SOUND AVENUE 905 Motoharu Radio Show #10

2015年12月10日 | Motoharu Radio Show

2015/12/08 OnAir - 2nd. Week - ザ・コヨーテバンドを迎えて
01.Steely Dan:Home at Last
02.坂本龍一:Merry Christmas Mr. Lawrence
03.Nona Reeves:P-O-P-T-R-A-I-N
04.Schroeder-Headz:Newdays
05.土岐麻子:Beautiful Day
06.Nona Reeves:土曜の夜は Happy Sounds
07.Schroeder-Headz:Hype
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。今週もやってきましたMotoharu Radio Show。待っていてくれたみなさん、どうもありがとう。さてこの番組、今日から90.5メガヘルツ、そうです、FM放送としても聴けるようになりました。ラジオ新時代のはじまりですね。これまでのAM放送、またradikoといったサイマルキャスト放送など、みなさんのお気に入りのスタイルで番組を楽しんでいただけたらと思います。さて、佐野元春、僕の35周年アニバーサリー、全国ツアーがいよいよはじまりました。そこで今週来週二週にわたって僕の楽しいバンド仲間たち、ザ・コヨーテバンドのメンバーをゲストに招いてお送りしたいと思います。また詳しいことは番組の中で。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

佐野元春 : Motoharu Radio Show、今週来週と二週にわたって僕の楽しいバンド仲間たち、ザ・コヨーテバンドのメンバーをゲストに招いての特別版ですね。今夜はまずバンドのメンバーからドラムスの小松シゲルくん、そしてキーボードの渡辺シュンスケくん。この二人に来てもらってます。
いよいよツアーはじまったね。京都、名古屋、すごい盛り上がりだったね。今日はコヨーテバンドのメンバー、スタジオに来てもらってバンド・メンバーを紹介したいということと、それぞれみんなプロデュースもしてるし、作詞作曲もしてるし、いろいろなセッションに参加しているミュージシャンたちですので、ひとりひとりの魅力に迫ってみたいと思います。
まず僕が考えた質問なんだけれども「私の人生を変えた一曲」。ちょっと大げさなんだけれども、十代のとき僕たち音楽に触れてこうしてミュージシャンになってるわけなんだけれども、影響を受けた音楽といってもいいよね。小松くんが選んでくれた音楽はスティーリー・ダンなんだけれどもこの曲の出会いというのはいつだったの?

小松シゲルは大学一年の頃にそれまでいろいろと聴いてきて、大学の先輩に「なんかないっすかね、聴くの?」と訊いてアルバム『Aja』を勧められたという。最初はピンとこなかったが何回も聴いていくうちに抑制された構築美にハマって、しばらくはずっと、大学の最初の頃は聴いていたという。

佐野元春 : 僕も'70年代にスティーリー・ダンのレコードを聴いて「これは素晴らしいな」と思って、今でも聴き続けてるんだけれども。だいたい小松くんと僕は年が10年くらい離れてるんだと思うんですけれども、やっぱりこのスティーリー・ダンのレコードを聴いて、ドラマーの視点で聴いていたんですか?

小松シゲル : そうですね、ドラマーの視点で聴いてましたね。最初は派手なもの、いろいろとアレでしたけれど、「Home at Last」のグルーヴの妙にハマってしまいましたね。

・Home at Last
ビルボードライブ東京のオープニング記念公演がスティーリー・ダンで元春はその公演を見に行ったそうだ。確か5日間の公演で、小松シゲルは5日目に行ったとか。
レコーディングではバーナード・パーディが「Home at Last」のドラム。小松シゲルはバーナード・パーディに影響を受けていて、1992年頃のジャズ・ファンクのムーブメントのときに聴き漁っていたとか。

佐野元春 : スティーリー・ダンの音楽というと基本ブルース音楽をすごくコンテンポラリーに解釈して、いろんな音楽要素をコンバインして仕立ててるという感じなんだけれども。渡辺シュンスケくんもスティーリー・ダン音楽に触れてきたわけだよね?

