shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Wings Over America」マト・オール -1U のUK盤ゲット

2019-02-17 | Paul McCartney
 「Wings Over America」の US盤を買った話はこの前書いたが、家に帰って手持ちの UK盤を引っ張り出してきて両者の音を聴き比べたりジャケットの細かいデザインを比較したりしていた時に、ふと “俺の UK盤「オーバー・アメリカ」ってマトはどーなってたっけ?” と思ってチェックしてみると、“1U/2U/3U/2U/1U/1U” だった。
 私はビートルズ及び各メンバーのソロのレコードは可能な限りマト番の若い盤を買うことにしており、このレコードに関しては購入当時に参考にしていた「Beatles' Vinyl Made in UK」というガイド本(←監修は和久井光司氏)に “初版のマトリクス・ナンバー末尾は全面とも「-1」だが、それはサンプル盤のみという説もある。” と書いてあったのでサンプル盤を探してみたが全然見つからず、仕方なく盤質の良いアーリー・プレス盤を買ってお茶を濁したまま、気が付けば10年以上の年月が過ぎ去っていたのだ。
 現在持っている盤はコンディションが良いのでそれなりの良い音で鳴ってくれてはいるが、こーなってくると “ひょっとするとマト・オール1盤やったらもっと生々しい音が聴けるんちゃうやろか?” とついつい考えてしまうのがコレクターの哀しい性というもの。というワケで今回のUS盤祭りが引き金になり、再びUK 1stプレスのマト・オール1盤を探してやろうと思い立った。
 そういえば B-SELS で US盤を買った時、店頭在庫に “2U/1U/1U/1U/1U/1U” (←惜しい!!!)というマトでスタンパーもめっちゃ若い UK盤があったので、“まずコイツを買ってディスク2を差し替え、更にディスク1が “1U/1U” の盤をどこぞから探してきて再度差し替える...” という2段階作戦も考えたのだが、生来面倒くさがり屋の私は “どーせならオール 1U盤を探して1発で解決したろ...” と考え、早速 Discogs と eBay で検索してみたところ、1Uの含有率(?)は20~30%ほどでマトは 2Uや 3Uのものが多く、中には 4Uなんて盤も珍しくない。特にディスク1(YEX963/964)の 1U/1U盤はめちゃくちゃレアらしく1枚も出ていない。
 “やっぱり滅多に出てけぇへんサンプル盤を気長に待つしかないか...” と半ば諦めながらもダメ元で eBayのローカル・サイトをチェックしたところ、何と eBay UKでマト末尾がオール 1Uの盤を発見! ジャケットは VGでスパインが少し傷んではいるものの、盤質は EX- なので問題ない。念のために “ホンマにマトが全部 1Uやったら買うからもう一回確認してくれへんか?” というメッセージをセラーに送ったところ、“I can confirm the matrix numbers are correct.(マト番確認したよ。)” という返事が返ってきたので即落札。結局送料込みで£25、日本円にすると約3,500円(←イギリスの EU離脱騒動のおかげでこの時は£1=138円だった...)ぽっきりで買うことができた。
 届いた盤を確認するとサンプル盤のステッカーは貼ってなかったので、バラで買って組み合わせたという可能性はあるものの、和久井氏の言う “マト末尾全面「-1」はサンプル盤のみ” という説は怪しくなってくるが、果たして真相は如何に...? で、気になる音質を確認するために、まず一番差が大きいであろうC面(1U vs 3U)で手持ちの盤と聴き比べてみることにした。
 早速両方の盤を取り出してみたところ、一目でデッドワックス部分の幅が違うことに気が付いた。“え~ 何で???” と思って計ってみると、1U盤が 1.5cmなのに対し 3U盤は 2.3cmもあるのだ。理論的にはデッドワックスの幅が狭い方が情報量が多いので音が良いことになるが、そういった要素も含めて興味津々である。
 実際に盤に針を落として聴いてみたところ、手持ちの UK盤はもちろんのこと、この前取り上げた LAプレスの US盤やリマスターCD、それにハイレゾ音源も含めてこれまで聴いてきたありとあらゆる「オーバー・アメリカ」とは明らかに違うごっつい音がスピーカーから飛び出してきてビックリ(゜o゜)  私が「オーバー・アメリカ」に対して抱いている音のイメージは “音が遠い” というネガティヴなものだったが、このリアル 1stプレス盤はとにかく音圧が高くてめっちゃ音が近い。例えば A②「レット・ミー・ロール・イット」のリッケン・ベースの音なんてもう凄味を感じるぐらいの重低音で、ズシリ、ズシリとまるで軍隊の行進のようなのだ。これではまるで “ラウドカット” ではないか! しかし私の知る限り、「オーバー・アメリカ」にラウドカット盤が存在するなんて話は聞いたことがない。不安に思った私は B-SELS にこの盤を持ち込んで確かな耳を持つ店主のSさん(←やっぱり楽器を弾く人は耳が違います...)と一緒に検証することにした。 (つづく)

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