Motoharu Radio Show #063

2010年12月08日 | Motoharu Radio Show

2010/12/07 OnAir - 1st. Week
Elton John / Leon Russell:If It Wasn't for Bad
Elton John / Leon Russell:Gone to Shiloh
荒井由実:ひこうき雲
佐野元春:ソー・ヤング
大瀧詠一:指切り
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■内容の一部を抜粋
「今年は僕がレコーディング・アーティストとしてスタートしてから30年目ということで番組でも特別企画をお届けしています。今夜は僕がかねてからいろいろとお話を伺いたかった方をゲストにお迎えしています。1965年NHK入社。「YOU」、「みんなのうた」、「若いこだま」、「サウンドストリート」などNHKの主要な音楽番組を手掛けた湊剛さんをゲストにお迎えしてお話を伺っていきます。今週、来週と二週に渡ってお届けします」と元春。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月12月の「3PICKS!」はエルトン・ジョン/レオン・ラッセル『The Union』、エルヴィス・コステロ『National Ransom』、そしてロバート・ランドルフ『We Walk This Road』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はエルトン・ジョン/レオン・ラッセル『The Union』。

・エルトン・ジョン/レオン・ラッセル
エルトン・ジョンとレオン・ラッセルという二人の素晴らしいピアノマンが一緒にアルバムを作った。エルトン・ジョンのアルバム『Your Song』は40年前の1970年に出た。同じ年、レオン・ラッセルはカーペンターズが歌ってヒットした「Song For You」を書いている。もともと'70年代から交流のある二人だが今回はエルトン・ジョンからレオン・ラッセルに声をかけたことによってこのコラボレーションが実現した。
「このコラボレーション、僕は驚きました。二人とも音楽性が違うのでどんなふうになるのか見当がつかなかったんですけれども、アルバムを聴いてみて納得しました。アルバムのほうはR&Bからソウル、ゴスペル、カントリー、ポップととても幅広い音楽性があって聴いていて豊かな気持ちになります」と元春。
アルバムにはニール・ヤング、ブッカーT、ブライアン・ウィルソン、ロバート・ランドルフといったミュージシャンたちがゲストとして参加している。レコーディング・プロデューサーはTボーン・バーネット。これまで多くのグラミー賞を穫ったとても優秀なプロデューサー。エルトン・ジョンとレオン・ラッセルというそれぞれ個性の強いアーティストをまとめたというのはプロデューサーの手腕によるところも大きかったといえる。アルバム『The Union』から「If It Wasn't for Bad」はレオン・ラッセルの作曲。「Gone to Shiloh」はエルトン・ジョンの作曲でヴォーカルにニール・ヤングが参加している。

・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。このコーナーの協力はNHKの環境特集番組「SAVE THE FUTURE」。
http://www.nhk.or.jp/savethefuture/mamoribito/index.html

今週はNPO法人「グローバル・スポーツ・アライアンス」。楽しくスポーツをするためにきれいな環境を整備しようと1999年に日本で団体を立ち上げ、現在世界各国で活動している。
http://www.nhk.or.jp/savethefuture/mamoribito/movie/motoharu1.html

湊剛さんは1965年NHK入社。テレビ番組だと「YOU」、「みんなのうた」。ラジオ番組だと「若いこだま」、「サウンドストリート」、「ヤング・ミュージック・ショー」といった番組を手掛けた。いちばん最初に携わった仕事は「家庭教養番組班」で「ふるさとのアルバム」というスチールによる十分間の番組。夏に移動などで上司がいない時期に番組を自由に作っていい空気があって、東京生まれなので「丸の内」を担当することになった。それまで番組を作ったことがなく、音楽で作ることにして、当時流行っていたピンクフロイドの「吹けよ風、呼べよ嵐」をテーマ曲にして、バート・バカラックの「雨にぬれても」をエンディングに使い十分間の番組を作ったそうだ。ところが放送日に上司が帰ってきて「湊くん、あれは失敗作だね」と言われたという。そこで「家庭教養番組班」には向いてないので次の移動で「青少年幼児番組班」に移動させてくださいとお願いしたとか。その希望が叶い「青少年幼児番組班」に移動となった。NHKはそうしたクリエイティブなことを大事にしてくれる思想が今でもあるそうだ。「青少年幼児番組班」での最初の仕事は「歌は友達」という番組。ボニー・ジャックスや芹洋子さんが出演する真面目な童謡や唱歌、合唱曲がベースの歌番組だった。そこでまた上司に言って「若い広場」や「若いこだま」といった青年番組に移らせてほしいと頼んで「若い広場」や「若いこだま」を担当することになった。ただタイトルが時代とズレてるので「若い広場」は「YOU」と変更したとか。ラジオは1972年からFMで番組を作ることになった。AMでやっていた「若いこだま」は当時評論家が多くてジャズ評論家がやっていた。そこで学生でありながらロック評論をやっていた渋谷陽一さんや芥川賞を穫ったばかりの村上龍さんを起用したのだという。教育番組なのでジャーナリスティックな感覚を持ってる人を選んだそうだ。オピニオン・リーダーを起用する方向性だったとか。ほかには19か20の矢野顕子さん、サウス・トゥ・サウスの上田正樹さんを入れて、地方の人を選ぶ傾向もあって友川かずきさんを途中から入れたりした。当時は分業システムで構成作家がいたがミュージシャンを起用することでだんだん自分たちで曲を選ぶようになり構成作家がいなくなった。番組で取り上げる内容は「日常に中に起きる出来事」だったとか。糸井五郎さんのようなスタイルの音楽番組は古いものとして、個性的な話し手のトークが中心の番組、AMなのでそういう方向性でいったそうだ。1960年代後半から1976,7年ぐらいまで続いたという。安保があってヴェトナム戦争が終わり、ポリティカルなものから新しい空気感に移行していく時代。それまでのスターシステムから変わって自作自演の自己主張型のアーティストへと入れ替わっていった。それもディランのような岡林信康さん、メッセージ色の強い吉田拓郎さんから、井上陽水さんやユーミンのような、新しい感覚を持った瑞々しさを感じるアーティストへと変わっていった。「若いこだま」の最後のほうにはユーミンにディスクジョッキーを頼んだとか。

