shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

80年代アン・ルイスの傑作シングル盤特集

2014-08-01 | 昭和歌謡・シングル盤
 暑くて暑くて脳みそが溶けそうな今日この頃、みなさんいかがお過ごしですか? 私は暑いのが超苦手なのでこの2週間ほどテンション下がりまくりでグッタリしている(;´Д`)ノ “暑い時は熱い食べ物を” というワケではないが、こんな時はノリの良い曲を大音量でガンガン聴いて元気を出すのが私流だ。ということで今日は暑苦しい歌謡ロック(笑)の極めつけ、アン・ルイスの傑作シングル4連発だ。

①ラ・セゾン
 アン・ルイスといえば「リンダ」や「チーク」の甘ったるいヴォーカルというイメージが強かったので、この産休明け復帰シングル「ラ・セゾン」を聴いた時はホンマにビックリした(゜o゜)  めちゃくちゃカッコイイ歌謡ロックではないか! 音楽活動再開にあたって何かインパクトのあるシングルを作ろうということで、アンの親友である三浦百恵さんに作詞を、当時ド派手路線まっしぐらだったジュリーに作曲を依頼(←アンは常日頃から “女ジュリーになりたい” と公言していた...)、ある意味これ以上は考えられない超豪華な組み合わせが実現したのだ。かなり後になって知ったが、歌詞に出てくるフランス語のフレーズ “ラ・セゾン・ダムール” とは “愛の季節”、つまり“発情期”という意味らしい。阿木さんに鍛えられただけあって百恵さんもキワドイ歌詞を書くなぁ... “ひと夜ひと世の波に呑まれ溺れる~♪” の語呂合わせフレーズも秀逸だ(^o^)丿 伊藤銀次によるストレートアヘッドなアレンジで水を得た魚のようにロックするアンのヴォーカルも素晴らしい。ジャケットに写るアンは髪を金色に染め、さながらJAPANのデビッド・シルビアンを想わせるニューロマンティックなイメージだ。尚、このシングルは初版のみハードカヴァー・ジャケットで、盤もアダプターの要らない非ドーナツ・タイプになっている。
La Saison - Ann Lewis


②六本木心中
 “歌謡曲とロックの融合” を旗印に「ラ・セゾン」から始まったアン姐さんの歌謡ロック路線の完成形といえる極めつけのナンバーがこの「六本木心中」だ。湯川れい子が作詞し、矢沢永吉のバックを務めたこともあるnobodyの二人が作曲したこの曲は、ゼップやクリームを聴いて育った彼女がアッパーなハードロック・サウンドに乗せて哀愁舞い散る昭和歌謡メロディーを歌うという、まさに80's版「涙の太陽」といえる逸品に仕上がっている。この曲はシングル・リリース後しばらくして更に派手なリミックスを施したヴァージョン(←イントロで姐さんの“ワン、トゥー、スリー、フォー!というカウントが入ってるヤツ...)のグラサン・ジャケット盤にに差し替えられているので、両者の違いを聴き比べて楽しむのも一興だろう。
 それとアホな話で恐縮だが、私はこれまで女性から “まつ毛が長いですねー” って言われたことが何度もあって、そのたびにこの曲の歌詞 “長いまつ毛がヒワイね、あなた~♪” というフレーズを思い出し、どう反応していいのか分からず困ったものだった。女性の目から見ると長いまつ毛ってやっぱりヒワイなんでしょーか???
 ここに貼り付けたのは86年にアンがTV出演した時のもので、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった中森明菜とのコラボが見れるという超お宝映像だ。気合い十分で伸びやかなヴォーカルを聴かせる明菜(←“だけど心なんてぇ♪” の語尾の跳ね上げ方なんかとてもアイドルとは思えないカッコ良さ...)圧倒的な声量で貫録を示すアン、予想に反して(←失礼!)ロックを見事に歌いこなす研ナオコと、まさに三者三様のパフォーマンスが楽しめて言うことナシ。バックバンドの演奏もノリノリやし、コレは何度見ても痺れますわ(≧▽≦)
中森明菜 「六本木心中」 アン・ルイス  1986)2


③あゝ無情
 湯川れい子&NOBODYのコンビで「六本木心中」の2匹目のドジョウを狙った「ピンクダイヤモンド」はヘヴィーすぎてシングル曲向きではなかったためヒットしなかったが、それに続く「あゝ無情」は「ラ・セゾン」や「六本木心中」の流れを汲むキャッチーなマイナー調メロディーとビート感溢れるダイナミックなギター・サウンドが見事に融合した歌謡ロックの傑作に仕上がっており、“やっぱりアン・ルイスはイケイケのアッパー・チューンに限るわ!” という感じ。手拍子のタイミングも絶妙で、カラオケなんかで盛り上がるにはピッタリの1曲だと思う。
アン・ルイス - あゝ無情-STUDIO LIVE 1986


④天使よ故郷を見よ
 「あゝ無情」の次のシングル「天使よ故郷を見よ」はヘビメタバンド、アースシェイカーのヴォーカル西田昌史が書いたキャッチーなナンバーで、銀座ジュエリーマキ(カメリアダイヤモンド)のCMソングとしてTVでガンガン流れていたこともあってサビのメロディーだけは知っているという人も少なくないだろう。名フレーズ “Don't let me be misunderstood~♪” の挿入の仕方も実に巧い。前の「あゝ無情」もそうだったがこの頃のシングル盤のジャケットには堂々とバーコードが印刷されており、全体のデザインを台無しにしているのがすごく嫌だ。
アン・ルイス 天使よ故郷を見よ


【おまけ】アン・ルイスの動画を探していて「イミテイション・ゴールド」のオリジvsカヴァー聴き比べを発見! 改めてその偉大さを痛感させられる百恵ヴァージョン、ゴリゴリにロックするカッコ良さ満点のアンルイス・ヴァージョン、意表を突くアレンジで聴かせるスインギーな宇崎竜童ヴァージョンの中で、公開処刑にも等しい恥辱に耐えている倉木麻衣ヴァージョンが私は不憫でなりません...
イミテーションゴールド

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2 コメント

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歌謡ロック (みながわ)
2014-08-02 07:46:03
shiotchさんどうも。
アンルイスの歌謡ロックもいいですね。

中森明菜も含む80年代半ばまでが昔良く音楽を聴いていた最後の時代でした。

「ラ・セゾン」と「六本木心中」はよく覚えています。
「あゝ無情」と「天使よ故郷を見よ」はあまり記憶がなかったのですが改めて聴くといいですね。

アンルイスのアルバムをとりあえず1枚(2枚組も可)聴くとしたら勧めはありますが。
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やっぱりアンはロックが最高! (shiotch7)
2014-08-03 01:32:02
みながわさん、こんばんは。
アン・ルイスの歌謡ロックは最高です。
何種類か出るベスト盤の中では「Womanism Complete Best」が選曲も音も良いと思います。
でも一番よく聴くのは2005年に出た「REBIRTH」っていうセルフ・カヴァー盤で
オリジナルをも凌駕するハードなサウンドで彼女のヒット曲が楽しめます。
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