SOUND AVENUE 905 Motoharu Radio Show #11

2015年12月17日 | Motoharu Radio Show

2015/12/15 OnAir - 3rd. Week - ザ・コヨーテバンドを迎えて #2
01.Led Zeppelin:We're Gonna Groove
02.Japan:Gentlemen Take Polaroids
03.Mellowhead feat. Motoharu Sano:Better days
04.Curly Giraffe:Fake Engagement Ring
05.chay:Twinkle Days
06.藤原さくら:Cigarette butts
07.佐野元春:みんなの願いかなう日まで
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。今週もやってきましたMotoharu Radio Show。待っていてくれたみなさん、どうもありがとう。さて、この番組ですけれども、ちょうど先週からの放送になりますね。90.5メガヘルツ、FM放送としても聴けるようになりました。これまでのAM放送、またradikoといったサイマルキャスト放送など、みなさんのお気に入りのスタイルで番組を楽しめる時代になったということだと思います。さて、佐野元春、僕の35周年アニバーサリー・ツアー。いよいよスタートしています。そこで先週今週と二週にわたって僕の楽しいバンド仲間たち、ザ・コヨーテバンドのメンバーをゲストに招いてお送りしたいと思います。また詳しいことは番組の中で。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

佐野元春 : Motoharu Radio Show、先週今週と二週にわたってザ・コヨーテバンドのメンバーをゲストに招いてます。今夜はバンドのメンバーからギターの深沼元昭くん、そしてベースの高桑圭くん。この二人に来てもらってます。ツアーはじまってるよね。まぁ、冬場のツアーだということだけれどどうですか。

深沼元昭 : いや~でもね、今回は今までのツアーよりも更にいろんな佐野さんの曲を演奏して、まぁ楽しいツアーになってますよね。

佐野元春 : そうだね。実際、ロッケストラ、ロッケストラ・コヨーテバンドって、コヨーテバンドをベースにハートランドからギターの長田進、そしてホーボーキングバンドからキーボードのDr.kyOnを交えて、あとサキソフォンの山本拓夫くんですよね。ロック・オーケストラ式でやって昔の曲から僕たちのコヨーテの曲までたっぷり演奏している。かなり長い時間やってるよね。くたびれちゃうよね。

深沼元昭 : いえいえ。ははは。生のブラス・セクションと一緒に演奏するというのがほとんど経験がなかったので、こんなに凄いのかなって...

佐野元春 : そうなんだね。僕もコヨーテバンドに実際ブラスが入るとどんな響きになるのかなっていうのが今回のいちばん楽しいところでね。是非これ、会場に来てみなさんに聴いていただきたいと思います。

●「私の人生を変えた一曲」
深沼元昭は年上の従兄弟の影響で小学生の頃からビートルズを聴いていて、YMOは世代的によく聴かれていた音楽だったという。曲のメロディに興味があって聴いてたけれど、レッド・ツェッペリンをはじめて聴いたときに楽器、リズム・セクションの凄さに驚いたという。中学生の頃で今まで聴いていたものとあまりにも違っていたので曲自体はわけがわからなかったものの、リズムの躍動感や楽器演奏の凄さがわかったのが「We're Gonna Groove」という曲だったそうだ。

高桑圭はハード・ロックを全く経由していないという。それは未だに。だから全然知らないのだとか。

佐野元春 :レッド・ツェッペリンって'70年代からやってる。僕もね、多感な頃にレッド・ツェッペリンの曲をラジオから聴いたんだけれど怖かった。なんだろう? 今まで聴いてきたビートルズとか耳障りのいい曲に比べて、なんだちょっとクレイジーだなって...

「いわゆる普通のハード・ロックやヘビー・メタルとは違う異質なものだったので衝撃度が大きかった」と深沼元昭。

・We're Gonna Groove

佐野元春 : たしかにこれ小学生で聴いたら人生変わっちゃうね。でも今聴いてみると基本的にいいブルース・ロックの感じがあるよね。

「かなり異質でベースのジョン・ポール・ジョーンズは当時から独創的だ」と深沼元昭。

佐野元春 : それからジミー・ペイジのギターにしても基本ブルース・ロックなんだけれどもそこにケルト的なトラッドの要素も入ってきてるのがアメリカのハード・ロック・バンドと違うところかもしれないね。

