Life in America ~JAPAN編

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郊外妻たちのためのシカゴ・クリスマスツアー

2014-12-24 16:44:01 | アメリカ生活雑感
あっという間に今年ももう年末モード。
この12月は全くというほど雪が降らなかった異常気象のシカゴ。30年ぶりの「雪なしの12月」だったそうだ。
去年は異常低温にスノーストームと大変な冬だっただけに、それはそれで肩透かしにあった気分。

今年はもうシカゴに出かけることもないかなと思っていた矢先、近所に住むある日本人の主婦友からこんな一言。
「シカゴに長く住んでいるのにまだ一度もシカゴのクリスマス見に行ったことない。今度ツアー組んで。いつか行きたい〜」

いやいや、まだ間に合いまっせ。
いつかなんて言わず、今年できることは今年のうちにしておかなきゃ。ということで、急きょあるツアーを企画してみた。
「郊外妻たちのためのシカゴ・クリスマスツアー」

去年、某TV局の仕事でコーディネートした内容をふまえて、半日でシカゴのクリスマスを堪能するという内容。
決行は12月22日、月曜日。
子供たちの学校もすでにお休みなので、お迎えの必要もなし。というわけで集まった4人の郊外妻たち、私のプリウス号でシカゴへと向かう。
お天気はあいにくの雨(でもこの日がサンタ電車の最後なので強行したのだが・・・)

正午。郊外を出発、約45分でシカゴダウンタウン着。
早速向かったのは、State通りにあるデパート「Macy's」。
このMacy'sは、昔は「マーシャル・フィールズ」と言う名の老舗デパートだったのだが、その後Macy'sに売却された。マーシャルフィールズはシカゴアンたちに長く親しまれていたため、いまだにこの名で呼ぶ人も多い。
さっそくMacy's7階にある「Walnut Room(ウォルナット・ルーム)」へ。
創業1907年、デパートの中にオープンした初めてのレストランで、当時から買い物客だけでなく多くのシカゴアンの癒しの場所になっている。なのに、この存在は意外と知られていないのが不思議。
ここのメニューのなかでも特に有名なのが、1890年から続く「チキン・ポットパイ」。当時ここの従業員であったMrs. Heringがお客に出して人気となり、それ以来レシピを守り続けているという母の味だ。
チキンと野菜の入ったホワイトスープをパイ皮で包んでオーブンで焼いたシンプルなもので、冬場はほっこりと体があったまり食欲もきっちりと満たしてくれるのがうれしい。



2階吹き抜けに飾られた巨大なクリスマスツリーが目を楽しませてくれる。


それにしてもこの日の混雑はすさまじかった。
1時すぎに行くと、フロアーにすでに長蛇の列。まるでディズニーランド状態。
22日といえばすでにクリスマスホリデーに入っているため家族連れも多く、買い物客ともどもごった返していて大変な騒ぎ。
なんとか列に並んでやっとのこと前に進んだと思いきや、「今並んでもらっても入れません。次にご案内できるのは6時半から7時の間になります」と店員に冷たく言い放され呆然。
じゃ、何かい?私たちも含めてこのず~~~っと後ろまで並んでいる人たちはここにたどり着くまでそんなことも知らずにただ時間を浪費したことになるのかい?
いかにも、こういうホスピタリティーのなさがアメリカらしい。日本なら「ここからうしろはこの時間にはお食事ができません」と並んでいる人に説明に来るのが当たり前。
でも、そんな「当たり前」はここにはない。長く住んでいると、こんなことに腹を立てる気もしない。
それどころか、私にはもう一つの秘密の鉄則がある。


アメリカでは一人の言ったことを絶対信じるな
である。
まったく無責任なウソを平気で言うやつのいかに多いことか。そもそも、自分には関係ないもんねー、という基本姿勢なのだから。
そこで、再度違う店員をつかまえて「6時半まで入れないって聞いたけれど本当なの?」と問いただしてみたところ、
「Barなら(未成年がいなければ)待てば入れますよ」という返事。
ほらね?
すぐにBarに走りいかにも責任者ぽいオネエさんに「大人4人、Barで食事したいからよろしく!」と告げてすぐに名前をリストに入れてもらった。自ら動いた人間のみが目的を達成できる仕組みなのよね、アメリカってとこは。



ようやくありついた噂のチキンポットパイ($12)。味は・・・「別に普通だよね」で意見が一致。
しかも、“作りだめ”しておいてチンしたのが丸わかり

ここでかなり時間をロスしたため、Macy'sを出たのは3時半ごろ。
雨もちょっと本降りになってきて外はもう薄暗くなっていた。

次に立ち寄ったのは、ミレニアムパークのミシガン通りを挟んで向いにある「シカゴ・カルチュラルセンター」。
1897年に町の最初の図書館としてオープンした、シカゴの歴史的建造物のひとつ。
現在は旅行客のためのビジターセンターを含む多目的なホール&文化施設として使われており、無料で様々なプログラムが楽しめる。
インターネットも接続放題で、ちょっと歩き疲れて休憩をとりたいときにボーっとするには最適な穴場的場所だ。
ここの3階の「Preston Bradley Hall」にあるティファニー製ドームは3万のガラス片からできており、直径11.5mと世界最大。




そのまま「シカゴ美術館」へとミシガン沿いを歩き、あの狛犬ならぬ「狛獅子」前で記念撮影。
このライオンはシカゴのトレードマークともなっていて、季節ごとに装いを替えて旅行客の目を楽しませてくれる人気者。
今の季節はホリデーバージョン。




