特集陳列 坂本龍馬

2008年08月11日 | アート
2008年8月10日(日) 晴れ。

京都国立博物館で展示されてる「特集陳列 坂本龍馬」を見に行った(31日まで)。



今回は特別展覧会が行われる旧帝国京都博物館本館(特別展示館)ではなく平常展示館のみの公開だった。



平常展示館は老朽化のため今年12月上旬から建て替え工事に入るという。
今まで平常展示館には入ったことがなかったのでちょうどよい機会だった。

「特集陳列 坂本龍馬」は博物館所蔵の書簡を中心にした展示。
龍馬の遺品は龍馬使用海獣葡萄鏡、龍馬所用三徳、龍馬愛用の日本刀「吉行」の3点。

NHK大河ドラマ『篤姫』との関連では薩摩藩の小松帯刀のことが触れられていた。
乙女姉さんに宛てた手紙の中で
「なお去年七千八百両でヒイヒイとこまりておりたれば、薩州小松帯刀と申す人が出しくれ、神も仏もあるものにて御座候」
と書いている。
大河ドラマでは次回17日の放送から龍馬が登場するようだ。
http://www3.nhk.or.jp/taiga/index.html

印象に残った手紙
・乙女姉さんに宛てた手紙
日本を憂いて「今一度日本を洗濯致し申し候」と書いている。ドラマでもよく取り上げられる文言。

・姪の春猪(はるい)さんを罵倒する手紙
姪の春猪さんに宛てた手紙の中で「おまへハ(中略)をとこという男ハ皆にげだす」と罵倒している。
従来の研究では差し出し年月日が1867年1月20日と推測されていた手紙。
しかし前年の1866年1月20日付けの別の手紙との類似点から、
今回の「特集陳列 坂本龍馬」では薩長連合(1866年1月21日)の前日に書かれたものだと結論づけている。
薩長連合仲立ちのプレッシャーの中で書いたのでは、ということである。
手紙の中には「露の命ハはかられず」と遺書めいた文言が綴られており、
いつ襲撃されるかわからない中で手紙を書いた龍馬の気持ちが察せられる。
今回初公開。

見物は暗殺された現場の近江屋にあった屏風、掛け軸。飛び散った血痕が生々しかった。
数年前の大河ドラマ、幕末を舞台に新撰組を描いた『新選組!』のことを思い出した。
再来年2010年の大河はまた坂本龍馬に焦点を当てたドラマとなるとか。
・『龍馬伝』
http://www.nhk.or.jp/drama/html_news_ryouma.html

鳥羽伏見の戦い(戊辰戦争)の展示もあり、
龍馬亡き後の明治維新(今年は百四十周年の節目の年だとか)まで見渡せる展示会だった。

せっかくなので河原町通の坂本龍馬、中岡慎太郎遭難の地 まで足を伸ばした。



近江屋跡地は今、旅行会社が移転となったため、空き物件となっているようです。

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Sunday Songbook Playlist

2008年08月10日 | Sunday Song Book

<08月10日プレイリスト>
[納涼リクエスト大会]
SOUTHBOUND #9/山下達郎 "COZY" '98
LOVE POTION NO.9/THE SERCHERS '64
HOLD ME 'TIL THE MORNIN' COMES/PAUL ANKA '83
ARETHA, SING ONE FOR ME/GEORGE JACKSON '72
TIME/BOOKER T. & PRISCILLA JONES "CHRONICLES" '78
STRANGER ON THE SHORE/THE VENTURES "WALK DON'T RUN VOL.2" '64
BLACK SHEEP BOY/TIM HARDIN "TIM HARDIN 2" '67
元気を出して/みつき 7月30日発売ニュー・シングル
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
まりやさんのニュー・シングルのレコーディング。盆も正月もオリンピックも関係なしでスタジオ暮らし。アレンジが佳境に入ってきて、いよいよ締め切りが迫ってきた。コーラスやブラス被せなどが毎日続いてるそうだ。

・プロトゥールス
番組でかける音源は古いレコードが多いので現代的な音にリマスタリングしている。音圧を上げてオンエアに臨んでいる。いつもタツローさんの家のプロトゥールスを使っているが故障してお釈迦になってしまったのだという。メーカーが休みに入っていて取り替えができなくて、今週はリクエストがボツになった曲でしのぐことになった。毎週、数十曲ピックアップして、その中からオンエアされるのは7~8曲。だからオンエアでは使わなかった音源がストックとして残っているのだそうだ。

・SOUTHBOUND #9
1998年のアルバム『COZY』に収録された「SOUTHBOUND #9」に超常連の人たちを中心にリクエストが殺到した。

・LOVE POTION NO.9
サーチャーズは4人組のグループ。アメリカでとても人気のあったグループ。「LOVE POTION NO.9」はアメリカだけでヒットした曲。日本でも大ヒットしたがイギリスではチャートに入らなかった。クローバーズのカヴァーで1964年、全米3位。サーチャーズはビートルズのようなリヴァプール・サウンドと違ってカヴァーでヒットを出したグループ。余談だがリアル・ステレオ・ヴァージョンは1988年にライノから出たベスト・アルバムだけ。

・HOLD ME 'TIL THE MORNIN' COMES
ポール・アンカが最後にチャートインした曲。デヴィッド・フォスターとの共作で、シカゴのピーター・セテラがコーラスをやっている。コロムビアからのシングル。1983年、全米40位。

・ARETHA, SING ONE FOR ME
ジョージ・ジャクソンはR&Bの作曲家として有名。シングルもたくさん出していて、1972年にハイ・レーベルから出した「ARETHA, SING ONE FOR ME」はアレサ・フランクリンを讃える1曲。

・TIME
リスナーから「レココレでデレク&ドミノスの『LAYLA』の後半部分の元曲と言われていた」というお便り。
ブッカーTとプリシラ・ジョーンズは夫婦。プリシラ・ジョーンズの姉がリタ・クーリッジ。リタ・クーリッジは当時、ジム・ゴードンと付き合っていた。リタ・クーリッジが自作の曲をジム・ゴードンに聴かせたら、それが『LAYLA』のコーダの部分に使われたという。それを聞いたブッカーTが怒って、ブッカーTとプリシラ・ジョーンズのアルバムで取り上げることにしたという。伝聞だがタツローさんは昔、そのように聞いたのだそうだ。作曲はリタ・クーリッジで歌っているのはプリシラ・ジョーンズ。