渡辺シュンスケはもちろんスティーリー・ダンが好きで、ドナルド・フェイゲンのソロから遡って聴いたそうだ。キーボードの視点からハーモニーやボイシングが構築されて参考になるという。影響を受けた音楽として持ってきたレコードは坂本龍一の「Merry Christmas Mr. Lawrence」。中学三年の頃に聴いてキーボードは中学一年からはじめたけれど、この曲を聴いてピアノが弾きたくなりピアノをはじめたとか。音楽の興味はファミコンの音楽がはじまりだったそうだ。インストゥルメンタルというより映画音楽というところに反応したという。

・Merry Christmas Mr. Lawrence
純粋なピアノ音楽というかシンセサイザーを使った構築的な音楽。オリエンタルな音階が新鮮で学校の体育館のピアノで練習したという。最初に買ったシンセサイザーはヤマハのEOSというTM ネットワークの小室哲哉が宣伝していたシンセサイザーだったとか。作曲をはじめたのは中学生の頃で短い「雨」の曲。このあいだ自分のライヴで披露したという。

小松シゲルが一番最初に聴いたレコードはゴダイゴの『銀河鉄道999』のサントラ。

佐野元春 : 僕はね、モンキーズというバンド。その頃ね、テレビで「モンキーズ・ショー」っていうすごく楽しい番組やってて。そこでモンキーズ、アイドル・バンドなんだけれども、ごきげんな曲がたくさんかかって。そこで「モンキーズのテーマ」という彼らのテーマ・ソングが楽しいポップ・ソングで、その曲が欲しくてレコード屋さんに行きました。アナログ7インチでしたけれど。二人の時代はまだアナログ7インチの時代だったでしょ? アナログ7インチで自分のお小遣いで最初に買ったレコードって覚えてますか?

小松シゲルはハワード・ジョーンズの「New Song」。渡辺シュンスケはユニコーンのCD。

小松シゲル : ちなみに家にCDデッキが来てはじめて聴いたのは佐野さんの『No Damage』ですよ。

小松シゲルはノーナ・リーブスを西寺郷太を中心にして1995年に結成。最初は5人ではじめてメジャー・デビューするときにトリオ編成になった。リスナーに聴いてほしい曲は「P-O-P-T-R-A-I-N」。3年ほど前の曲でこの番組の前にやってる「トップ・ファイブ」という番組のジングルを一曲に仕上げたものだとか。

・P-O-P-T-R-A-I-N
ソングライティングは西寺郷太で、彼の得意の曲調、'80年代のポップ・ディスコ的なサウンド。小松シゲルはTBSの番組がなかったらできなかった曲で、ジングルを一曲にしたという根性、そこのところを聴いてほしいそうだ。

佐野元春 : 僕は郷太くんって本当に才能のある人だ思ってるんですよね。こうしたソングライティングだけじゃなくてマイケル・ジャクソンとかプリンスの研究の本まで出してるでしょ? ときどき送ってくれるんだけども、夢中で僕読んでます。だからよろしく伝えて下さい。

・Newdays
渡辺シュンスケが自分のソロで聴いてほしい曲はシュローダーヘッズというユニットの最初に出したアルバムのタイトル曲で「Newdays」。渡辺シュンスケはシュローダーヘッズの他にも、歌もののバンド、カフェロン、こたつ宇宙というレアなものもやってる。アルバム『Newdays』は5年くらい前にプランクトンという自主レーベルから出して、ヴィレッジ・ヴァンガードという本屋で置いてもらうことで知れ渡るようになったとか。シュローダーヘッズはピアノ、ベース、ドラムのトリオ。シュローダーヘッズはこれまでにカヴァー・アルバムとリミックス・アルバムを入れて4枚位出してるそうだ。仕事をはじめたのは大学を卒業する前後くらいで23,4ぐらいの頃。オリジナル・ラブの亡くなった宮田繁男さんにかわいがってもらったという。

佐野元春 : 堂島くん、すぐれたソングライターですけれど。堂島くんのライヴで渡辺シュンスケくんをはじめて見たんですよね。そのときもごきげんなキーボード・プレイでした。だからいってみれば堂島くんが呼んでくれた縁。彼もなんかそんなこと言ってませんでした?

渡辺シュンスケ : 言ってますね(笑)。

最近、渡辺シュンスケは土岐麻子、柴咲コウ、降谷建志のソロなどをやってるという。特に土岐麻子のプロジェクトではレコーディング・プロデューサー、プレーヤー、ソングライターと重要な役割を果たしている。

佐野元春 : 『Bittersweet』、僕も聴かしていただいたんですけれども、すごくケレン味のないいいヴォーカリストですよね。いい詩も書きますよね。これはプロデュースのきっかけとはどんなことだったんですか?

事務所が一緒でライヴを手伝ったときに「アルバムを一緒に作りませんか?」とオファーがあって今回はじめて参加することになったという。準備からはじめて一年間くらいアルバムの制作にかかったそうだ。バンドを一緒にやるような感じで楽しかったとか。

佐野元春 : 実際に僕、土岐さんのレコード、実をいうと別の放送局で彼女が番組を持っていて、そこに呼ばれてはじめてお会いして、そのときにCDをいただいて、全曲聴かしてもらって本当にいい曲がたくさんあって、ときどき聴いてるんですけれどね。

・Beautiful Day
渡辺シュンスケの作曲、プロデュースの土岐麻子の「Beautiful Day」。アルバム『Bittersweet』に収録されている。ドラムは白根賢一、ベースはエゴラッピンの真船勝博。

佐野元春 : これからもプロデュースはたくさんやっていきたいんでしょ?

渡辺シュンスケ : あぁ、やってみたいですね。

佐野元春 : 僕の曲もプロデュースもしてください。

渡辺シュンスケ : えへへ。いや、佐野さんにプロデュースしてもらいたいです(笑)。

佐野元春 : いいですね(笑)。いつか。

・土曜の夜は Happy Sounds
自分の曲で聴いてもらいたいの最新の作品の紹介。ノーナ・リーブスの昨年出たアルバム『Forever Forever』。ビルボードのレーベルから出している。ギタリストの奥田健介が書いた曲で「土曜の夜は Happy Sounds」。

佐野元春 : 僕いつも思うんだけれどもノーナ・リーブスのリズムのアンサンブルがね、イントロが出てきた途端にニコっと笑ってしまうような、人々をスマイルさせるような楽しさがあるんだけれども。リズム・アンサンブルは小松くんが中心になって提案してるの?

小松シゲル : そうですね。でも最近は比較的ふたりのDTMベースではじまったりとか、そうですね。そこに色加えたり多いかもしれないですね。最近はみんなの頭のなかにあるものを提示してもらって、そこにすぐスタジオで録りだしてみたいな感じですね。

・Hype
シュローダーヘッズの2016年1月20日にリリースされる3枚目のフル・アルバム『特異点』から「Hype」。物理用語でブラックホールの中心にある点を「特異点」というそうだ。今回はピアノ・トリオだけれどシンセ・ベースは自分で弾いてるという。

佐野元春 : シュンちゃん見ていてジーニアスなところがあって、すごいロジカルに進めていくんだけれども、最終的にはそうじゃないような感じがしてるんですよね。

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? Motoharu Radio Show、今週来週と二週にわたって、ザ・コヨーテバンドのメンバーをゲストに招いての特別版、オンエアしています。今夜はバンドのメンバーからドラムスの小松シゲルくん、そしてキーボードの渡辺シュンスケくんが遊びに来てくれました。僕たち、これからツアー、来年の三月にかけてガンガンやっていくんだけれど、いいライヴにしようね。番組では来週はベースの高桑くんとギターの深沼くんが来てくれます。彼らからまた面白い話が聞けると思いますので楽しみにしてます。じゃあまた、ロードで会いましょう。今夜、どうもありがとう。DJ、佐野元春、ではまた来週。
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