Sunday Song Book #1339

2018年06月10日 | Sunday Song Book

2018年06月10日プレイリスト
「ジャズで、棚からひとつかみ」
1. ラビアン・ローズ / 山下達郎 "レイ・オブ・ホープ" '11
2. I REMEMBER WES / GEORGE BENSON "GOODIES" '68
3. DON'T BE THAT WAY / BENNY GOODMAN "CARNEGIE HALL JAZZ CONCERT" '50('38)
4. APRIL IN PARIS / CHARLIE PARKER "WITH STRINGS" '49
5. LISTEN PEOPLE / STEVE MARCUS "TOMORROW NEVER KNOWS" '68
6. MY BACK PAGES / KEITH JARRETT "SOMEWHERE BEFORE" '78
7. SATIN DOLL-IMPROVISATION / RAHSAAN ROLAND KIRK "LIVE AT MONTREAUX JAZZ FESTIVAL" '96('72)
8. I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN / 山下達郎 with PONTA BOX "WELCOME TO MY LIFE" '98
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■内容の一部を抜粋
・近況
6月23日からはじまる全国ホール・ツアーのリハーサルに勤しんでいるという。番組は大幅に前倒しして収録しているそうだ。「早めに梅雨が来ると聞いた、そのくらいに録っております(笑)」と達郎さん。

・ジャズで、棚からひとつかみ
「ギブソン・ギターで、棚からひとつかみ」のときに口が滑りジャズの特集に触れたところ反響があり、「ジャズで、棚からひとつかみ」と言った手前、選曲をはじめたが一週間や二週間では足りなくて、言うんじゃなかったと思ったとか。ジャズもロックンロールに負けず劣らず寛容な音楽なので、1930年代のスウィング・ジャズからはじまってバップ、いわゆるモダン・ジャズ、ビッグバンドからクロスオーバーにフュージョン、ジャズ・ロックとかフリー・ジャズに至るまで千差万別、百花繚乱、そういう感じなのだそうだ。なのであくまで達郎さんの世代間、達郎さんの音楽的趣向で集めた「ジャズで、棚からひとつかみ」、ジャズ特集ではないとのこと。達郎さんはフリー・ジャズが好きなのだが、昼間の二時からフリー・ジャズをかける勇気がなくて、あくまで幅広いリスナーに受け入れるかたちで選曲したという。

・ラビアン・ローズ
達郎さんはジャズと全く無縁の生活なので最初はジャズでも何でもない季節柄のリクエストで「ラビアン・ローズ」。2011年のアルバム『RAY OF HOPE』に入ってるシャンソンのカヴァー。

ジャズは歴史の長い音楽でしかも多岐に渡っているので、「ジャズ」と一言で言っても語り尽くせない。今回は達郎さんが十代のいちばん多感なときに、ジャズ喫茶に行って聴いた数々のジャズのレコードから。

・I REMEMBER WES
ジョージ・ベンソンはもともとはギタリストとしてスタートした。どちらかというとファンク系の音楽のバック・バンドからはじまってジャズの世界に入り、やがてフュージョンの時代に歌が歌いたくて歌手になった。1968年のアルバム『GOODIES』から彼が影響を受けたウェス・モンゴメリのアプローチに似た「I REMEMBER WES」。

・DON'T BE THAT WAY
ジャズは20世紀の初期にアメリカで生まれた音楽。いわゆるアフリカン・アメリカン、奴隷として連れてこられた黒人の人たちとヨーロッパのアカデミズムの音楽がくっついて生まれた。二大ファクターはスウィングとインプロビゼーション(即興演奏)。そこから枝分かれして、だんだんスウィングしなくなり、ロック・ジャズ、ファンク・ジャズ、フュージョンというものになってゆく。達郎さんの世代のモダン・ジャズがジャズだと思われがちだが、商業的にジャズがいちばん成功したのは1930年代で、その頃ジャズはダンス・ミュージックだった。一世を風靡したのはベニー・グッドマン、トミー・ドーシー。中でも一際目立っていたのがベニー・グッドマン。シカゴ生まれのハーレムで育った貧しい少年だったが、クラリネットの天才的な才能があり、この人がクラリネットでできる可能性を全てやってしまったので、モダン・ジャズ以降はクラリネットの目ぼしい奏者は出てこなかった。1938年にカーネギー・ホールで初めてジャズのライヴが行われたのがベニー・グッドマン&ヒズ・オーケストラで、一本のマイクで録られた音を数ブロック外れたCBSのスタジオに引っ張っていって、そこで録音がダイレクト・カッティングで行われた。そのときの録音の半分が行方不明だったが自宅で発見されて、1950年に『CARNEGIE HALL JAZZ CONCERT』というかたちでアルバム化され、それがベストセラーになり、ベニー・グッドマンが再評価されて映画にもなり人気が出た。そのアルバムの1曲め「DON'T BE THAT WAY」はスウィング・ジャズの全盛期の音が記録されている。