「アコースティック楽器を弾くとあの人の発想はかなり変わってますからね」と深沼元昭。

高桑圭はアメリカのヒット曲を中心に聴いてきたが中学三年のときにジャパンを聴いてイギリスのロックの洗礼を受けたのだという。

・Gentlemen Take Polaroids
ジャパンの1980年のレコード。

●「自分のソロ、バンドで聴いてほしい自慢の一曲」

深沼元昭は2009年にレコーディングしたメロウヘッドの「Better days」。
1996年のアルバム『FRUITS』に収録されている「水上バスに乗って」のバッキングをプレイグスのトリオでレコーディングしたのが佐野元春と深沼元昭の出会い。渋谷公会堂でのライヴで深沼元昭がゲスト出演して「水上バスに乗って」をホーボーキングバンドと一緒に演奏したこともある。その後、メロウヘッズの「エンプティ・ハンズ」(2005年)、それを踏まえてもう一度歌ってほしいと深沼元昭が持って行ったのが「Better days」。

・Better days
佐野元春のヴォーカルをフィーチャリングした深沼元昭のプロジェクト、メロウヘッズの2009年のレコード。

佐野元春 : ベースがトライセラ(トップス)の林くん。そしてドラムスがなんと小松(シゲル)くんですね。聴けばすぐわかるという。しかしね、この「Better days」参加させてもらってレコードができて、で、ラジオやなんかでかかった。ファンからね、佐野の曲より佐野らしいよ、佐野もこういう曲作れ(笑)。よく言われましたけれども。

「佐野さんだったらどう歌うか、歌詞をどういうふうに発音するか、いろいろ考えて。いつもコーラスしてる感じで。佐野さんの言葉のリズム感みたいなものを自分なりによく考えて作った曲です」と深沼元昭。

高桑圭はカーリー・ジラフというソロ・プロジェクトが今年10周年を迎えたそうだ。ただ最初にさりげなくEPを出して、アルバムを次の年に出したので来年のほうが自分の中で10周年という気がしてるそうだ。

佐野元春 : なんか是非さ、コヨーテバンドも含めてカーリー・ジラフ 10th Anniversary 来年なんかやろうよ。

ずっとインディペンデントでカーリー・ジラフはやっていて、高桑圭がいわゆる宅録、マルチ・レコーディングが基本になっている。

佐野元春 : 僕もカーリー・ジラフのレコードを最初から聴いているんだけれども、よくこれだけ曲のアレンジのヴァリエーションがあるね、すごく感心する。

高桑圭は子どもの頃、カーペンターズやエルトン・ジョンが好きだったけれど、その頃のキラキラした記憶を音に表したいと思ってはじめたのがカーリー・ジラフなのだという。はじめて聴いた人に「なんか懐かしい感じがする」というのはそれが要因だと思うと話す。

佐野元春 : 高桑くんより僕は年上ですけれども、僕の世代で聴いてもなんか懐かしいっていう感じは確かにある。おもしろいのは実際に多感な頃、'80年代、UKのニュー・ウェーブ、パンクで来たんだけれども、実際、レコーディング・アーティストとしてキャリアをはじめていくと、'70年代的のすごくよいメロディのセンスや、それからあの頃の自然な、音楽が持っていたあたたかいバイブスというかな、それがカーリー・ジラフ音楽の中に僕は発見できるだよね。そこがすごくおもしろい。

・Fake Engagement Ring
カーリー・ジラフの2014年のレコード。「ハーモニー・ワークが見事」と元春。元春は高桑圭がグラフィック・デザインをするのでレコード・メイキングとどこか共通するところがあるという意見を言う。「カーリー・ジラフのときはデザインしてるときと使ってる脳みそが近い気が自分でもする。音楽なんだけれど匂いとか手触りが自分にとって大事」と高桑圭は話す。

●最近のプロデュース・ワーク
chayのスタッフが深沼元昭の知り合いでプロデュースを依頼されたのだとか。そのときに深沼元昭の自宅スタジオでchayがシンディ・ローパの「True Colors」をギターの弾き語りで歌って、それがよくて歌もうまかったし、chay自身はお父さんの影響で'80年代の音楽を聴いてきてて、染み付いてる感じで新しい洋楽世代の色を持っていた。作る曲もフォーキーでストレートなものが多く、ギターもうまいのでおもしろそうだと思って一緒に仕事をすることになったとか。

