2024年02月11日プレイリスト「棚からひとつかみ」
1. BLUE VALENTINE'S DAY / 大瀧詠一 "ナイアガラ・カレンダー '78" '77
2. WHEN I'M GONE / BRENDA HOLLOWAY '64
3. NOBODY BUT YOU / OTIS LEAVILL '67
4. ONE DAY LOVE / TOMMY DODSON '65
5. FLY / EXIT 9 "STRAIGHT UP" '75
6. WHY SHOULD I FORGIVE YOU / SHOCK '76
7. FIRE AND WATER (LIVE) / FREE "ISLE OF WIGHT 1970"
8. VERY SPECIAL GIRL / EARL WHITE JR. '77
9. BLUE VALENTINE'S DAY / 山下達郎 "HOME RECORDING"
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■内容の一部を抜粋
・近況
ここのところスタジオ仕事がいろいろとあってお籠りが多くなってるそうだ。
・棚からひとつかみ
この間に新しく買ったレコードの整理ができてなかったのでやってるという。そうすると二年ぐらい前に買って忘れていたレコードが出てきて、それで「棚からひとつかみ」をすることになった。この数週間のレコード整理から純粋「棚からひとつかみ」、略して「純棚」。
・BLUE VALENTINE'S DAY
今週はバレンタインズ・デイ。昔は特集をしていたけれど、ネタが切れてきたので特集にはならなかったそうだ。番組では大滝詠一さんの1978年のアルバム『ナイアガラ・カレンダー '78』から「BLUE VALENTINE'S DAY」がお馴染み。リクエストもたくさん来ているという。
・WHEN I'M GONE
まずはモータウンもので一曲。ブレンダ・ホロウェイ、日本ではブラッド、スウェット&ティアーズの「You've Made Me So Very Happy」のヒット曲のオリジナルで名前が知られたが、当時はなかなかレコードが出てなかったので知名度は今ひとつ。でも美人で歌もとっても素晴らしいシンガー。「WHEN I'M GONE」は1964年、R&Bチャート12位、全米チャート25位。スモーキー・ロビンソンのペンになる。メアリー・ウェルズの大ヒット「MY GUY」の焼き直しみたいな曲。メアリー・ウェルズ用に録音されたものがブレンダ・ホロウェイのほうに回ってきたという素晴らしいトラック。
・NOBODY BUT YOU
モータウンの次はシカゴのR&B。オーティス・リーヴィルはアトランタ生まれでシカゴに移ってきた人。メジャー・ランスと一緒に活動していて、メジャー・ランスが売れてしまったのでソングライターのほうに移った。1967年のソロ・シングル「NOBODY BUT YOU」は達郎さんが最近買ったお気に入りのレコード。
・ONE DAY LOVE
最近買ったレコードから。トミー・ドットソンはカンサス生まれで南カリフォルニアに移ってきて、クラブ・シーンでクラブのピアニストとして、世界一周の船でピアノを弾いていた人。シングルが数枚出ていてすごくいい出来。最近はネットでレコードを購入する場合も試聴ができるようになって、試聴してレコードをパッパッと引っ張ってこられるいい世の中になったとか。で、わからないやつでもネットで調べれば音が出てくる。いい世の中になりました、と達郎さん。1965年の「ONE DAY LOVE」。
・FLY
数年前にシカゴのブラウンズウィック・レーベルがどっとCD化された、その中の一枚。達郎さんが昔持っていたボロボロのアルバムがCD化される時代が来たそうだ。イグジット・ナインは9人組のファンク・バンド。ブラウンズウィックからアルバムが一枚だけ出ている。ニューヨークのグループで十代から二十歳くらいの若い人たちがやっていることが最近になってわかった。その割にはむちゃくちゃ演奏力がある。1975年のアルバム『STRAIGHT UP』から「FLY」。
曲をかけ終えて。
ジャケットの裏のライナーに16から20歳のメンバーだとちゃんと書いてあったと達郎さん。
・WHY SHOULD I FORGIVE YOU
明るくにぎやかにやってきたが、お知らせの前なので少ししっとり。日本では昔から人気のあるレコード。ショックの1976年のレコード「WHY SHOULD I FORGIVE YOU」。これ一枚しかシングルが出てない。イースト・コーストのグループで、プロデュースしているのがブルース・クラーク。
・FIRE AND WATER (LIVE)
前半はR&B一辺倒だったが後半はロックをおひとつ。フリーの1970年のワイト島でのライヴがCD化された。素晴らしい演奏。ちょうどこの頃のフリーのライヴを達郎さんは観ていて、達郎さんにとってのベスト・ライヴのひとつ。出たばかりのライヴ・アルバム『ISLE OF WIGHT 1970』から「FIRE AND WATER」。
・VERY SPECIAL GIRL
達郎さんの大好きなドラマー、ジェームス・ストラウドはアメリカ南部のフロリダとかミシシッピーで活動している人。この人のプロデュースしている作品。歌っているのはアール・ホワイト・ジュニア。1977年、アール・ホワイト・ジュニア自作の「VERY SPECIAL GIRL」。
・70歳からはじめたいこと
30歳のリスナーから「達郎さんは70歳からはじめたいこと何かありますか?」という質問。
はじめたいことはたくさんあるけれど、とりあえず読書と映画鑑賞と漫画は二十代くらいのペースで。昨年は漫画を300冊くらい読んだという。毎日読書にいそしんでる今日この頃だとか。
・ラップ
リスナーから「早口に悩んでるそうですが、それだけ早口ならラップができそうなんですが、ラップをやらないのが不思議です。何か音楽的信条と関係があるのでしょうか?」という質問。
「ラップはむずかしいですよ、あーた」と達郎さん。早口だからラップができるわけじゃない。今いちばん尊敬するのはフリースタイルのラップの人たち。「よくあんなことができるってですね。とても自分には無理です。ボイパなら、まあなんとかなりますが。あのフリースタイルのラップは本当に尊敬します。えぇ」と達郎さん。
・BLUE VALENTINE'S DAY
達郎さんが2000年代にライヴで披露するつもりで、自宅で弾き語りした「BLUE VALENTINE'S DAY」のデモがある。このデモ・ヴァージョンにリクエストが集まっているそうだ。
■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2024年02月18日は、引き続き、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp