Sunday Song Book #1251

2016年10月02日 | Sunday Song Book

2016年10月02日プレイリスト
「日曜日で棚からひとつかみ」
1. GROOVIN' / 山下達郎 "アルチザン" '91
2. SUNDAY MORNING / EARTH,WIND & FIRE '93
3. WILL YOU BE STAYING AFTER SUNDAY / THE PEPPERMINT RAINBOW '69
4. LOVE IS A RAINY SUNDAY / THE LOVE GENERATION "MONTAGE" '68
5. PLEASANT VALLEY SUNDAY / THE MONKEES '67
6. A SUNDAY KIND OF LOVE / THE HARPTONES '53
7. SWEET SUNDAY KINDA LOVE / THE BEACH BOYS "M.I.U.ALBUM" '78
8. IT'S SUNDAY / THE SUNSHINE COMPANY "THE SUNSHINE COMPANY" '68
9. WHAT DO YOU DO ON SUNDAY AFTERNOON / JERRY BUTLER "POWER OF LOVE" '73
10. 待ちぼうけ / 堀ちえみ '82
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
10月に入り放送業界は年度替わりで新年度。サンデー・ソングブックはもともとはサタデー・ソングブックとして1992年10月にスタート。この10月で満24年、いよいよ25周年に突入した。「JFNネットワークの中でも長寿番組の仲間入りをさせて頂いております。これもひとえにずーっとお聴き頂いておりますリスナーの皆様のおかげと心より御礼申し上げます。今後とも何卒よろしくお願いいたします」と達郎さん。

・日曜日で棚からひとつかみ
明日10月3日(月)、明後日4日(火)の二日間は新宿ロフトで山下達郎アコースティック・ライヴだが、スケジュールがタイトなので今週は番組収録が覚束なくなった。「最近、やっぱり年齢のせいと言いましょうか。ツアーの合間に番組を録るとか、そういうところが肉体的というか、まぁ声帯的に(笑)、辛い時がときどきありまして。特に風邪を引いたときとかですね、そういうときにどうしょうかなという。昔はそういうこと思ってもみなかったんですけれども。ここ数年間そういうことがもしかしたらあるんじゃないかと。長寿番組なものですから。じゃあ前もってですね、何本か予備で録っておこうじゃないかというアイディアが今年に入って出ました。そういうのを雨傘番組といいます。雨傘番組というのはプロ野球とかですね、昔はドームとかありませんので、雨天で中止になったときにラジオなんかが、例えば野球中継ができなくなった、そういうときに臨時で放送する番組を雨傘番組といいまして。それは前もって録ってあるんですね。そういうような前もって転ばぬ先の杖で番組を録ってあることを、ちょっと試みてみようということでですね。今回ちょっとめずらしいんですけれども番組の収録が追いつかないので、じゃあこのあいだ録った雨傘番組使ってみようか、せっかく新年度だし何か新しいことをいろいろやってみようか(笑)、新年度でそれかよって(笑)。で、雨傘番組どういうのにしようかという。今回はスケジュールの都合でたまたま悪くて間に合わないという状況なのでアレですけれども。例えばですよ、風邪引いたとか、40度熱が出たとか、声がどっかで出なくなっちゃったとかですね、そういうようなことがありますので、そういうときにじゃあ[病気で棚つか]とか[骨折で棚つか]とか縁起でもない、よくないなと。じゃあどういう臨時プログラムにしようかという。サンデー・ソングブック24年間やってきましたが、今まで日曜日の歌の特集というのを、不思議な事に一度もやったことがない。ときどき日曜日の歌をかけることもありますけれど。日曜日の歌ばっかりで揃えたプログラムというものが今まで一度もないので、それじゃあこの雨傘番組でやるときはですね、[日曜で棚からひとつかみ]これでいってみようと。でですね、日曜日の曲いい曲多いんです。これをずらっと並べますとですね、ラインナップがですね、普段の超常連の方々がとっても喜んでもらえるような、そういうようなラインナップができましたので、ひとつ今日は[日曜で棚からひとつかみ]。[B面で棚からひとつかみ(邦楽編)]は来週に回したいと思います。新年度にちょうどいいかなという。サンデー・ソングブックですので日曜日の歌。[日曜で棚からひとつかみ]です。ひとつよろしくお願いします」と達郎さん。