・納涼夫婦放談
今年は8月31日と9月7日の予定。まりやさんゲストで10月1日発売のコンプリート・ベスト・アルバムを中心にして展開することになるそうだ。

・STRANGER ON THE SHORE
オリジナルはイギリスのクラリネット奏者アッカー・ビルクの大ヒット曲。ヴェンチャーズの「STRANGER ON THE SHORE」は1964年のアルバム『WALK DON'T RUN VOL.2』のB面の最後の曲。邦題は「白い渚のブルース」。「メル・テイラーのイントロの3連のオカズがもうたまりせん」とタツローさん。

・BLACK SHEEP BOY
ジョー・ストラマーの映画『THE FUTURE IS UNWRITTEN』のサントラにティム・ハーディンの「BLACK SHEEP BOY」が入ってる。ティム・ハーディンについて教えてほしいというリスナーからのリクエスト。「ジョー・ストラマーの『THE FUTURE IS UNWRITTEN』というのは素晴らしい映画でしたね」とタツローさん。
ティム・ハーディンはニューヨークのフォーク・シーンで'60年代に活躍した人。イギリスで熱狂的な人気のある人で、ロッド・スチュワートにはじまり、ゾンビーズのコリン・ブランストンも大ファンを自認しているし、イギリスのそうしたビート・グループに影響を与えた。'70年代の中頃にドラッグのオーバードーズで亡くなった。「BLACK SHEEP BOY」ティム・ハーディンの1967年セカンド・アルバム『TIM HARDIN 2』に入ってる。ブラックシープは「厄介者」という意味があるそうだ。「ぼくをそっとしておいて」と歌われる曲。一種のホーボー・ソング。「ジョー・ストラマーの映画にフィットしている」とタツローさん。

・元気を出して
みつきさんの「夏のモンタージュ」のカップリング。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
08月17日は、引き続き「納涼リクエスト大会」
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BINTANG GARDEN

2008年08月09日 | 佐野元春 Radio Days

■BINTANG GARDEN「GUITAR MAGIC!」
2008年8月8日(金) FM802 PM23:00-24:00
DJ: 尾上さと子
出演: 佐橋佳幸、佐野元春、大橋卓弥
http://funky802.com/service/homepage/index/725

Playlist
1 Frida's Freedom / 佐橋佳幸
2 フィクション / スキマスイッチ
3 月見ヶ丘 / スキマスイッチ
4 僕にはわからない(Don't You Care) / 佐橋佳幸
5 誰も気にしちゃいない / 佐野元春 and The Hobo King Band
6 楽しい時 - Fun Time / 佐野元春
7 Time Passes On / 佐橋佳幸
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■内容の一部を抜粋
・Frida's Freedom
佐橋佳幸のソロ・アルバム『TRUST ME』は1994年リリースの佐橋佳幸唯一のソロ・アルバム。長らく廃盤となっていたが、この度8月6日に最新のデジタル・リマスタリングが施され、『TRUST ME ~Deluxe Edition』としてリイシューされることになった。ボーナス・トラックのほか、スタジオでジョン・ホールと一緒にギターを弾いてる映像がCD-EXTRAで付く。

・佐橋佳幸VS大橋卓弥
「そもそもスキマスイッチを知ったのはね、松(たか子)さんなんですよ。うちの嫁がですね、スキマスイッチがこんなに人気者になる前からファンで(笑)。彼女がCDを持ってたんです。そいで『これだれ?』って言って、頭の中にスキマスイッチの名前をインプットされて、『はぁ~いいなぁ』って言ってたら、『スキマスイッチっていうバンドからレコーディングの依頼がきてますよ』ってマネージャーに言われて(笑)。『あっ、行く行く行く。オレたまたま最近気に入ってたの』って。『あっ知ってんだ』なんか言われて」と佐橋佳幸。

大橋卓弥は以前から聴いてた音楽に何度も出てくる佐橋佳幸という名前に興味を持ってたそうだ。ギターが思ってる通りに弾けないので佐橋佳幸に口でフレーズを説明したら完全に再現してくれたので、楽器というより腕の一部としてギターを弾いているというイメージを抱いたという。

スキマスイッチの音楽性は自分の考えているものと近いと佐橋佳幸。大橋卓弥は佐橋佳幸が参加してきた音楽を聴いて育ったので、その雰囲気と似たものを佐橋佳幸に注文してるだけなんじゃないかと話す。

・フィクション
大橋卓弥がエレキギターを自分で弾いてレコーディングした曲。最初は佐橋佳幸に弾いてもらったんだけれど、佐橋佳幸は歌との相性を考えて大橋卓弥に自分で弾くようにと言ったのだとか。シンガーが自分でギターを弾くと歌との相性がいいのだそうだ。「七不思議」と佐橋佳幸。

・月見ヶ丘
佐橋佳幸と大橋卓弥がアコースティック・ギターで共演した曲。レコーディングは二人で一緒に同じ部屋で向かい合って弾いたのだとか。
「佐橋さんのギターは歌だと思います」と大橋卓弥。
「歌が好きでこの仕事をしているので、デュエットだったり、合唱してるという感じで伴奏ができたらいいなと思ってます」と佐橋佳幸。

・佐橋佳幸VS佐野元春
1976年、佐橋佳幸が中学三年のとき佐野元春と出会ったのだそうだ。あるコンテストに中学生で出場したら入賞したのたけど、その大会で優勝したのが佐野元春だったとか。佐野元春は大学生だった。
元春「よく渋谷なんかでレコードを買ってね、小脇に5、6枚くらい抱えて歩いてると、もう佐橋くんが、中学生ですよ。坊主頭で」
佐橋「坊主頭っていうのは違ったんですよ(笑)。坊主ではなかったんです」
元春「あぁ。それで記憶が(笑)、はまっちゃってるのかもしれないけれど。トントントンって僕の後ろに来てね。『佐野さん、これ何のレコード?』って訊くんだよね」
佐橋「教えてもらったものとかを買って聴くようになるんですけども」
元春「だから中学生にしたら渋かったんだよね、趣味が。ブルースが好きとか。どういう中学生かなと思ってました(笑)」