・APRIL IN PARIS
ビックバンドからだんだん小編成のグループで演奏する形態に変わってゆくがそれをビバップという。そこから出てきた一人の天才がチャーリー・パーカー。オーケストラをバックにジャズのミュージシャンが単独で演奏した草分けのアルバム『WITH STRINGS』。1949年のレコーディングでその中から「APRIL IN PARIS」。2002年にリイシューされた紙ジャケ(CD?)がノイズが少なくいいリマスタリングなので今日はその再発盤から。

・LISTEN PEOPLE
スティーブ・マーカスはソプラノ・サックスを吹かせたらジョン・コルトレーンより上だという人。1968年のソロ・デビュー・アルバム『TOMORROW NEVER KNOWS』はロック・ソングをモチーフとして取り上げてソロを吹いている(即興演奏をしている)。その中から「LISTEN PEOPLE」はハーマンズ・ハーミッツのナンバー。

・MY BACK PAGES
キース・ジャレットのソロになってから3枚目のアルバム『SOMEWHERE BEFORE』(1968年)の中からボブ・ディランのカヴァーで「MY BACK PAGES」。当時、ジャズ喫茶でかかりまくっていたという。

・今後の予定
来週はまた恐怖の聴取率週間。6月23日からツアーがはじまるのでその前夜祭「山下達郎ライブ特集」。ツアーがはじまったらリクエストに応えるのでお便り、リクエストを引き続き募集中。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

・PERFORMANCE 2018
今年も6月23日から全国ホール・ツアーがはじまる。全国24都市49公演。8月29日の新潟県民会館までのチケット一般発売は終了。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日に公開される。この度、このアニメ『未来のミライ』のオープニング・テーマとラストのエンディング・テーマ(主題歌)を達郎さんが書下ろした。オープニング・テーマは「ミライのテーマ」という曲。エンディング・テーマは「うたのきしゃ」。この2曲は両A面シングルとして7月11日に発売予定。カップリングは映画『サマーウォーズ』のために9年前書き下ろした「僕らの夏の夢」のアコースティック・ライヴ・ヴァージョン。4月25日に広島のクラブクアトロで行った最新ライヴからの収録。ジャケットは初回盤と通常盤の二種類あり、初回盤は映画のメイン・ビジュアルを採用し、通常盤は達郎さんのパートナーのとり・みきさんの「タツローくん」のイラスト。詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの山下達郎スペシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

音のほうのオンエアまだ先になる予定。

・SATIN DOLL-IMPROVISATION
フリー・ジャズをかけたいという血がうずくのでラサーン・ローランド・カーク。唯一無二の盲目の人でひとりで3本のサックスをくわえて演奏する。1996年にライノ・アトランティックからいきなりライヴが出た。1972年のスイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルのライヴ盤で『LIVE AT MONTREAUX JAZZ FESTIVAL』。この中にデューク・エリントンの「SATIN DOLL」をひとりで演奏している。その後にインプロビゼーションが続く。

・I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
1998年の村上"PONTA"秀一さんのアルバム『WELCOME TO MY LIFE』でPONTA BOXをバックにレコーディングしたコール・ポーターの「I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN」が達郎さん唯一のストレート・アヘッド・ジャズ作品。

2018年06月17日は、「ツアー前夜祭、山下達郎ライブ特集」
http://www.tatsuro.co.jp

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