Life in America ~JAPAN編

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シカゴを売り込め~“IPW” in Chicago~その1

2014-04-16 15:38:01 | アメリカ生活雑感
アメリカ国内の都市で年に一度開催される米旅行業界最大のコンベンション「IPW」。
開催都市は毎年持ち回りと決まっていて、2014年はここシカゴでの開催だった。
シカゴがホスト都市になるのは15年ぶりとあって、開催1年前からシカゴ市・イリノイ州はシカゴを国内外に売り込もうともうバリバリに気合が入っていてその入れ込みようはすごかった。
エマニュエル市長もかねてより観光事業の拡大推進路線に積極的で、学校を建てる予算を大型ホテル建設に回して市民の大ブーイングを浴びているほどだ。
それほど観光事業というものは大きな収入を見込めるおいしい事業らしい。

私は、いわゆる「シカゴ在住の日本語情報メディア」として特別に推薦をいただき、このIPWに日本の代表団の一員として参加させていただいた。
はっきりいって、始まるまでこの「IPW」がどういうものなのかさっぱり知らなかった。
そもそも“IPW”とは?「インターナショナル・パウ・ワウ」の略。
パウ・ワウとはネイティブインディアンの用語で、その昔、インディアン部族が大切な決定を行うときに酋長らが集まって行った会議に由来しているという。
なるほど。

今回の参加者は70か国以上の国々、6200名ほどの旅行業界に携わる人たちで、日本からは94人の代表団が参加した。
これには、①ツアー会社(JTBや近ツリなど)、②旅行出版会社(「地球の歩き方」のダイヤモンドビッグ社、「るるぶ」のJTB出版など)、③プレス(フリーランスのトラベルライター、トラベルジャーナルなどの媒体)が含まれているわけだが、私はこの中では③に属する。
日本にいてもこれだけ一度にこの業界の人お会いすることはないので、そういう意味でも「旅行業界」というものを知るにはいい機会でありとても興味深かった。

さて、それでもまだ「IPW」の中での自分の立ち位置がわからぬまま、ひとまず日本代表団の宿泊先であるシカゴのマリオットにチェックインし、シカゴでの5日間が始まった。

 
ここが私たちプレスだけが利用できるプレスルーム
毎日のニュースを打電したり、ここで一息ついたり


4月5日(土曜日)

月曜日からの本格的な開催に先立って、この週末はシカゴ市観光局がコンベンション参加者向けに様々な市内バスツアーを組んでいた。
私はその中から、知っているようで知らないシカゴの近郊の町を巡るツアー“Neighborhood Explorations: Wicker Park, Humboldt Park, Ukrainian Village, Logan Square & Lincoln Park”に参加してみた。
シカゴはアメリカでも最も多国籍の移民で成り立ってい民族の坩堝だ。これらの移民たちが築いた「村」を巡るツアーである。





最初に訪れたのは、19世紀後半にウクライナからの移民によって築かれた「ウクライナ村」
シカゴダウンタウンから北西、Western通り、Damen通り、Division通り、Chicago通りに囲まれた地域。もともとはドイツからの移民が定住した場所だったのだが、その後ウクライナの教会区(Parish)がいくつか建てられたことでウクライナ村になったそうだ。
教会はもちろん、ウクライナの銀行、学校、博物館、レストランやビジネスがこの地区に集中している。
“摩天楼の父”“モダニズムの父”と言われたアメリカ人建築家、ルイス・サリバンが手がけた数少ない教会のひとつ「Holy Trinity Orthodox Cathedral(至聖三者大聖堂)」(1903年建立)もこのウクライナ村にある。
ちなみに、この大聖堂は1976年にアメリカ合衆国国家歴史登録財 、1979年にはシカゴの歴史的建造物に指定されている 。


ウクライナ近代美術研究所

 
ウクライナ出身のアーティストなどの作品が展示されている。


ウクライナ村を少し北上すると、「ウィッカー・パーク地区」。
長く連なるビクトリアン様式のアパートや、歴史的な教会が建ち並ぶシカゴ近郊でも人気の居住区で、昨今では若者に人気のクラブやバー、ライブハウスやレストランなどで夜は相当なにぎわいを見せる。
そういえばこのあたりは夜にしか訪れたことがなかったので、昼間の静かな町を見たのはとても新鮮だった。




ここから少し西、ノース・サクラメント通り沿いにある「Humboldt(フンボルト)公園」のあたりが、「プエルトリコ地区」。
プエルトリカン・レストランやショップも多い。また、1896年に建てられた「Institute of Puerto Rican Arts & Culture(インスティテュート・オブ・プエルト・リカン・アーツ & カルチャー)」では、プエルトリコ出身アーティストの作品展示のほか、さまざまな音楽イベントなどを開催しており住民憩いの場となっている。
このフンボルト公園あたりは“ブルーバード”と呼ばれる、車道が広々とした緑の植え込み部分に挟まれた作りになっていて、目に優しくとても気持ちいい。
犬の散歩をしている人たちも多く、今度GOROを連れて3人で出かけてみたい場所だ。





フンボルト公園を北に突っ切ったところが、緑に囲まれた「ローガン・スクエア」。
グルメやコーヒーショップ、名だたるシェフが腕を振るう有名レストランやカクテルラウンジなどがひしめく。

そして最後は、ダウンタウン北部、観光客にも人気の高いおしゃれでハイソな「リンカーン・パーク地区」。
有名なレストランやブティック、映画館や劇場などが多い繁華街だ。
このリーンカーン・パーク(公園)のど真ん中にあるのが、「リンカーンパーク動物園」
この動物園、街の真ん中にあることに加えて、年中無休でしかも無料というのが特長だ。また、子供たちが動物にエサやりをしたり、直接触れたりすることもできる。とにかく一日中無料で遊べるのだ。
クリスマスには、園内一面がライトアップされる(ズー・ライト)ことでも有名で、シカゴの家族にとては大切な憩いの場所のひとつ。




 
久しぶりに動物を生で見たけれど、やっぱり動物園っていいな。


今日のツアー、わずか5時間足らずの駆け足ツアーで、バスの中から説明を聞きながら回っただけの場所もあったのが残念だが、今までゆっくりと足を運んだこともなかった近郊の町の概要を知ることができて本当に良かったと思う。
次回はひとりで時間をかけて回ってみよう。

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