その後、佐野元春は1980年にデビュー。佐橋佳幸は高校時代にイーグルスのコピーバンド「UGUISS」をやっていて、佐野元春と同じレコード会社からデビュー。解散後は裏方の仕事をするようになったが、その中ではじめてヒットした作品が渡辺美里で、佐野元春と同じレコード会社のセクションだった。

そして佐野元春と佐橋佳幸が再会したのは1988年。当時、佐野元春は自分で「M's Factory Label」を設立して、そこでアーティスト・コンピレーション・アルバムを出したいということで佐橋佳幸に声をかけたのだという。

・僕にはわからない(Don't You Care)
はじめて佐橋佳幸の名前で出した作品。M's Factory Labelの『mf <VARIOUS ARTISTS> Vol.1』に収録。
「あの曲も詞もいいものができたでしょ。あの曲の後半で弾く佐橋くんのギター・サウンド。これがギタリスト佐橋くんの真骨頂」と佐野元春。

・ホーボーキングバンド
1994年のハートランド解散後、佐野元春はしばらくのあいだ活動を停止した。そして新しいアルバム『Fruits』のレコーディング・セッションに佐橋佳幸を呼んだ。佐橋佳幸ははじめてのソロ・アルバム『TRUST ME』を発表したばかりで、クリエイティブな感覚に花が開いてた時期でとても刺激になったという。その後、アルバムのレコーディングのために集まったセッション・メンバーの中から精鋭が新しいバンド「ホーボーキングバンド」になった。

・The Barn
1997年の夏にはホーボーキングバンドのアイデンティティをしっかりと見せたいということから、バンドの共通の関心であるウッドストックへ行ってアルバムをレコーディングすることになった。それがジョン・サイモン・プロデュースの『The Barn』。
佐橋「それこそ中学生の頃、佐野さんが小脇に抱えたレコードの中から教えてもらったレコード、そういうレコードをプロデュースしていた人ですからね」
元春「僕たちの音楽のバックグラウンド、本拠地に行くっていう感じだよね」

レコーディングの現場になったウッドストックでは佐橋佳幸が尊敬するジョン・ホールとかレオ・コッケ、エリック・ワイズバーグやザ・バンドのメンバー、ジョン・セバスチャンが遊びにきたという。
元春「ウッドストックに行って、そうしたオリジナルのミュージシャンたちと一緒にやってると、ロックンロールのながれの中に僕はいるんだという実感があるよね。それは本当に安心する。やっぱりこれでいいんだという安心感がある」

・誰も気にしちゃいない
佐橋「音がよかったですよ」
元春「あたたかい良い音。また山小屋だよね、言ってみれば。音が漏れちゃって。『誰も気にしちゃいない』のレコーディングのとき激しい...雹みたいにのが降ってきて」
佐橋「あぁ~スコールみたいなのがありましたよね」
元春「急にレコーディングしているとき降ってきて、屋根とか戸がバシバシいってね。自分で歌ってて聞こえるんですよ。だからレコーディングしていて聞こえるってことはこの音マイクに入ってるよね」
佐橋「そうそうそう。入ってる(笑)」
元春「だからね、僕のヴォーカル・トラックを少し上げるとね、雹がドアにあたってる音が入ってる」
佐橋「入ってるの(笑)」

元春「正に『The Barn』こそがホーボーキングバンドとしての最初のアルバム」
佐橋「初めの一歩だったかもしれないですね」
元春「本当の意味でバンド・サウンドのレコーディングを追及してきた。これがホーボーキングバンドだよね」

・楽しい時 - Fun Time
佐野元春はバンドの中でギター・ソロを弾きたいのだそうだ。佐橋佳幸はもちろん上手いし、Dr.kyOnもギターが上手い。二人がいると出る幕がないという。
佐橋「シンガー・ソングライターの人が弾くギターって絶対僕らみたいなセッションマンには真似ができないって思うんです」
元春「あぁ、そうかな」
佐橋「例えばジェームス・テイラー然り、ボブ・ディラン然り、スプリングスティーン然り。シンガー・ソングライターの人が弾いてるギターってものすごく味わい深いし、その曲の骨子を示してるんですよね。だから、これからシンガー・ソングライターでやろう、またはギタリストになりたいなぁって人は、そういう人たちのレコード、CDを聴いて、そこに耳を澄ましてみると、その音楽の大事なことが全部つまってますよ」
元春「もちろんテクニックを磨くことも大事なんだけれども、その前に音楽であるということも大事だよね」
佐橋「そう。僕の言いたかったことを今、佐野さんがわかりやすく言っていただいたけど(笑)、そういうことです」
元春「シンガーと一緒にやるんであれば、そのシンガーの気持ちに立ったギター、融合するとか、セッションするとか。とにかくバンドの楽しさをこれからバンドをやる人、ギターをやる人たくさんいると思うけれど、楽しさを追及してほしいですね」
佐橋「そうですね、はい」

・Time Passes On
1994年にリリースされました私のはじめての、そして唯一のソロ・アルバム『TRUST ME』が8月6日に再発ということでですね、このアルバムはエクゼクティブ・プロデューサーとして山下達郎さん、タツローさんに面倒を見ていただいてですね、当時リリースしたものなんですけども。山下達郎さん立ち会いのもとリマスタリング。これずいぶん音が良くなりました。収録されなかったギターのインストが入っていたり、それから僕の心の師と仰ぐオーリアンズのジョン・ホールさんと共演したとき、オーリアンズの『Let There Be Music』というアルバムの中に収録された「Time Passes On」という僕が大好きだった曲と、それと僕の作った「Little Crimes」の2曲にジョン・ホールさんが参加していただんたんですけれど。そのときの模様をですね、運動会のお父さんよろしく、タツローさんが8ミリでまわしてたんですね。で、そのセッションの模様をタツローさんが自分で編集を施して下さいまして(笑)。何でも自分でやっちゃいますから。収録されております。それからタツローさんと対談をしまして、その模様がブックレットとして追加収録されております。『TRUST ME ~Deluxe Edition』お聴きねがえればと思います、と佐橋佳幸。
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姫路城

