンスだ。

○市田忠義君 三重県にも問題があったと考えるかと聞いたわけだが、今、事実上問題があったというふうに言われたと受け止めたい。三重県の検討委員会では、立入調査による実地確認、品質管理のための定期的なチェック、リサイクル製品の安全確保のための提言を行っているが、表Bで明らかなように、事前に連絡をして立入調査してもこれは効果はないと、そのときだけごまかすから、本当の検査にはならない。私が提起したいのは、環境省として、多くの県で確立されている再生利用の認定制度について、それぞれの県が改めてその認定制度どおりになっているか総点検を行うように促すべき。環境省としてどうか。
○政府参考人(由田秀人君) 全国的な視点でのリサイクルの推進策としては、再生利用認定制度とか広域処理認定制度を設けており、これらを活用してリサイクルの推進を図っている。地域的なリサイクルについては、各自治体においてそれぞれリサイクルの認定制度を創設して、その地域の需給バランスにかんがみ各々の地域の実情に応じたことをやっている。これについて全国で指揮を執っていくということはどうもなじまないのではないかと思っている。

○市田忠義君 それぞれの自治体に任せるという答弁だが、企業性善説の立場では駄目だということが今度の件で非常にはっきりした。どうしても公のチェックが必要で、この再生利用を推進している国がその安全性の確保に万全を期すために最低限必要な点を押さえることは、そのとおりやられているかどうかきちんと総点検しなさいと促すことぐらいは、これは別に県の自主性を損なうことでも何でもない。まるで環境省として他人事のようなとらえ方というのは私まずいと思う。
 環境省としてこの問題について初めて知ったのはたしか住民団体から要望があったときだと聞くが、それは何年何月か。
○政府参考人(由田秀人君) 環境省としては、平成十七年二月七日に最初の要望を愛知県住民から受けた。

○市田忠義君 環境省はその後の同じ年の四月十三日に石原産業四日市工場を視察しているが、どういう角度で調査したか。
○政府参考人(由田秀人君) 十七年四月十三日に石原産業四日市工場の視察に参り、フェロシルトの製造過程等の確認した。翌十四日に岐阜県の土岐市、瑞浪市及び愛知県瀬戸市の現地視察を行い埋立状況を確認した。

○市田忠義君 昨年二月に要望を受けた際に酸化チタンの廃棄物を原材料としているということは環境省も認識していたから、四月十三日に工場視察した際にどうして廃棄物と見抜けなかったのか。原材料に有害性のあるものを含んでいるんだから、廃棄物でないかどうかの視点が求められていた。こういう重大な問題について、把握したのも随分遅いし、現地調査に行った時期も遅い。石原産業は調査を行った直後からフェロシルトの製造を中止している。さらに、翌四月十四日、埋立現地を環境省は視察しているが、地元の方から要望を受けた際に廃棄物云々のやり取りもあった。産業廃棄物ではないかとの角度で調査したか。
○政府参考人(由田秀人君) 外形的に売却されているので、そのような推定があるが、その後、各県において産業廃棄物として措置命令を掛けているから、その間この産業廃棄物であると認識に至る過程にあったと承知している。

○市田忠義君 それは後のこと。その当時は放射性物質が含まれているかどうかという調査しかやってない。その問題について責任回避したら駄目だ。環境省はこの間廃棄物該当性の判断について「行政処分の指針について」という文書を繰り返し判断基準示しているが、結局自らが正確な判断ができなかったということは非常にはっきりした。
 何か所かの埋設現場からは有害性の高い特別管理廃棄物の基準を上回る極めて高い濃度の六価クロムが検出されて、撤去が大変遅れている。岐阜県は不法投棄を告発している。
 当事者だけに任せてずるずると引き延ばす、私は国として、環境省が自らの責任として、一刻も早い撤去のために石原産業や三重県に働き掛けるということが当然だと思うが、どうか。現にやっているのか、今後やる決意があるのか。
○政府参考人(由田秀人君) フェロシルトの撤去は、原因者であり措置命令を受けている石原産業が責任を持って速やかに撤去をすべきもの。国は必要に応じて助言していくが、直接的に国の方で企業に対しては、現在のこの廃掃法の制度が法定受託事務なので、まずは自治体の方でしっかりやっていただく。

○市田忠義君 大臣も同じ認識か。企業と自治体任せで、環境省としては物を言うつもりは全くないと。国の判断ミスや事態の掌握が遅れて、調査に行ったけれども産業廃棄物かどうかということについてきちんとした判断も下さず、遅れている。石原産業が一番悪い、三重県や関係の自治体にも責任がある。しかし、早く撤去させるようにきちんとやりなさいということを環境省で言うのは当たり前じゃないか。どうして言わないのか。
○国務大臣(小池百合子君) 環境省としてもこれまでしっかりと対応してきたと考えている。また、地方環境事務所をつり、関係自治体との連絡調整会議なども行っている。今回、リサイクルという名前をかりて自治体の審査を欺くような事例は誠に遺憾であり、もうほかに言葉はない。
 しかし、今後、このようなリサイクルの名をかりて廃棄物の不適正な処理が行われるとリサイクルそのものに対しての信頼感にも影響が出てくる。よって、リサイクル製品の性状などについては一層慎重な審査が行われるべき。

○市田忠義君 環境省には何の責任もないと、恐るべき答弁がされたということを確認しておく。
 今回の事件は、全くの産業廃棄物をリサイクル商品だと偽って堂々と流出させ、しかも三重県がそれを認定することによってお墨付きを与えて被害を拡散した。言わば廃棄物の定義の在り方や今後のリサイクル制度の在り方などについて重大な全国的問題を提起している。リサイクルは当然推進していかなければならないが、放射性物質や有害な重金属を含むものをリサイクル製品として認めるとこと自身に大きな問題がある。
 現状では有害物質を含んだ廃棄物の資源化は原則廃止すべき、禁止すべきだ。
○国務大臣(小池百合子君) 循環型社会構築にリサイクルの推進は極めて重要であるということは何度も申し上げている。また、今回の問題、石原産業という原因者、これはまさしく社会的責任というCSRの観点からすると、大いに欠如している。このリサイクルの名をかりてということも、廃棄物の不適正な処理が行われることのないように、リサイクル製品の性状などについては一層慎重な審査を行っていきたい。

○市田忠義君 現状では有害物質を含んだ廃棄物の資源化は原則禁止しないと、幾らでも網の目をくぐって悪いことがやられるよということを言っているわけ。リサイクルの推進には我々も賛成だけれども、放射性物質や有害な重金属を含むようなものをリサイクル製品として認めるということはやめたらどうか。
○国務大臣(小池百合子君) 例えば何が有害であるとか、医療の関係であるとか、これまでも廃棄物処理法に準じた形で適正なリサイクルが行われてきた。よって、それに不適切なものはしっかりと取締りということはこれまでも続けてたし、今後とも法律に従って対応する。

○市田忠義君 環境省として事件を重く受け止めて、石原産業と関係の県だけの責任だと見ないで、やっぱり環境に責任を持つ省として、再びこういうことが起こらないように、廃棄物の定義の在り方、徹底、安全性が確保されたリサイクル制度のための指針作りなど真剣に取り組むことが不可欠だとして質問を終わる。


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 庭の何箇所かには、ずっと以前から、大輪のラッパズイセンがあります。
 
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)



 

ラッパズイセン
「ヒガンバナ科
スイセンとしては一番遅くまで咲いている
球根にはアルカロイドが含まれていて有毒」

 (関連)ブログを始めてまだ40日ほどだった 昨年2005年4月1日のブログ はこの水仙でした。写真も文もたどたどしい。


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