shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Physical Graffiti / Led Zeppelin

2018-07-22 | Led Zeppelin
 レッド・ゼッペリンは「Ⅳ」で“ブルース・ベースのハードロック” を極め、「館」以降はシンプルなリフの繰り返しによって巨大なグルーヴを生み出していくというザ・ワン・アンド・オンリーなスタイルの “レッド・ゼッペリン・ミュージック” を創出していったと私は考えているのだが、そんな「館」以降のいわゆる “後期ゼップ” アルバムの中で断トツに好きなのがこの「フィジカル・グラフィティ」だ。特にディスク1の方は捨て曲埋め草の類が皆無で、楽曲のクオリティーの高さに限って言えば彼らの全アルバム中でベストな1枚ではないかと思っている。
 そんな“超”のつく愛聴盤なので第1次ゼップ・オリジナル盤祭りの時は率先して UK盤を購入したのだが、送られてきた盤に針を落とした瞬間に“何じゃいコレは...” と呆れるくらい音が薄っぺらくて “思うてたんと違う...(>_<)” とめちゃくちゃガッカリした。
 慌てて調べてみると私が買ったのはセンター・レーベルのリム右上部に Wマーク有りのレイター・プレスで、マトリクスを調べると初回盤どころか 2ndプレス(←Wマーク無しでマト枝番は A1/B5/C1/D1)ですらないことが判明...(>_<) まぁゼップの 1stプレス盤の識別法なんか全く知らずにセラーの言葉を鵜呑みにして入札していた私がアホだったのだが、そんなクソしょーもないブツに£16も出してしまったことを猛省し、それ以降はビートルズ以外のアーティストも十分な下調べをしてから買うようになった。尚、このレコードは自分への戒めとして今でも大事に持っている(←もう二度と聴くことはないけど...)。
 結局「フィジカル・グラフィティ」の UK盤を獲り直すことになり、今度はちゃーんと調べて Wマーク無しでマト枝番 A1/B4/C1/D1の真正 1stプレス盤を£24でゲット。届いた盤に針を落とすといきなりA①「カスタード・パイ」のイントロでバリバリと空間を切り裂くペイジの乾いたギターが炸裂!!! ボンゾのドラミングも大袈裟ではなく驚天動地と言っても過言ではない凄まじさで、これぞへヴィー・ロックの王者ゼップ!と快哉を叫びたくなるようなド迫力サウンドだ(≧▽≦)  竹を割ったようなソリッドなリフが心地良いB①「ハウズィズ・オブ・ザ・ホリー」(←「館」セッションからの拾遺作品やけど、この単純明快なロック感覚はどう考えても「館」には合わんわな...)、そしてファンキーなリフがカッコイイB②「トランプルド・アンダーフット」と続く畳み掛けるようなリフ攻撃は一度ハマると抜け出せない中毒性を持っているし、A③「イン・マイ・タイム・オブ・ダイング」やB③「カシミール」のうねるような巨大なグルーヴに身を任せる快感は筆舌に尽くし難い。
 いつもディスク1だけでお腹一杯になってしまうのとディスク1に比べて地味めな曲が多いせいでディスク2はあまり聴かないのだが、緊張感漲る演奏にゾクゾクさせられるD②「ザ・ワントン・ソング」と古き良きロックンロールをジャムる楽しさが伝わってくるD③「ブギー・ウィズ・ステュ」(←リッチー・ヴァレンスの隠れ名曲「ウー・マイ・ヘッド」のパクリ)は超愛聴曲で、いつもこの2曲だけを続けてつまみ聴きしてしまう。特にD③におけるドラム・サウンドのキレ味は CDとは雲泥の差で、50'sロックンロール大好き人間のボンゾ(←彼らの名曲「ロックンロール」も元はと言えばジャムってる時にボンゾが叩いた「グッド・ゴリー・ミス・モリー」と「キープ・ア・ノッキン」のイントロがきっかけで出来た曲やし...)の張り切りようがビンビン伝わってくる、躍動感あふれるサウンドだ。
 そんなこんなで「フィジカル・グラフィティ」に関しては RLカッティングの US盤「Ⅱ」を彷彿とさせる UK 1stプレスの爆音で十分満足していたのだが、今回の“第2次ゼップ祭り”で US盤の音も聴いてみたくなり、色々調べてみたところ、マト末尾のアルファベット(←「フィジカル...」の初回盤を謳っている盤は大体 B~Fまでが多い...)とカッティング・エンジニア、更にプレス工場の組み合わせのヴァリエーションが何種類も存在し、とてもじゃないがどれを買ったらいいのかよく分からない(>_<)
 そこでアナログ盤の音質比較でいつも参考にさせてもらっている「スティーヴ・ホフマン・フォーラム」を調べてみると、“Best sounding Led Zeppelin Physical Graffiti on vinyl?” というテーマでコレクターたちが喧々諤々の議論を展開しており、その中で一番良さそうだったのが “Side-1: BB △19707 (5) AT PR Side-2: DD-EX A.T. F.T. △19707-X (14) PR Side-3: DD-EX AT △19708 (15) PR F.T. Side-4: CC-EX ST-7 △19708-X (15) PR” というマトリクスの MOプレス盤。早速 eBayや Discogsで目ぼしいセラーに片っ端からメールしてみたのだがこのマトはかなりレアらしく中々見つからない。
 そんな時にたまたま「Ⅱ」の RLカッティング盤を落札したセラーがこのレコードも同時に出しているのを見つけ、センター・レーベル面にプレス工場を示すアルファベット表記がないという摩訶不思議盤ながら(←コレって何故なん???)試聴した限りは音も良さそうだったし、$26という安値でしかも送料も浮くしということで(←2枚組の送料ってめっちゃ高くて困りますな...)とりあえずそいつを購入。届いた盤はマト末尾のアルファベットが D/D/D/D で、さすがに音の押し出し感では UK 1stプレス盤に敵わないものの、普段聴きする分には必要十分な高音質。MOプレス盤を入手するまでの繋ぎとしてはこれで十分だ。
 その後もお目当ての MOプレス盤は中々オークションに出てこなかったのだが、ある時ふと思いついてディスクユニオンの通販サイトで検索をかけてみたところ、USオリジナル盤4件がヒット。すぐに各店舗にメールして確認したところ、何と横浜西口店の盤が私の探している MOプレス盤だったので即購入決定。VG+ で4,500円というリーズナブルなお値段で買うことができてラッキーだった。アメリカのセラーから買うと$30近くかかる送料が国内通販だとたったの500円ですむというのも嬉しい。
 音の方は口コミ通りの凄い音で、音圧に限って言えば UK 1stプレスとタメを張れるのではないか。全体的な音のバランスを含めた総合点では UK盤に一日の長があるが、聴いててオモロイのは MOプレスの方で、特にドラム好きにはたまらない音作りだ。中でもA①で炸裂するボンゾのバスドラのド迫力にはビックリ(゜o゜) ドラムの皮が破れるんちゃうかと思うぐらい “ドスン!” という強烈なキックがアルテックの巨大ウーファーを震わせるこの1曲だけで十分元が取れたと思わせてくれるダイナミックなサウンドだ。とにかくラウドでパンチのある豪快な音が聴ければもうそれだけで大満足、という人にはコスパ抜群の MOプレス盤がオススメです(^.^)
 ということで US盤に関してはしばらくはこの MOプレス盤と無印盤の2枚体制でいこうと思うが、いずれそのうち PRプレスの初期盤を手に入れて MOプレス盤との聴き比べとかもやってみたいし、機会があれば USプロモ盤の音も聴いてみたいと思う。プレス国や工場によって音の違いを色々楽しめるので、「フィジカル・グラフィティ」みたいな超愛聴盤のレコードは何枚あってもエエですな(^.^)
Led Zeppelin "Custard Pie" from Physical Graffiti LP UK edition

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