2008年08月06日 | 神戸、兵庫
美術館で「アメデオ・モディリアーニ展」を見た後は姫路城に行った。



姫路城は現存する城で最大規模の木造建築。1346年、赤松貞範が築いたとされている。優雅さに防火をかねて塗られた白漆喰から別名「白鷺城」と呼ばれている。姫路城に行ったのは高校二年の課外授業以来だ。そのときは国宝ではあったものの、まだ世界文化遺産に指定はされていなかった。
http://www.city.himeji.lg.jp/guide/castle/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%AB%E8%B7%AF%E5%9F%8E



ちょうどこの日は「お城まつり」が開催されていて入場無料だった。天守閣の北側に連なる「腰曲輪」を見たとき、高校生のときの記憶がよみがえった。

天守閣から見た美術館。



しゃちほこ。右側に大通りが見えます。突き当たりが姫路駅。最盛期にはあのあたりに外堀があったらしい。



ところで姫路城というと「お菊井戸」が名所として知られている。播州皿屋敷の舞台だということだ。しかし、僕が子どもの頃に聞いた東海道四谷怪談では「番町皿屋敷」なんですよね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9A%BF%E5%B1%8B%E6%95%B7



ちょうど僕が写真を撮ってるとガイドのおじさんが観光客を案内してました。その話を盗み聞きしたところによると、「お菊井戸」と名づけられたのは大正時代のことだそうで、それは石碑の裏側に記してあるとのこと。



皿屋敷の物語は築城よりも前の話という説があり時代が全く違う。大正になって当時の役人が「後付け」したのではないかという話。今では観光客が井戸にお金を投げるそうで、井戸をのぞくときらきらと光るお金が見えるという。



こういうのはあまりよくないと、そのガイドのおじさんは話しておりました。いつの日か人々は「白鷺城」の「白」という字を除いて「サギ城」と言うかもしれないと。

お菊井戸から「ぬの門」をくぐりぬけたとろにあるのが扇の勾配。扇を開いたように反り立つ石垣。敵の侵入を防ぐのが目的だとされている。櫓門(やぐらもん)には監視窓や石を落とす穴がある。



姫路城の城内の道は防護のため迷路になっていて、延々と門や階段が続く。



この日は猛暑日であったため観光は相当辛かった。
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姫路市立美術館

2008年08月05日 | アート
姫路市立美術館は姫路城の東隣にある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%AB%E8%B7%AF%E5%B8%82%E7%AB%8B%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8



緑豊かな施設でとても美しい美術館だ。



赤レンガの建物は明治末期から大正二年(1913年)にかけて建てられたという。



もともとは旧陸軍第10師団の兵器庫、被服庫だったそうだ。 国の登録有形文化財。



芝生の庭にはブールデルの作品「モントーバンの戦士」がある。



庭に点在する彫刻は12点あるそうだ。
http://www.city.himeji.lg.jp/art/setubi/index.html

アントワーヌ・ブールデルの「うずくまる浴女」。



この優雅な風景にクルマのコマーシャル撮影の依頼が多数くるという。

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アメデオ・モディリアーニ展

2008年08月04日 | アート

8月3日(日) 晴れ。

姫路市立美術館で6月8日から開催されている「アメデオ・モディリアーニ展」を見に行った。この「アメデオ・モディリアーニ展」と提携している中之島の国立国際美術館の「モディリアーニ展」は先日見に行った。
http://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/d50a3d36b8999c9537003bdaf5ce3a77

当初は六本木の国立新美術館で開催された「モディリアーニ展」を、関西では大阪・中之島と姫路の2会場に分けているのだと思っていた。だから国立国際美術館に行けば、もう姫路には行く必要がないのだと考えていた。

しかし、姫路市立美術館の公式サイトを見るうちに現地に訪れたいという気持ちが高まり、最終日になって見に行くことにした。
http://www.city.himeji.lg.jp/art/index.html

実際に見た作品は今年の「モディリアーニ展」に出品されたものではなく、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やテート・ギャラリー、ポンピドゥーセンター、ルードヴィッヒ美術館といった世界中の美術館から名作が集められて展示されていた。

初期の陰鬱な作風と一躍名を挙げることになった裸婦像、作家の精神状態が手に取るようにわかった。肖像画でも晩年の作風は明るい色使いをしていて興味深かった。
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Sunday Songbook Playlist

2008年08月03日 | Sunday Song Book

<08月03日プレイリスト>
[納涼リクエスト大会]
夏のモンタージュ/みつき 7月30日発売ニュー・シングル
SUMMER HEAT/BRICK "SUMMER HEAT" '81
SNOWBIRD/ANN MURRAY '70
COMIN' ON TOO STRONG/WAYNE NEWTON '65
THE GLOW OF LOVE/CHANGE "THE GLOW OF LOVE" '80
恋のホワン・ホワン/三遊亭円丈 '81
TIME PASSES ON/佐橋佳幸 "TRUST ME" '94(08月06日リマスター再発)
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■内容の一部を抜粋
・近況
まりやさんのニュー・シングルのレコーディングでスタジオに入っている。今ちょうど佳境でイントロやブラス・アレンジで唸っているそうだ。スタジオの中は機材が熱を持つので冬でも冷房を入れているとか。だから夏は寒いくらい冷房が効いているという。

・夏のモンタージュ
6月30日から放送されているTBS系昼ドラマ『ナツコイ』(月~金・13:30~14:00)の主題歌をまりやさんが書き下ろした。この主題歌を歌うのはみつきさん。1991年生まれの17歳。同ドラマでは女優・高畑充希としてヒロイン役を務めている。みつきさんが歌う主題歌「夏のモンタージュ」は7月30日に発売。カップリングには「元気を出して」が収められている。