・Twinkle Days
最近、深沼元昭がプロデュースした作品で「Twinkle Days」。chayの作詞作曲、深沼元昭のプロデュース&アレンジメント、そして演奏。イントロのマンドリンは深沼元昭。最近、コヨーテバンドでも深沼元昭はマンドリンを弾いているそうだ。イントロのマンドリンはchayのリクエストで、マンドリンを持ってなかったので購入して三日間一所懸命練習してレコーディングしたという。「その一所懸命練習したおかげで今、コヨーテバンドでもマンドリンが弾けるという(笑)」と深沼元昭。プロデュースするときに気をつけてるのは本人の声の質感とサウンドのマッチングだと深沼元昭は話す。彼女自身、テイラー・スィフトを聴いて、あんなふうになりたいという歌い方をしてるので、それに音の質感を合わせてるのだとか。

高桑圭は知り合いのレーベルの人の紹介で藤原さくらのプロデュースをすることになったという。まだ19歳の新人のシンガー・ソングライターで、お父さんがベーシストで高桑圭とはほとんど年が変わらないそうだ。彼女自身はビートルズが好きで、今年、ポール・マッカートニーのコンサートに行って泣いたというエピソードを持っている。

・Cigarette butts
藤原さくらの「Cigarette butts」。「声がいい」と高桑圭。アコースティック・ギターは藤原さくらで、それ以外の楽器は高桑圭が全て演奏している。アレンジも高桑圭。

佐野元春 : これは僕が聴いた印象というのは最近のインディ・フォークの感じだね。初期のマムフォード&サンズとか、そうしたインディ・フォークのタッチがあって僕は好きですね。

●最近自分でびっくりした行動
深沼元昭は半年ぐらい前にもらった電波時計がある朝狂っていて、それを知らずにリハーサルに遅刻したと思って、慌てて用意してクルマに乗って、ケータイを見たら全然違う時間だった。電波時計が電波を受信したときにバグったらしくてとんでもない時間になっていた。それ以来電波時計は使ってないそうだ。
高桑圭は番組の前に元春から質問を振られていたので思い出してたのだが、スタジオに入った瞬間に何の話か忘れたというのがいちばんビックリだったと話す。

佐野元春 : 僕の話聞いてくれる。最近自分でびっくりした行動。これはね、昨日の出来事なんだけれど、朝起きたら裸ん坊だったんですよ(笑)。

高桑圭 : それ子どもじゃないですか。子どもよくいますよ、そういうの。

佐野元春 : ちゃんともちろんね、昨夜、パジャマ着て暖かくして寝たのに、朝起きたら(笑)、裸だった。

深沼元昭 : それはね、全然シンパシー。僕は「朝スポ」現象って呼んでます、いつも。朝になるとスッポンポンというのの略なんですけど。何度もありますよ、それ。

佐野元春 : 無意識のうちに脱いじゃうのかな。暑いかなんか。

高桑圭 : 暑かったんでしょうね。で、それ子どもと一緒ですから。二人とも(笑)。

深沼元昭 : 僕しょっちゅうあるよ。

高桑圭 : なーい。

佐野元春 : いや、僕はね、長く生きてるけれど、はじめてのことだったんだ。なのですごくびっくりしました。

高桑圭 : それけっこうショックですよね(笑)。へへへ。

佐野元春 : ショック。

深沼元昭 : 僕はけっこうウェルカムな気持ち。ははは。

佐野元春 : 僕もちょっとこれに慣れてきた(笑)。まぁ、もうすぐクリスマスだよね。僕たちコヨーテバンド、いいクリスマス・ソング、昔作ったよね。ラジオ・リスナーのみなさんに聴いていただきたいと思います。コヨーテバンド、クリスマス・ソングです。「みんなの願いかなう日まで」。

・みんなの願いかなう日まで

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 先週今週と二週にわたってザ・コヨーテバンドのメンバーをゲストに招いて楽しい時間を過ごしてきました。さて、今週は二人ともソロのライヴがありますよね。ちょうど明日、高桑くんはカーリー・ジラフとして渋谷のラママ。今年最後のライヴですね。がんばってください。そして深沼くんはメロウヘッドのライヴですね。これは19日下北沢、場所はクラブQ。ドラムはメロウヘッズなので小松くん。これも楽しみですよね。じゃあ、今週ふたりともがんばって、いいライヴを作ってください。今夜はどうもありがとう。DJ、佐野元春。ではまた次回に。
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