ALL FLOWERS IN TIME(FM COCOLO)

2011年02月08日 | 佐野元春 Radio Days

■ALL FLOWERS IN TIME
2011年2月5日(土) FM COCOLO 19:00 - 20:00
http://www.cocolo.co.jp/contpgm2/w_main.php?oya_id=278

出演: 佐野元春

Play List
1 ヤングブラッズ / 佐野元春
2 SOMEDAY / 佐野元春
3 バルセロナの夜 / 佐野元春
4 誰かが君のドアを叩いている / 佐野元春
5 ラジオ・デイズ / 佐野元春
6 風の手のひらの上 / 佐野元春
7 月と専制君主 / 佐野元春
8 Night Life / 佐野元春
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■内容の一部を抜粋
2010年春からFM802の支援を受けているFM COCOLOは"WHOLE EARTH STATION"をキャッチ・フレーズにして四十五歳以上の世代を対象にした大人のためのラジオ局として生まれ変わった。土曜日午後7時からのこの枠は月代わりでミュージシャンがDJを担当する。今月二月は佐野元春をフィーチャー。

全四回放送の第一回目、今週のテーマは「SONGWRITING」。

・ヤングブラッズ
セルフ・カヴァー・アルバム『月と専制君主』から。
「今回はホーボーキングバンドが大好きなラテン・ロックなサウンドにアレンジしました」と元春。

Q1 初めて曲を書いたのはいつ?
十三歳ぐらいの頃で海外のシンガー・ソングライターを手本にして作りはじめたとのこと。学校の図書館にある詩集から好きなものを選んでメロディをつけたとか。

Q2 初めて曲をつけた詩は?
ドイツの詩人ヘルマン・ヘッセの「赤いプナの木」という詩が、少年だった自分の心を捉えたので、その詩にメロディをつけたそうだ。

Q3 既に楽器を使って曲をつけたのですか?
十二歳、十三歳でギターとピアノを習得していたから、ギターやピアノを弾きながらメロディを作ったとか。

・SOMEDAY
元春: 「SOMEDAY」という曲は僕にとって大事な曲ですね。レコーディング・アーティストとしてデビューした1980年。キャリアの初期の頃、僕の存在を知ってもらった、そのきっかけとなった曲です。当時、『Back To The Street』というアルバムを出して、デビュー・シングルとなった「アンジェリーナ」、それに続く「ガラスのジェネレーション」、シングルは切っていたのですが、なかなかセールスに結びつかなかった。一方僕らはバンドと一緒に全国トゥワーに出かけていって、どこの会場も、まぁ、お客さんたちが集まって熱狂してくれてるので、レコード売れなくてもいつかは売れるんじゃないかなという楽天的な気持ちでいました。しかし、一枚出し、二枚出し、三枚シングル出しても売れないということになると、レコード会社もやきもきしてきて、僕もセカンド・アルバム『Heart Beat』を作った頃には三枚目新しいアルバムを作った時点であまり売れなかったら、僕の音楽キャリアもこれでお陀仏かなって思ってたんですね。で、そんな背水の陣で制作に入ったのがアルバム『SOMEDAY』。そのアルバム・タイトル・ナンバーが「SOMEDAY」という曲。まぁ、自分で自信がありました。その当時、メッセージしたいことがうまく言葉になって出てきましたし、何といっても、それを包むサウンドがなかなかいい感じでまとまっていたので、これいけるんじゃないかなと思ってました。で、仲間のバンド、ハートランドを街の小さなリハーサル・スタジオに集めて、編曲など僕が全部して、自分で録音して、自分でミックスして、で、それをエンジニアの吉野金次さんのところに持って行き、こんなサウンドの曲をレコーディングしたいんですけれど手伝ってもらえますかって言ったら、いいですよって言ってくれたので。当時、吉野金次さんといえば唯一僕が日本の中で信頼できるレコーディング・エンジニアでした。古い音楽ファンであればはっぴいえんどなどの音楽を手掛けたことで有名ですよね。その彼と一緒に作り上げたのがこの「SOMEDAY」。もうひとつこの「SOMEDAY」というサウンドにまつわる話といえば丁度大瀧詠一さんから声をかけられていて、『Niagara Triangle Vol.2』という、このアルバムに参加がありました。大瀧詠一さんのレコーディング現場を見学する機会があって、そのときにかなり大掛かりなレコーディングだったんですけれども、そこで奏でられてるサウンドが、とても素晴らしかったんですね。僕も小さい頃よく聴いていたザ・ロネッツのようないわゆるフィル・スペクター・サウンド、ウォール・オブ・サウンドなんて言われてますよね。音の壁なんて言って、なにかオーケストラなポップ・サウンド、ロック・サウンドと言っていいと思うんですけれども、大瀧詠一さんは正にそうしたサウンド作りをしていた。僕もこうしたサウンドを作ってみたいなと思い、その大瀧詠一さんのレコーディング現場を見たことがきっかけでこの「SOMEDAY」のレコーディングということになりましたね。同じようにウォール・オブ・サウンド、フィル・スペクター・サウンドにチャレンジした僕のはじめての曲、これが「SOMEDAY」です。