・SUMMER HEAT
ブリックはアトランタ出身の黒人5人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ。'70年代から'80年代にかけて活躍した。彼らの5枚目のアルバム『SUMMER HEAT』からタイトル・ソング。シングル・カットされてないそうだ。プロデュースド・バイ・レイ・パーカー JR.。レイ・パーカー JR.とブリックは同じ事務所だったのでレイ・パーカー JR.がプロデュースした。タツローさんはツアーをしながらよく聴いていたという。

・SNOWBIRD
アン・マレーはカナダのシンガー。1970年のアメリカでの最初のヒット・シングルがベスト10入りした。作曲したジーン・マクレランもカナダの有名なシンガー・ソングライター。アン・マレーはタツローさんの大好きなシンガー。CDは全て持ってるがなかなか特集できないと嘆いていた。

・COMIN' ON TOO STRONG
ウェイン・ニュートンの1965年のキャピトルからのシングル。ウェイン・ニュートンはいわゆるミドル・オブ・ザ・ロードの人でラスヴェガスのシンガーとして大変有名な人。この曲はゲイリー・アッシャーの曲で参加しているのがブルース・ジョンストン、テリー・メルチャー。テリー・メルチャーはドリス・デイの息子さんでこうしたミドル・オブ・ザ・ロードのシンガーに曲を提供したりプロデュースしたりすることが多かった。お母さんのドリス・デイ、フランキー・レイン、パット・ブーンなどロックンロール畑じゃない人に曲を提供したり、プロデュースしたり、アレンジしたりしたのが、どれもすごく良い出来だった。「BE MY BABY」と「DON'T WORRY BABY」を足して2で割ったような曲。全米65位。ハル・ブレインのドラムが炸裂している。ウェイン・ニュートンはほとんど添え物でブルース・ジョンストンの裏声のほうが目立っている。

・グルーヴ
「グルーヴとは何か?」というリスナーからの質問。
ジャズの時代からある言葉でいわゆる「ノリ」のこと。

・THE GLOW OF LOVE
チェンジはイタリア人のユニットからはじまってアメリカでばか当りした。ディスコ時代一世を風靡した。『THE GLOW OF LOVE』はデビュー前のルーサー・ヴァンドロスがリード・ヴォーカルだった。タイトル・ソングの「THE GLOW OF LOVE」は全米ソウル・チャート49位。

・納涼夫婦放談
今年は8月31日と9月7日の予定。まりやさんゲストで10月1日発売のコンプリート・ベスト・アルバムを中心にして展開することになるそうだ。

・EXPRESSIONS
まりやさんデビュー30周年記念のコンプリート・ベスト・アルバムがこの秋10月1日に発売される。タイトルは1994年のベスト・アルバム『IMPRESSIONS』に呼応して『EXPRESSIONS』。「表現の数々」という意味合いで付けたという。RCA(今のBMG)からワーナーまでレコード会社の垣根を越えて、人気投票と本人の主観によって全42曲が選ばれた。CD3枚組で全曲最新デジタル・リマスタリングが施されている。値段は3,980円。初CD音源は「ドリーム・オブ・ユー」のシングル・ヴァージョン、ライヴ盤『スーベニール』に収録した「LET IT BE ME」はスタジオ・ヴァージョンで収録。全60ページ豪華ブックレットにはまりやさん本人による全42曲曲目解説とタツローさんのライナー、天辰保文さんのライナーが掲載されている。初回限定盤『Expressions(初回限定盤)』は値段据え置きでスペシャル4枚組、4面デジパック・ボックス仕様。ボーナス・ディスクは人気投票ベスト10のオリジナル・カラオケ集。
http://wmg.jp/mariya/anniversary/expressions/top.html

・恋のホワン・ホワン
三遊亭円丈さんが1981年にトリオのサブ・レーベルのトラッシュから発売したシングル。三遊亭円丈さんはブリティッシュ・ビートが好きなようで、この「恋のホワン・ホワン」はニック・ロウの「CRUEL TO BE KIND」に日本語詞をつけてカヴァーしている。『オムニバス LAUGH!コミック・ソング・グレイテスト・ヒッツ』というコンピレーション・アルバムで一度CD化されたそうだ。

・偉人伝
リスナーの息子さんからの質問で「好きな偉人伝は?」。
タツローさんはトロイの遺跡があると信じて掘り起こしたハイン・リッヒ・シュリーマンが好きだそうだ。

・「MUSIC BOOK」のコーラス
リスナーからの質問で「MUSIC BOOK」のコーダのコーラスは何と歌っているのか。
"Sweet sweet harmony Sing a melody "と歌っているのだとか。

・TIME PASSES ON
佐橋佳幸さんのソロ・アルバム『TRUST ME』は1994年リリースの佐橋さん唯一のソロ・アルバム。タツローさんはエグゼクティブ・プロデューサーだった。長らく廃盤となっていたが、この度8月6日に最新のデジタル・リマスタリングが施され、『TRUST ME Deluxe Edition』としてリイシューされることになった。ボーナス・トラックのほか、スタジオでジョン・ホールと一緒にギターを弾いてる映像がCD-EXTRAで付く。発売日前日の5日にはTOKYO FM ホールでトーク&ミニライヴを行う。
「TIME PASSES ON」はジョン・ホールのカヴァー。まりやさんが日本語の訳詞をつけている。ジョン・ホール本人が一緒にギター・ソロで加わっている。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係

・のぞき?
超常連のリスナーがとんぼの写真を撮って送ってくれたそうだ。タイトルは「のぞき?」。「ほのぼのとしていい」とタツローさん。後でホーム・ページにアップする予定だとか。
http://www.smile-co.co.jp/tats/

■今後の予定
08月10日は、引き続き「納涼リクエスト大会」
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RADIO SESSIONS

2008年08月02日 | 佐野元春 Radio Days

■RADIO SESSIONS SPECIAL VERSION「佐野元春とナポレオンフィッシュを聴く日」
2008年7月31日(木) FM OSAKA AM 4:00-4:55
DJ: 守乃ブナ
GUEST: 佐野元春
http://www2.jfn.co.jp/sessions/sp/index.html

Playlist
M1.ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 / 佐野元春
M2.新しい航海(The Heartland demo version) / 佐野元春
M3.愛のシステム(The Heartland demo version) / 佐野元春
M4.ブルーの見解 / 佐野元春
M5.枚挙に暇がない(Unreleased) / 佐野元春
M6.約束の橋 / 佐野元春
M7.雪-あぁ世界は美しい / 佐野元春
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・ブナ
元春「あれ?名前変えたんだっけ?」
ブナ「そうなんですよ。去年変えたんですけども、もうずっと長いことね、鈴木万由香(すずきまゆこ)として活動していたんですけども、あるときフッと新しいことがやりたいな、じゃあいっその事名前も変えちゃおうかなって思って(笑)」
元春「新しい名前は?」
ブナ「守乃(もりの)ブナです」
元春「エコロジカルだね」
ブナ「う~ん...なんでしょうかね」
元春「うん。いい感じだよ」
ブナ「エヘへ。あの、佐野さんね、もう長いこと一緒にお仕事させていただいて、どうしても鈴木万由香に慣れてると思うんですけど、ちょっと.....」
元春「僕はなんて呼べばいいんだっけ?」
ブナ「ブナで(笑)」
元春「ブナさん?オーケー」
ブナ「ちょっと呼びにくいかもしれないですけど、新しい私もよろしくお願いいたします」
元春「はい。よろしくお願いします」

・ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
1989年の6月にリリース。チャート最高位2位。現代詩とロックンロールを高いレベルで融合させた'80年代の佐野元春の最高傑作と言われている。
元春「確かに曲の中で言葉の占める割合は僕の中で大きいですね。言葉の響きのおもしろさもあり、言葉の発する意味もそれなりにある。そしてそれがロックンロール音楽のフォーマットに機能しているというかね。そういう音楽を作りたかったというのが、当時の僕のトライアルでしたね。僕のキャリアの中でもこの『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』というアルバムは喜怒哀楽で言うと、どっちかっていうと、ちょっと"怒り"、"Angry"の気持ちがよく表れていますね。このアルバムの説明を少しさせてもらいたいんだけれども、これはUKのミュージシャンたちと一緒に作ったんです」
ブナ「ロンドンで」
元春「そう。それまで僕はザ・ハートランドという日本に素晴らしいバンドを持ってたんだけれども、その彼らとのセッションを一旦中断して、僕はイギリスに行って当時のパブロックのミュージシャンたちと一緒にセッションしてみたいと思って、その中にはエルヴィス・コステロのサポート・バンドであるアトラクションズというバンドがいたんだけれども、そこのバンドのピート・トーマスというドラム、それからブリンズレー・シュウォルツというギタリスト、まぁ僕より年上でしたけれどもね。彼らに集まってもらって、確かな腕を持ってるミュージシャンでね、そうした彼らの力を借りて純粋な日本語によるロックンロール・アルバムを作ってみたいという、そういう気持ちがあったんですね」
ブナ「あの、パブロックというとパンクとはまたちょっと違うけれども、やっぱりメインストリームからはずれてるような、何かエッジのある音楽ですよね」
元春「うん。特にアメリカでいうとザ・バンドとかザ・バーズとかああいうバンドに影響された英国のミュージシャンたちと言えるかもしれないね」
ブナ「それがまた日本語とコラボレートしていくというのは、ものすごい試みだなって思うんですけれどね」
元春「あの、僕はイギリスのロックンロールは少しストレートじゃないというか、シニカルなところがあったり、少しねじ曲がったところがあったりして、そういうアルバムを作ってみたいなぁと思っていて、まぁ僕の大好きなロックンロール音楽、それからもうひとつ僕の大好きなポエトリーだよね、詩の表現、それを僕の中でうまく融合させたいという気持ちはあった。それまでのメインストリームの日本の音楽だとやっぱり、歌謡曲の詞であったり、僕の感じるポエトリーはあんまりなかった。なので新しいロックンロール音楽を作りたい、まぁ、当時30代前半ですから、かなりいきがってるところもありましたね。ごきげんなものを作ってやるぜみたいな、そういう感じだったと思う」

・枚挙に暇がない
ブナ「(限定編集版の制作過程で)中には自分でも忘れていたようなことの発見ってありました?」
元春「あった」
ブナ「えっ、例えばそれは何だったんですか?」
元春「枚挙に暇がない」
ブナ「忘れてたんですか? あんなインパクトのある曲(笑)」
元春「この曲なんだっけみたいな(笑)。正式なレコーディング・セッションの合間にふざけて録ってたんです、僕たち。バンド、ミュージシャンたち集めてね。それで当時ヨーロッパではスカとかレゲエが流行ってましたから、スカのグルーヴで一発いこうぜって、それでみんな歌いたがってたんです、イギリスのミュージシャンたち、セッション・メンバーが。でも日本語はどうかなと思って、まぁ英語圏の彼らでも発音して楽しい言葉は何かなぁって探して、『マイキョッ!』ってどうかなぁって思って。スカのビートで僕がリードを歌って、みんなでコーラスで『マイキョッ!』ってやったら楽しんじゃないかなぁっと思ってね。リリックはちょっと皮肉っぽくって、厳しい詞ではあるんだけれど。でも、みんな1週間くらい言ってましたね。『マイキョッ!』とか言って」
ブナ「あの私のレギュラー番組で、『枚挙に暇がない』をかけたんですよ。そのときに楽しくなっちゃって、それでね、こんな言葉を詞に乗せる人はなかなかいないだろうしね、『マイキョッ! マイキョッ!』と叫ばれても、私はどうしたらいいのかわからないって話をしたんです」
元春「そうだね。それがロックンロールの魅力だし、楽しくなるんだよね。そこでどんなにヘヴィーなことが歌われていてもごきげんなグルーヴやそのメロディ、雰囲気によって表情を変えられるというのが面白いんだよね」

・新しい航海(The Heartland demo version)
元春「"7月のタンジェリング・ドリーム"というところをオリジナルでは"今までの夢は幻"って言い換えてるんですよね。"タンジェンリング・ドリーム"というイメージと"今までの夢は幻"、その繋がりは自分でもよくわからないだけれども、でも何か日本語に言い換えるということを『ナポレオンフィッシュ』を制作しているときはよくトライしてましたね」
ブナ「最初に佐野さんが"タンジェンリング・ドリーム"という言葉を詩に書いたときに何かイメージがあったんですか?」
元春「いくつかの滲んだ色が虹のようにね、空に広がってる夢。その夢は儚くてせつない夢、束の間の夢といったようなね、だからそれが例えば"今までの夢は幻"といったような"束の間の夢は幻"といったようなそういう日本語に繋がっていったのかなと思うんですけれども。僕の中では理由があるし、全く無関係な思いではないんだよね。今聴いてもらったこの曲を演奏してくれたザ・ハートランド。本当にね、音楽兄弟のような仲間たち。僕たち10代から一緒に演奏してきましたからね、16年間の思い出がいっぱいつまっていて、今聴くと彼らの技量をなくしてはね、このトラックはなかったし、今思い出して彼らの僕の音楽への貢献にすごく感謝している。すごく感謝している」
ブナ「そのハートランドがいながらロンドンでレコーディングするというときに後ろ髪が引かれるような思いはなかったですか?」
元春「多少はあったけれども、いつも僕はハートランドには正直にいて、常にクリエイティブなピークを作ってきたけれども、同じ仲間で同じことをやっていても次のピークは作れない。だから僕がニューヨークやロンドンに行ったりして、新しいコンセプトとサウンドを持ち帰ってくるので、それをもとに次の新しいピークをみんなで一緒に作ろう、そういう風に言って、だからみんな待っててくれた。ニューヨークに行ったとき1年間待っててくれたし、この『ナポレオンフィッシュ』のときは半年間僕はロンドンに行ってましたから、半年間みんな待っててくれた。ザ・ハートランドは今振り返ってみても、音楽兄弟、僕たち兄弟みたいな感じだった。僕が長男でね、みんなが次男みたいな(笑)。創作の面ではすごくバランスが取れていたし、仲が良かった。一度もけんかがなかった」
ブナ「何か印象に残ってることはありますか?」
元春「う~ん、ツアー先でのいろいろないたずら。これは数々ありますよね。あの公共の放送では言うべきものではないです」
ブナ「そころへんがみなさんきっといちばん訊きたいところかもしれないですけれど(笑)」
元春「えっと次の曲」
ブナ「うまいな(笑)」
元春「ははは」

・愛のシステム(The Heartland demo version)
元春「ロックンロール音楽、ただがさつなだけじゃなくてね。そこにエレガントな何かがあるとそれはより魅力的だと思いますね。特にUKのロックンロールを聴いてみると、ただがさつなだけじゃなくて、そこに何か美しさを感じたりするものがよくある。なので僕がロンドン・レコーディングをしたというのは、それを何か求めていた節もあるよね」
ブナ「この限定編集版を聴いてると国と国との違いとかいろんな面白いものが見えてきますね」
元春「そうなんだよね。海外レコーディングすると向こうの文化に僕が分け入ってコラボレーションするわけですから、『日本人の僕って何?』とかそういう問いが常にある中で制作が進行してゆく。だからすごく面白い」

・DVD
ブナ「今回は1989年に行われた横浜スタジアムでのライヴ映像が入ってるんですけれども、これがまたすごいですよ(笑)。ふふふふ」
元春「ねぇ~。スタッフがこれ見つけて見て下さいと見たときには僕も驚きましたね。まずこの映像が残っていたのかということだよね。当時、横浜スタジアムなんで後ろのオーディエンスによく見えるようにと、上(手)下(手)にプロジェクターを置いてリアルタイムに映し出すでしょう? その映像が残っていた」
ブナ「あっ、それ用だったんですか? じゃあ後にセルビデオにしようとかそういうことじゃなくて.....」
元春「全くそういうことじゃなくて。だから音も映像もリアルタイムでスイッチングでやったものとしてはすごく完成度が高い。当時のムービー・キャメラマンがいかに僕の動きをきちんと捉えてくれていたか。音についてもね、いかに僕の音楽を理解してくれていたかって。見たときに真っ先に思ったのは当時の技術者のその技術の高さですよね。そこに感謝した。これを何よりもファンに還元できる、この喜びはこの上ないですね」

・イギリスでのレコーディング風景
ブナ「『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』にはUKのサウンドが刻まれているのがすごく楽しい」
元春「そうですよね。このレコーディング・セッションを組むにあたって僕のほうから"一緒にやりたい"とFAXしてね。コリン・フェアリーというレコーディング・プロデューサーにコンタクトを取って、で彼がそうしたミュージシャンたちをオーガナイズしてくれたんだけどね。そのコリン・フェアリーというプロデューサーの果たした役割もこのレコーディング・セッションではとてもに大きいものがありましたね。彼はスコットランド人でレコーディングしているときいつもウイスキーを飲んでいる」
ブナ「スコッチ?」
元春「うん、スコッチの。いつも半分酔っぱらいながらね、端で見ていて大丈夫かなって.....」
ブナ「ディーン・マーティンみたい(笑)」
元春「そうそう。ごきげんな人なんだけれどね。仕事はすごく楽しかった。で彼がミュージシャンたちを揃えてくれた。で成立したプロジェクトだね。すごくやりやすかった。海外でレコーディングするときは僕は思いきって住んじゃうんですね。だからこのセッションのときでも街中にフラットを借りて、約半年間、自分で自炊しながら、そこで詩を書き曲を書いて、そこからレコーディング・スタジオに通う。休みの日はマーケットに行ったりとか、近所の人たちとお話をしたりとか。そういう現地の空気に馴染んだ中で創作してゆく。すごく楽しい」
ブナ「アメリカに住んでたときとロンドンでは勝手が違いますか?」
元春「文化が違うし、人が違うよね。ニューヨークの場合、特にマンハッタンだから仕事していてもみんなが『オレが、オレが』と自己主張が強くて、とにかくごつんこが多かったんだけれど、ロンドンのプロジェクトはなぜかみんな、英語で言うと[MODEST]な感じ、控えめな感じ。なんかね"After you"みたいな、日本人とちょっと似ているところがある」
ブナ「謙虚を重んじる」
元春「うん、謙虚なんです。あっ、でもね、イギリス人ってMODESTなんだけれど、けっこうエキセントリックであったりするね。陰で噂話をしたりとかね」
ブナ「建前と本音が激しいというのもありますよね」
元春「そうだね。ユーモアもすごく厳しかったりするし」
ブナ「そうやってミュージシャンとのセッションも英語でするんですか?」
元春「そうです。リリックは日本語なのでどこまで伝えようかなというのが、いつも悩みなんだけれども。あんまり伝えすぎず、なぜならばそこにメロディがあり、僕の歌があり、歌の中にも感情が入ってるからね。なので詞は半分くらいこんなこと歌ってるよとセッションの前に話して、みんなもフンフンと聞いてくれて演奏してくれる。そんな風にして進めました。このアルバムの中で『ブルーの見解』って曲があって、これは内容的にはちょっとした皮肉の曲なんですよね。つまり"僕の音楽のこと、僕のことを知ってるって君は言うけれど、どれくらい知ってると言うんだよ、僕は君からはみだしてるよ"ってそういうちょっとした皮肉を歌にしたんだけれどね。これをどう外国人にお話しようかなって。それでちょうどディランのようなトーキング・ブルースみたいな感じで僕は歌いはじめて、みんなまあまあセッションついてきてくれたけれど、なんかね感じが違うんだよね。なんかね、みんな楽しげに演奏してる。僕は皮肉言ってるのにヴァッキングが楽しいとなんか変なんだよね(笑)。これはやっぱり詞の解説が必要だろうって思って、演奏を止めて、[お喋りなヤツ - You talk too much]っていう、そういう歌なんだよと言ったら、みんな"あぁ~"って言って(笑)。それでわかっちゃう。それで演奏するとピタッとフォーカスがあったね。おまえ、ちょっとお喋りなんじゃないっていうようなね、そういう皮肉が感じられる演奏になるんだよね。おもしろい」

・ブルーの見解
元春「日本語がまるでわかってるかのように演奏に緩急がついてるでしょ。やはりミュージシャンというのは言葉のひとつひとつをきちんと聞いてるというよりかはシンガーの感情に沿って演奏してるんだなってわかりますよね。それは日本人であろうが文化の違う人と一緒にやろうがその感覚は同じなんだということがわかりました」
ブナ「外国語というのは佐野さんにとってどういうものなんですか?」
元春「単純に言って英語のほうが3分間に言える情報量が多いんですよね。同じ3分間でも日本語で言える情報はすごく限られている」
ブナ「例えばT-Rexが"Get it on"って言ったらどういう意味でも捉えられるし、なんかそのグローヴァルな感じというのがすごくうらやましいんですよ」
元春「ロックンローラーはみんなそれを知っている。"Get it on, Get it on"って歌ったら、"あぁOK"みたいな、みんな巻き込んじゃうみたいな。何が"Get it on"かわかんないけれど(笑)。楽しいよって。それなんだよ、ロックンロールのビートの中でいかに"Get it on"というフレーズが生きているかというところなんですよね。だから僕もロックンロール音楽を書いていて言葉の意味というのはもちろん大切なんだけれど、同時に言葉の響き、みんなどんな風な気持ちになるかっていうことを想定して、詩を言葉を選ぶことがありますね」

・約束の橋
1989年というとバブル経済の時代、世界では天安門事件、東西ヴェルリンの壁が崩壊するとか、国内では昭和天皇の崩御で昭和から平成に変わるという大きな時代の転換点だった。
国内の音楽シーンはというと、ほとんどの楽曲がコマーシャルとタイアップして大ヒットしたりしていた。お金のにおいがする音楽ばかりが巷に広まっていた。佐野元春のところにもレコード会社から「ヒット・ソングを書いてくれ。佐野くんだったら書けるだろ」とか「シングル・ヒットほしいね」、「テレビの音楽番組に出てよ」という依頼が引きも切らずあったのだという。しかしレコードを作って、ライヴをやるだけで1年間たいへんだった、と佐野元春は話す。
『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』のリード・シングルの「約束の橋」はチャート20位のスマッシュ・ヒット。3年後にドラマの主題歌となりチャート4位のヒットとなった。

元春「ヒットというのは、そうだなティンカーベルがやってきて金の粉を」
ブナ「プラプラって」
元春「やるようなもんだなと思っている」
ブナ「かわいい(笑)」
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ART OSAKA 2008

2008年08月01日 | アート
さらに「モディリアーニ展」の続き。



大阪市立科学館の前に「graf」があります。大阪を拠点にして家具やインテリアなどのデザイン、制作を手がけるクリエイティブ集団で、アートにこだわった活動をしています。今年は南堀江にショールームをオープンしてから10周年ということで、6月から8週(6/1-7/27)に渡って、grafの「TEN」=「これまで」と「PLUS」=「これから」をテーマとした「十(TEN_PLUS)」EXHIBITIONをサロンで開催しておりました。僕が行ったのは最終日。サロンではサマースクールが行われてました。
http://www.graf-d3.com/

2階のダイニング「fudo」で休憩しました。自家製ハンバーガーをドリンク・セット(カフェラテ)にしてを食べました。




5階はタム&ウィー「ドレスアップTV」展。




階段の踊り場ですね。展示会のほうはこども向けみたいな感じ。見に来てるのも女の子やこどもでした。ひとり男性がいるなと思ったらタム本人でした。

■ ART OSAKA 2008
「アート大阪」の告知がgraf内にあったので開催地の堂島ホテルに行くことにしました。
http://www.artosaka.jp/
http://www.dojima-hotel.com/event/index.php#art



関西唯一の現代美術の展覧会。7月25日(金)から27日(日)の3日間、西梅田の堂島ホテル8階から11階の47室で開催された。今年で3年目を迎えるそうで、今回のテーマは「アジア」。国内、韓国、台湾の47現代美術ギャラリーが出展していました。

リノベーションしたおしゃれな客室47室が展示場、おもしろい企画で楽しかったです。そうそうこのあいだ記事に書いた京都の文椿ビルヂングにあるニュートロンも出展していました。
http://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/cdc7fc85492d0c4c07604be16c82b628



この写真は今年の6月に撮影した堂島ホテルです。
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