Motoharu Radio Show #123

2012年08月08日 | Motoharu Radio Show

2012/08/07 OnAir - 1st. Week - 特集:「スウィート16」20周年アニバーサリー
佐野元春:ミスター・アウトサイド
佐野元春:スウィート16
Paul McCartney & Linda McCartney:Uncle Albert / Admiral Halsey (mono)
Paul Simon:You Can Call Me Al
Joe Jackson:I'm Beginning to See the Light / Take the 'A' Train / Cotton Tail
佐野元春:誰かが君のドアを叩いている
佐野元春:ボヘミアン・グレイプヤード
佐野元春:レインボー・イン・マイ・ソウル
佐野元春:エイジアン・フラワーズ
佐野元春:ハッピーエンド
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■内容の一部を抜粋
・「スウィート16」20周年アニバーサリー
レコード・リリースからちょうど20周年を迎えた『sweet 16』の特集。

・ミスター・アウトサイド
・スウィート16

佐野元春 : 1曲目に聴いていただいた「ミスター・アウトサイド」。レコーディング中に激しい雷が鳴って一旦作業を中断しました。しかしなにかピンとひらめくものがあって、レコーダーを持ち出してその雷を録音しました。アルバムの最初に聴こえる雷の音はそのときに録音した音です。そして2曲目「スウィート16」。16歳というのは男の子にとって魔法の数字じゃないかと思います。いろいろなことが初めて開いてくる年齢です。バイクの免許が取れるのも16歳。当時僕もバイクによく乗ってました。それまでの行動範囲が一気に広まった、それが僕にとっての16歳でした。今夜は僕のアルバム『sweet 16』を特集しています。

・トゥイッター
「さて、Motoharu Radio Showでは今番組を聴いてくれている全国リスナーのみなさんがインターネット上で楽しくコミュニケーションできるトゥイッターという仕組みを採用しています。ここに参加したいという方は今からURLをお知らせするので是非書き取ってください。番組からトゥイッターのお知らせでした」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月8月の「3PICKS!」はポール・マッカートニー & リンダ・マッカートニー『Ram』、ポール・サイモン『Graceland 25th Anniversary Edition』、そしてジョー・ジャクソン『Duke』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。今月は今夜一回しかないのでまとめて3組のレコードを紹介。

・ポール・マッカートニー
ポール・マッカートニーの1971年に出たアルバム『Ram』のデラックス・エディション。最近ではよく限定のボックス・セットが出ている。オリジナルのレコードに加えて未発表の曲や映像、そしていろいろな特典も付いている。値段は少々張るがファンにとってはうれしいもの。このデラックス・エディションから「Uncle Albert / Admiral Halsey」。この曲は当時グラミー賞で最優秀アレンジメント賞を獲った。この曲のモノラル・ヴァージョンを聴く。

・ポール・サイモン
続いてポール・サイモン。このレコードも限定レコード。1986年に出た『Graceland』の特別編集盤。オリジナルのレコードに加えて、当時のレコーディングのドキュメンタリーも付いている。『Graceland』、このアルバムはポール・サイモンが南アフリカのミュージシャンとコラボレーションした作品。音楽は国境とか政治の枠を超えることができる。そうした音楽の力を世界レベルで紹介した素晴らしい作品。このアルバムから曲は「You Can Call Me Al」を聴く。

・ジョー・ジャクソン
続いてジョー・ジャクソン。とてもユニークにレコードを出した。アルバム・タイトルは『Duke』。ジャズ界の巨匠デューク・エリントンのトリヴュート作品。ユニークなのは曲のアレンジ。ロック、クラシック、ジャズ、いろいろなジャンルの要素をとても個性的にミックスした現代的なサウンドになっている。このアルバムから「Take The 'A' Train」を含むデューク・エリントン・メドレーの「I'm Beginning to See the Light / Take the 'A' Train / Cotton Tail」を聴く。

・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。このコーナーの協力はNHKの環境特集番組「エコチャンネル」。
http://www.nhk.or.jp/eco-channel/

今週はNPO法人「山の自然学クラブ」。日本山岳会のメンバーが中心になり1993年から自然を深く理解するための勉強会を行なってきた。山からはじまる自然保護をモットーに様々な活動をしている。