・ひこうき雲

・ツイッター
「さて、Motoharu Radio Showでは今番組を聴いてくれている全国リスナーのみなさんがインターネット上で楽しくコミュニケーションできるツイッターという仕組みを採用しています。ここに参加したいという方は今からURLをお知らせするので是非書き取ってください。番組からツイッターのお知らせでした」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

甲斐バンドの甲斐よしひろさんはソングライティングでそれまでと違ったアプローチをしていたので、声のいいヴォーカリストとして起用したのだとか。まだ無名だった桃井かおりさんは新しいブルージィーな感覚を持っていたので起用してうまくいったそうだ。感受性が不良感とか個人の考え方がダイレクトに届くような人が、極端にいえばわがままな、アーティスティックな考えを持った人のほうが、ラジオの個から個へのコミュニケートが深く入っていく。昔の学生運動の「解放区」をラジオのメディアで作りたかったそうだ。「若いこだま」ではやりたいことをほとんどやったと湊さん。1978年に番組は「サウンドストリート」へと移行。FMに移ったので音楽をメインにした番組になった。ちょうどその頃上司から城達也さんの「ジェット・ストリーム」に勝てる番組を作るように言われて「クロスオーバーイレブン」を作った。夜の10時から11時はNHK-FMの独断場となり、全民放を含めて「サウンドストリート」は視聴率のトップになった。

・ソー・ヤング

・フィードバック
「Motoharu Radio Show。番組ではみなさんからの楽しいフィードバックを待ってます。番組専用のウェブサイトを用意しているので、是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのコメントを送ってください。みなさんからの楽しいフィードバックを待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

「サウンドストリート」ではミュージシャン、アーティストをDJにした。斬新なサウンド感を持った新しい音楽のアプローチをするソングライティングのできる人を起用したのだという。元春、坂本龍一さん、山下達郎さん。「若いこだま」の残滓のように雑誌ブルータスの編集者だった森永博志さんにちょっと火曜日をやってもらったり、渋谷陽一さんも残った。「サウンドストリート」の最初のラインナップは月曜日は確か渡辺香津美さんが一年、松任谷正隆さんが一年、そして1981年から元春。火曜日は森永博志さんだったが、途中から坂本龍一さん。水曜日はAMの頃の部分を残そうと「若いこだま」から引き続いて甲斐よしひろさん、木曜、金曜は渋谷陽一さんだったが、一週間に二日レギュラーということで大げんかとなり、まだ売れる前の山下達郎さんを木曜日に起用したのだという。ベスト・メンバーは元春、坂本龍一さん、甲斐よしひろさん、山下達郎さん、渋谷陽一さんだと未だに思ってるそうだ。この時期大瀧詠一さんは他局で「GO! GO! NIAGARA」をやっていた。大瀧さんを起用するつもりはなかったのかと元春。大瀧さんは1972年にソロ・アルバムを出したときに「若いこだま」で特集をしてもらったのだという。ラジオの番組は初めてだったそうで、大瀧さんは緊張をほぐすためにスタジオの電気を全部消して真っ暗にして喋ったとか。湊さんにとって大瀧さんは、はっぴいえんど時代から知ってるので新しくないと思っていたそうだ。無名性が好きなのだと湊さん。「サウンドストリート」はそれぞれの担当するジャンルがかぶってなくて、それがうまくいったのだとか。湊さんは新しい知識を与えてくれる、影響されることを与えてくれるミュージシャンが好きなのだと話す。

・指切り

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

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