このあたりから雨がひどくなり、やむなくぶらぶら歩きを断念してタクシーで「トランプタワー&ホテルへ」。
このタワーのエレベータのうちの一基が、このシーズンは本物のジンジャー・ブレッドで覆われる「ジンジャーブレッド・エレベーター」になるのだ。
これも実は、あまり誰にも知られていないシカゴ名物。
なんでもっと宣伝しないのかが不思議。(居住者に気を遣っているのかも)



中はこんな感じ。全て本物でできていて甘い匂いが・・・



セルフィー棒を使ってクリスマスツリーと一緒に記念撮影。うまく使えずにすったもんだ大盛り上がりの巻。


トランプのあとはまたステート通りに戻り、再び「Macy's」の有名なホリデー・ショウウィンドウちら見しつつ、いよいよ本日のメインイベント「サンタトレイン」へいざ!
このサンタトレインというのは、シカゴの地下鉄会社のホリデー企画で、電車の車輛にサンタさんが乗った車両を連結して走る電車。毎日違う路線でしかも一日に数本だけ走るので、見かけた人は超ラッキー。
そこで、前々からネットでこの日サンタ電車が出現する場所と時刻を念入りに調べあげておいた。
計画は、この日のルート“Red Line”のLake駅でサンタ電車を待ち受け、ここから乗車して北上、バーモント駅までいったところで再びループに引き返すというもの。
Red Lineはダウンタウン内では地下を走るルートだが、北上するにつれて地上に出る。この時にホームからシカゴのダウンタウンの夜景をバックにサンタと写真を撮るのが私のたてた完璧な作戦だった。

しか~し。である。
ラッシュアワーでごった返すLake駅で待つこと10分、このサンタ電車が待てど暮らせど来ない。
「あと5分」と掲示板に出るのに、その後は「63rd駅でドアの故障が見つかり到着が遅れています」のサインが出るだけ。
仕方なくカメラをいじっていると、Eちゃんが「あっ」と小さな叫び声をあげた。

「あれじゃない~??」

見ると、何の前触れもなしにキラキラ光る物体がこっちに向かって走ってくるじゃあーりませんか。
それは紛れもないサンタ電車。
すごい勢いでホームになだれ込んだかと思うと、たった2両編成のその光る物体はそのまま駅を通過。


え?な・何?

一瞬目の前で起こったことが理解できずに戸惑う人たち。
ホームでカメラを構えていた、いかにもサンタ電車目当てだった親子連れも「今のがサンタ電車だったよね。でも行っちゃった」と呆然としている。
その後係員に事情を聞こうにも、日本と違ってホームに当てになる人が誰もいない。
またかよ、アメリカ!
この一瞬のために私たちは郊外からわざわざやってきたといふのか??
そんでもって、払わなくてもいいFeeを払ったと?(もちろん返金されるはずもなし)
しばらくなすすべもなくホームにたたずんでいたものの、もう戻ってくる気配もない。
サンタ電車がだめならサンタバスだ!と、予定はしていなかった「サンタバス」を捕まえる作戦に変更。スケジュールによると、最終のサンタバスがネイビーピアから6:30pmに出発し、ユニオンステーション方面に向かうらしい。
そこで私たちは雨の中、ミシガン通りでこのバスの到着を待つことに。
待つこと約15分、“124番”のバスがやってきた。

めっちゃ普通のバスやん・・・!

嫌な予感は的中した。
バスドライバーに「サンタバスはどうなったの?」と聞いても、「知らなーい」との返事。
バス会社に問い合わせたけれど、「サンタ?What?何のことだかさっぱり」と話にならん。

シカゴ市よ。CTAよ。
冬のシカゴを売り込みたい気持ちも痛いほどわかる。
ホリデーイベントを考えるのもいい。
それなら、ちゃんと予定通りに事を実行しろー!
そして全ての従業員と情報を共有しとけー。
ったく、全てにおいて仕事が甘い!


これが「来るはずだった」サンタバス 

サンタに立て続けにふられた私たちは、かなり凹みつつもこの日最後のアトラクションへ。
やってきたのは1996年から始まった本場ドイツのクリスマス市「クリストキンドル・マーケット」。
シカゴに住んでいながら意外と行ったことのない人が多いイベントの代表格ともいえる。(今年からOak Brookでも開催されている)
先週来たときは温暖だったこともあって激混みだったけれど、この日はあいにくの雨とあってさすがに人も少な目。



一番楽しみにしてたのが、あの名物「ホットワイン」。と・こ・ろ・が~
なんと、お目当てのワインマグがすでに品切れ状態だといふではないか!
聞けば、すでに先週の水曜日でout of stockになったとのこと。
まだ開催期間1週間を残して何とお粗末なんでしょう・・・と空いた口がふさがらぬ。
すっかりワインそのものまで飲む気を喪失し、失意のうちに雨のデイリープラザをとぼとぼと後にする。
なんて日だ


サンタ電車にもバスにもふられ、やけくそでサンタとだけは写真を撮った(笑)

★★

午後7時半すぎ、今日予定していたプログラムはすべて終了♪


 


最後はダウンタウンのドイツレストラン「Berghoff」で温まりつつ、楽しい食事★


楽しみにしていたものに次々とふられっぱなしの悲しい企画になってしまって、なんだか申し訳ない気持ち。
これをふまえて、来年はもっと楽しいツアーを企画します。

今日のLesson
1)クリスマス直前は避けて、学校が休みに入ったすぐあたりを狙う。
2)サンタトレインはBlue, Brown, Greenを狙う。
3)天気予報を信じる(笑)


またみんなで行こうね!
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