Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

最近見た映画・備忘録。

2007-07-02 06:19:08 | movie
『Rashomon (羅生門)』
なぜだか何年かぶりに突然見たくなって借りてきた。黒澤映画の真骨頂。カメラワークの斬新さ、映像の美しさ、せりふの妙に何度見ても感動する。それでもって人間は今も昔もエゴから逃れられない生き物だと思い知らされる。
映画好きのPちゃんは不思議なことにクロサワを知らない。なのに“ミフネ”はよく知っている。ヨーロッパ人が日本人の真似をするとき決まってみんなミフネのようにしゃべるのは、この影響?

『Twelve Angry Men (12人の怒れる男たち)』
あるの少年の父親殺しの容疑をめぐる12人の陪審員たちの数時間の攻防。11人が「有罪」と決めつけるなかたった一人の男が「無罪」を主張する。次第に有罪を主張した陪審員たちの内面が明らかになっていく・・。2時間以上の映像のほとんどはたったひとつの部屋の中だというのに、ちっとも飽きさせない。いいスクリプトと息を呑む俳優の名演。これぞ本当のいいクラッシク映画。

『Black And White in Color』
20世紀初頭、ヨーロッパの国々の殖民地政策がとられていたアフリカ、アイボリーコーストが舞台。平和で穏やかだったこの地にいきなり本土での戦争(第一次大戦)のニュースが入り、人々は急に“戦争”の支度を始めるのだが・・。突然芽生えた愛国心に行動が追いつかずにおマヌケにあたふたする白人たち。大まじめなのにどこかコミカルな物語。1976年のアカデミー外国フィルム賞受賞作品。

『In America』
アイルランドから夢を求めてNYにやってきたジョニーとサラ、そして幼い姉妹の4人家族。実は彼らにはもう一人、幼くして失った息子がおりふたりはその傷からまだ立ち直れないでいた。ハーレムでの貧しい生活の中、同じアパートに住む謎めいた黒人アーティスト、マテオとの出会いが、一家に思いがけない奇跡をもたらすことになる。いい映画。ほろりときました。

『The Pursuit of Happiness』(邦題:幸せのちから←変な邦題つけるな!とツッコミ)


実話を元に描かれた作品。売れないサラリーマン、クリス(ウィル・スミス)は妻とともにへとへとに働いてもその日の家計を支えるのがやっとだった。ついに貧しさに耐えかね、妻は彼のもとを去っていく。残された5歳になる息子クリストファーだけがクリスのすべてだった。無一文にまでおちぶれ、アパートも追い出されたふたりはついにはホームレスシェルターで寝泊りをするようになる。しかし、彼は決して幸せになることをあきらめなかった。クリスは最後の夢をかけて半年間無給の証券売買人のインターンシップコースを受ける。そして・・。
サンフランシスコの美しい街並み(1982年に設定)や、実際にある教会やシェルターなどの映像が美しい。何といってもウィルの演技が秀逸、そして彼の実の息子(ジェイデン・スミス)が演じるクリストファーの、父親を信じ続けるけなげな姿にぐっとくる。
イタリア人のガブリエル・ムッチーノ監督が、大仰なエンディングになりがちなアメリカンドリームストーリーを抑え気味に表現。見る側を静かに感動させてくれる。(こういうの、アメリカ人監督は撮れないんだよなぁ。)サンフランシスコを知る人も知らない人にも、オススメの作品。

『Shift』
友達のリョウコちゃんから貸してもらったインディーズのショートフィルム。何でも彼女のご主人の同僚の息子さんが卒業作品として撮ったものらしいが、数々の賞を受賞しSFのインターナショナル・フィルムフェスティバルでも上映されたというからもう立派なプロ作品。
NYのアートカレッジで演劇を勉強するお坊っちゃんが、自分のプロモーション写真を撮影する費用を稼ぐために、ある証券会社のメール整理係で真夜中シフトのアルバイトを始める。そこで彼は、ちょっと変わった同僚たち(中国人、メキシコ人、黒人・・)がみな、昼間フルタイムの仕事をしていてほとんど寝ずに働いていることを知る。初めて実感するアメリカの貧富の構図。少しずつ彼の世界観が変わっていく・・。
わずか1時間あまりのショートフィルムだが、テーマが明確で力強い。いい作品だった。

Comments (2)
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