Q4 ソングライティングでは言葉とメロディはどちらが先に生まれてくるのですか?
大抵詩とメロディが同時に浮かんでくる。言葉の中にはそれにぴったりのメロディがもう既にあり、良いメロディにはもう既にそのメロディにぴったりの言葉が含まれてると思ってると元春。

Q5 ソングライティングで心掛けてることは?
聴き手が新鮮なイメージを喚起してくれる、そういう表現を工夫してやってみようと常に考えてる。曲を書こうとして書くんじゃなくて、常日頃から思い付いたことをメモして、それを後のソングライティングに役立てていると元春。

Q6 詩や曲を書く場所はいつも決まってるんですか?
場所はほとんど決まってなくて、自分の生活の中でその作業はいつも自分の隣にあるものだと思ってると元春。

・バルセロナの夜
ストレートならラヴソングを書いてみたいと思い書いた曲。自分の経験が基になっているが、聴いた人が自分の歌だと思ってもらえるように、親密に思ってもらえるように、少し工夫して書いたと元春。

Q7 影響を受けたソングライターは?
ボブ・ディラン、トム・ウェイツ、ランディ・ニューマンといったシンガー・ソングライター系の作品、特に詩の世界観は欧米のシンガー・ソングライターから学んだことが大きいという。プロになってからは同時代のソングライターがどんな曲を書いたかを気にしていて、ラジオのDJをしながら同時代の音楽を聴いていたとか。

・誰かが君のドアを叩いている
出だしの"街角から街角に神がいる"は'90年代初頭、新興宗教の勧誘がすごくてウンザリしたので、それを皮肉ってそうした出だしにしたという。

Q8 自分の昔の曲を聴いて懐かしく思うことはありますか?
自分から改めて自分の曲を聴くことはないが、街を歩いていてながれてきたりすると、その当時に出会った人たちの顔や、どんな生活をしていたかを思い出すという。自分の書いた曲からいろんな思いになるのは不思議な感じなんだとか。

・風の手のひらの上
元春: '90年代、ホーボーキングバンド結成後、彼らと米国に渡り、ウッドストックでレコーディングした曲ですね「風の手のひらの上」。それまでexバンドであるハートランド、ひじょうにプレイヤビリティの高い友人たちだったんですけれども、活動十四年目にして解散ということになり、その後何年間かブランクがあるんですけれども、その後結成したのがこのホーボーキングバンド。で、バンドのメンバー全員'70年代の音楽に恩恵を受けていましたから、であるんだったらば、その'70年代米国の良質の音楽を奏でていた、その中心地でもあったウッドストックに行ってレコーディングしよう、僕からの提案にみんな頷いてくれまして、んでレコーディングした。プロデューサーにはジョン・サイモン。それからザ・バンドのメンバーですとか、ジョン・セバスチャンといった、僕たちにとっては馴染みの深いミュージシャンたちが参加してくれました。実際ウッドストックという、'70年代の米国の良質の音楽を奏でていたメッカといっていいですね、そこでレコーディングし、業界を長年生き抜いてるそうした名うてのミュージシャンたちと、言葉を交わしたり、時を一緒に過ごしたりするということは、本当に僕たちにとってよい経験になったと思います。

・杉真理さんからのメッセージ
初めて会ったのは三十六七年前のあるコンテスト会場。バックレーン元春セクションの曲のセンスがあまりにいいのでただ者ではないと思い、舞台袖で声をかけたそうだ。当時杉さんはオリジナルを二十、三十と書いてたので鼻高々だった。「佐野くん、一体何曲くらいオリジナル持ってるの?」って訊いたら、高校生だった元春は「六百曲」と答えたそうだ。桁違いの「六百曲」という発言に驚いて、杉さんは曲作りに精を出すようになったとか。この間会ったとき元春は「いつも一杯曲作ってるよね」と杉さんに言ったそうだが、あの「六百曲」発言でエンジンがかかったので責任を取ってほしい(笑)と話した。
いつも共作しようと話をしていて先延ばしになってるので、いつか一緒に曲を作ろうというメッセージを最後に残した。

・月と専制君主
セルフ・カヴァー・アルバム『月と専制君主』から。

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2 コメント

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1か月限定新番組♪ (korokoro)
2011-02-08 01:50:34
FM COCOLOで始まった新番組「ALL FLOWERS IN TIME」。

WOWOW、YTVに続き、ラジオでも特集を組んでくれることが嬉しいです。永久保存版にしたいです。

杉さんとの共作いつか実現してほしいですね。
返信する
Unknown (どい)
2011-02-08 20:53:08
☆korokoroさん
コメントありがとうございます。
早いものでもう大阪城ホールで行われる「ALL FLOWERS IN TIME」まで一ヶ月を切ってしまいましたね。チケットの売れ行きはどんな具合なんでしょうかね。とても気になります。

杉さんとのコラボレーションも期待したいですね。
返信する

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