・誰かが君のドアを叩いている

佐野元春 : 「誰かが君のドアを叩いている」。この曲は当時シングルとして出しました。リリースは1992年。世相的にはバブル経済が破綻した年です。人々の心がなにか落ち着かなかった年でした。急激にものの価値基準がお金というところにシフトしたので、特に若い世代がかなり混乱した様子でした。そんなところにあったのが新興宗教のブームです。街のあちこちでいろいろなグループが宣伝活動をしていました。裸の瞳で見てみるとその景色はとても滑稽なものでした。そんな様子をポップソングにして歌ってみよう、そう思って作ったのがこの「誰かが君のドアを叩いている」という曲です。この『sweet 16』がリリースされた'90年代の前半。イギリスではストーン・ローゼス、ハッピー・マンデーズといったマンチェスター系のサウンド。そしてアメリカではニルヴァーナをはじめとするグランジ・ロックに人気がありました。1992年のヒット・アルバムといえばR.E.M. 、マニック・ストリート・プリチャーズ、ビースティー・ボーイズ、プライマル・スクリーム、ブラー、そんなレコードが注目されました。

・ボヘミアン・グレイプヤード
・レインボー・イン・マイ・ソウル

佐野元春 : 「ボヘミアン・グレイプヤード」という曲。気づいた人もいると思いますが、演奏ではバグパイプという楽器を使ってます。バグパイプといえばスコットランドの楽器。よく民謡などで使われています。僕の友人ではアルバム『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』、このときのレコーディング・プロデューサー、コリン・フェアリーがスコットランドの出身です。彼と話していておもしろかったのは日本とスコットランドは似ているところがあるね、という話です。例えば夜中に口笛を吹くと蛇が出る。こんな諺も日本とスコットランドは共通するものがあります。そういえば「蛍の光」という曲。この曲はスコットランドの民謡です。もっとよく調べてみると日本とスコットランドのおもしろいつながりが見つかるかもしれません。

・エイジアン・フラワーズ

佐野元春 : アルバム『sweet 16』から「エイジアン・フラワーズ」。ゲストにオノ・ヨーコさんと息子のショーン・レノンが参加してくれました。オノ・ヨーコさんのことで思い出す話。ライヴで同じステージに立ったときのエピソードです。ヨーコさんは日本を離れてだいぶ年月が経っていました。ですので、どこか流行言葉も時が止まってしまってるんですね。大阪のライヴのとき、観客がかなり盛り上がってる中、ヨーコさんはこう言いました。「みなさん、ハッスルしていきましょう」。大阪のお客さんは一瞬ドン引きしました。ハッスルという言葉はその時点でちょっと時代から外れていたんですね。横で僕はハラハラしながら様子を見ていたんですが、ヨーコさんがそう言ってから一瞬、ちょっと間があったものの、やがてウォーッという歓声に包まれたので、僕はやれやれと思ってホッとしたのを覚えています。その夜、ヨーコさんとショーンくんと一緒に歌った「エイジアン・フラワーズ」、素晴らしかったです。僕にとっては忘れられない場面となりました。

1992年この年僕の「約束の橋」という曲があるんですけれども、この曲がシングルで再リリースされてヒットしました。テレビ・ドラマの主題歌になったことがきっかけでした。このシングル曲「約束の橋」とアルバム『sweet 16』は1992年この年のレコード大賞最優秀アルバム賞となりました。しかしこんな賞もらったことは当時、実を言うと僕は知りませんでした。マネージメントの人がなにかの行き違いがあったと思うんですけれど、知らせてくれなかったんですね。その後、2年くらい経ってマネージメント事務所に行ったら部屋の片隅にトロフィーが置いてありました。これ何かと訊いたら、それが『sweet 16』最優秀アルバム賞のトロフィーだったんですね。若干埃をかぶっていたのが切なかったです。往々にして人生というのはそのようなものではないかと思います。

リリースと同時に行なっていたライヴ・ツアーSee Far Miles Tour Part.II。当時のバンド、ハートランドがクリエイティブのピークを迎えたときのツアーでした。バンドも観客も素晴らしくて僕も何度もステージの上で感動したのを覚えています。実を言うとその前にSee Far Miles Tour Part.Iというツアーをやってました。僕の父親が亡くなったときと重なったツアーでした。僕自身多少元気がなかったんですが、このときのオーディエンスの歓声が大きな力と勇気をくれました。そこでもらった元気を素に作ったのが今日特集している『sweet 16』というアルバムです。

・ハッピーエンド

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・次回放送
9月4日火曜日午後11時。
「しばらくのあいだお会いできませんが、みなさんお身体に気をつけて暑い夏を乗り切ってください」と元春。
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