Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

フェスティバルの裏側

2007-08-27 03:23:06 | music/festival
さて、ど緊張のオープニングライブのあとは、息つく暇もなく8pmから“Anna's Jazz Island”での“The Snake Trio”のショーにかけつける。
“Anna's Jazz Island”とは、くじらのような巨漢のオーナーAnna(アンナ)が経営しているバークレー老舗のJazzライブハウス。このアンナという人、どうやらこの業界では極めて変わったというか一癖あるお人のようで、どの人も彼女の名前を出すと「ふ~ん」とか「ああ、アンナね」というような冷めた反応が返ってくる。こんな儲からない商売を軌道に乗せて何十年も続けているところを見ると、かなりのやり手なのだろう。きっと敵も多いに違いない。

さて、この“因縁”のAnnaでのボランティアになったはいいものの、予想通りAnnaに挨拶に行くと「呼んでないわよ」といわんばかりに睨みつけられた。ここは何もせずにおとなしくしているのが最善策とみた。もちろん、ミュージシャン紹介などもってのほか。彼女は全部自分で仕切らないと気がすまないので紹介も彼女にやってもらうことにした(私にとっては渡りに船)。そのうえ本来なら12ドルのチャージがかかるライブも、ただ何もせずにただで鑑賞させてもらえたし、めでたしめでたし。

そして翌日。(8/23)
今日のお仕事はまたしてもあの“Anna's Jazz Island”。
ボランティア受付に行ってコーディネーターのおばちゃんに「昨日何もすることがなかったんですよね」と言うと、「いいのいいの。あそことはこのフェスティバル開催前にもいろいろあったみたいだし何もしないのが一番」と顔をしかめて言う。「political issue」という言葉を使ったのが何とも印象的だった。
やはりこういう町を巻き込んでのイベントとなると、主催者側とライブハウス側との利益をはさんだかけひきがいろいろあるのだろう。しかもAnnaは自分がボスでないと気がすまない人なので、JazzSchoolの女社長との間でバトルもあったと思われる。いやぁ、面白い。

ともあれ、Annaがミュージシャン紹介をしてくれるから今日も楽だと思っていたら、「今日はAnnaはオフなの」。えっ?てーことは私がやるの?
店に行って「私がミュージシャン紹介することになっているんですが」と店員に言うと、店員は顔色を変えて(本当に顔色が変わった)「えっ?それはオーナーの了解済み?」と聞いてきた。「いえ。お話していません。ここに原稿があるので何ならあなたやります?」
ここは内部の人間にふったほうが得策だ。しかし、彼女はぶるぶるっと顔をふって「今すぐオーナーに電話してくるから待って」と飛んでいった。ここは従業員まで恐怖政治が敷かれているようだ。
結局、Annaは店に来れないので今日はしかたなくボランティアに頼むということになった。これはきっとこの店始まって以来の歴史的瞬間だったと思う。(今日は寒かったのでジャケット着ていってよかったよ~)

さて、今日のショーは“Erik Jekabson and Darren Johnston (Double Bill)”というふたりの若手トランペッターだ。しかし、この(Double Bill)の意味がわからなかった私・・。ボランティコーディネーターに聞いても「知らなぁい」という。何だろう、入れ替え制か何かかなと思ってそのまま忘れていたのが悲劇の始まりだった・・

事前にミュージシャンに挨拶も済ませ、いよいよ緊張のミュージシャン紹介の時間が来た。「・・・Please welcome! Erik Jekabson and Darren Johnston!!」と原稿どおり紹介したら横でDarrenがずっこけている。そう、“Double Bill”とはいわゆる2本立てショー、つまりDarrenとErikが一部と二部を別々にやるということだったのだ。それなのに二人で競演すると思い込んでいた私は、いくら原稿どおりとはいえ二人をandでつないでいっぺんに紹介してしまったのだ。Erikはおらんっちゅーねん!

一部が終わって、Darrenにごめんなさいとお詫びを言うと「ノー・プロブレム」と言って笑ってくれた。いいやつだ。これがジョアン・ジルベルトだったらまちがいなくショーは中止になっていただろう。
二部はふたりのデュオから始まった。この紹介のときにはもちろん、「先ほどは間違ったアナウンスで混乱させてしまってすみません。」というお詫びと訂正を入れたのは言うまでもない。誰も気にしちゃぁいないようだったけど。Annaがいなくて本当によかった。ほっ。
しかしこれで、当分Annaには(客としても)行けないなぁ・・

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