・GROOVIN'
山下達郎40年近く活動してきたが日曜日をテーマにした曲が実はない。1991年のアルバム『ARTISAN』に入っている、番組のエンディング・テーマとしても使われているヤング・ラスカルズ1967年のNO.1ヒットの「GROOVIN'」のカヴァー。これを頭に聴いてもらう。いつもはエンディングだがたまにはナレーションが乗っからないすっぴんのやつ。

・SUNDAY MORNING
アース、ウィンド&ファイアの1993年のアルバム『MILLENNIUM』。EW&Fが時代から取り残されつつあったときに突如として出たアルバムで「SUNDAY MORNING」はシングル・カットになった。達郎さんは好きでシングルを買ったという。全米R&Bチャート20位、全米チャート53位というスマッシュ・ヒット。この時代にギターで入っていたシェルドン・レイノルズとモーリス・ホワイトとアリー・ウィリスの3者共作。今回調べたらシェルドン・レイノルズは1959年生まれなので佐橋佳幸さんと同じ世代だと達郎さん。

・WILL YOU BE STAYING AFTER SUNDAY
日曜日の歌で今聴いていちばんクオリティーがいいのは1960年代のウェスト・コーストの音。いわゆる白人の音楽、俗にソフト・ロックと呼ばれるジャンルの音楽。今日はそういうようなものを中心に。ペパーミント・レインボウはボルティモアの出身の女性2人男性3人の5人組で、資料にはヴォーカル・インストゥルメンタル・グループと書いてあるが実質的にはヴォーカル・グループに近いものだと思われる。1969年のシングル「WILL YOU BE STAYING AFTER SUNDAY」は全米32位のスマッシュ・ヒット。プロデュースはポール・レカという当時のバブルガム・ロック全盛の時代にレモン・パイパーズの「グリーン・タンヴァリン」とか、自らもスティームというグループで「ナ・ナ・ヘイ・ヘイ・キス・ヒム・グッバイ」という大ヒット曲を出した。

・LOVE IS A RAINY SUNDAY
ソフト・ロックは日本では全く流行らなかった。耳慣れないので逆に耳新しく日本で'90年代になってソフト・ロックのブームがきた。日本でのブームを受けて初CD化されたのがウェスト・コーストのグループ、ラヴ・ジェネレーション。もともとは6人組だったがアルバム3枚出すうちにほかの4人が抜けて作曲を担当しているトム・バーラーとジョン・バーラーという二人の兄弟だけが残った。1968年の3枚目のアルバム『MONTAGE』から「LOVE IS A RAINY SUNDAY」。1968年のウェスト・コーストはフラワー・パワーという、ラヴ、ピース、ハッピネスを背景にしたヒッピー・カルチャーの頃で日曜日はきれいなイメージだった。

・PLEASANT VALLEY SUNDAY
ウェスト・コースト制作のモンキーズ、1967年のシングル「PLEASANT VALLEY SUNDAY」は全米3位。キャロル・キングとジェリー・ゴフィンの作品。元モダン・フォーク・カルテットのチップ・ダグラスがプロデュース、ベーシストとしてタートルズに参加していた。この時代のモンキーズの一連の作品が達郎さんは好きだという。

・A SUNDAY KIND OF LOVE
ハープトーンズはドゥーワップの中のドゥーワップというニューヨークを代表するドゥーワップ・グループ。1953年のデビュー作品「A SUNDAY KIND OF LOVE」は今やドゥーワップのスタンダード・ナンバーとしていろんな人がカヴァーしている。

・雨傘番組
番組は24年間一度も休んだことがなく、これまで年末の特番と2011年の東日本大震災のときにだけ強制的に中止になったが、病気などの個人的な理由で休んだことがないという。もしも高熱やアクシデントがあって番組が収録できないときのために、今年の初めスタッフと打ち合わせたとか。達郎さんは誰かが代わりに番組をする、いわゆる代打がパーソナリティーを務めるのは子分にやらせてるようで上から目線みたいで嫌だったので、差し替え用の番組を録音する「雨傘番組」というアイディアに賛成することになった。最初は病気を想定して「病気で棚からひとつかみ」、寝込んでるから「睡眠で棚からひとつかみ」とか「ベッドと枕で棚からひとつかみ」というお題を考えたが、あまりシャレにならないなと思い、電気が点いたようにパッと思いついたのが「日曜日で棚からひとつかみ」。

・SWEET SUNDAY KINDA LOVE
昔だったら日曜日というと土曜の夜は休みの前で楽しいが、夕方になると翌日の学校や仕事のことを考えて憂鬱になっていった。日曜日の時間により気分が変わる。番組は午後2時からなので番組が終わると憂鬱になるというハガキやお便りが昔から多いという。番組ではそういわずに英気を養ってもらうため明るい曲を中心に選曲したとか。
ビーチボーイズの1970年代のアルバムはなかなか売れ行きが上がらなかった。1978年のアルバム『M.I.U.ALBUM』の"M.I.U."はマハリシ・ヨギの国際大学の頭文字から取られている。こんなタイトルじゃ売れないと思うが中身はそんなに悪いアルバムではない。このアルバムに入ってる「SWEET SUNDAY KINDA LOVE」はマイク・ラヴとブライアンの共作でリード・ヴォーカルはカール・ウィルソン。日曜日の楽しさを歌った歌。

・IT'S SUNDAY
今日はウエスト・コースト系が多い。サンデー、サンシャインというイメージ。
'60年代に活躍した南カリフォルニアの5人組ヴォーカル・インストゥルメンタル・グループのザ・サンシャイン・カンパニー。達郎さんは高校生の頃なのでサンシャイン・カンパニーとかペパーミント・レインボウとかラヴ・ジェネレーションのような名前に弱かったとか。あまり大きなヒット曲はないけれど女性がリード・ヴォーカルで当時の典型的なヴォーカル・インストゥルメンタルのスタイル。1968年の「IT'S SUNDAY」。曲を作ってるのはレス・バクスターでエキゾチック・サウンド、いわゆるイージー・リスニングの作曲家。「IT'S SUNDAY」という曲は同時期のグループ、ザ・フォラムというグラス・ルーツのヒットでおなじみの「RIVER IS WIDE」をヒットさせたグループと競作だったが、出来はサンシャイン・カンパニーのほうがちょっといいので今日はこっち、と達郎さん。

・WHAT DO YOU DO ON SUNDAY AFTERNOON
最後はR&Bもの。ジェリー・バトラーはシカゴを代表するシンガー。1973年のアルバム『POWER OF LOVE』はプロデュースがジョニー・ブリストルで、大半の曲はジョニー・ブリストルとテディ・キャリアの作品ですごく出来はいいんですけれども売れませんでした、と達郎さん。そのアルバムの中から「WHAT DO YOU DO ON SUNDAY AFTERNOON」は「愛を失ったあなたは日曜日に何をするの?」という悲しい歌。曲を書いてるのはジェリー・バトラーの弟でビリー・バトラー。

・待ちぼうけ
達郎さんの曲で日曜日がテーマの曲や日曜日が出てくる曲は一曲もない。月曜日と土曜日に泣き別れしているという。竹内まりやさんが作詞作曲した1982年の堀ちえみさんのシングル「待ちぼうけ」に日曜日が出てくる。完全にこじつけだが雨傘番組なので勘弁してほしいとのこと。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年10月09日は、「シングルB面で棚からひとつかみ(邦楽編)」
http://www.tatsuro.co.jp
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする