先週アマゾンからCDが届いて以来すっかりヘビロテ状態のこの「音壁Japan」、音壁フリークのプロデューサー達が腕の見せ所とばかりに細部に至るまで “スペクター愛” に溢れるアレンジを施し、レコーディング・エンジニアが秘術を尽くして作り上げたウォール・オブ・サウンドの数々が楽しめて実に面白い。ということで今日も前回に引き続き「音壁Japan」パート2だ。
ポニー・テールというグループの⑥「二人は片想い」(1976)は70年代初期の雰囲気を湛えた女性フォーク・デュオの歌声をウォール・オブ・サウンドでコーティングするという発想が実にユニーク。この手のグループは一歩間違えると “どれを聴いてもみな同じ” ような無個性ソングに堕してしまう危険性を内包しているが、ここでは深いエコーやカスタネットといったスペクター的な要素によってピリリとスパイスが効いているし、エコーがスベッただのカスタネットがコロんだだのという以前に楽曲の出来自体が素晴らしい。それもそのはずで、作詞作曲は荒井のユーミン様だ。この曲は6年後に歌詞やアレンジをガラッと変えて「昔の彼に会うのなら」と改題してアルバム「パール・ピアス」に収録されているので、興味のある方は聴き比べてみて下さい。それにしてもユーミンはホンマにエエ曲を書くなぁ... (≧▽≦)
ポニーテール/二人は片想い
昔の彼に会うのなら 松任谷由実
杉真理という人は竹内まりやの初期の3枚のアルバムに曲を提供していたこともあってそのポップな作風は昔からよく知っていたが、この⑦「夏休みの宿題」でもウキウキするようなメロディー・センスは相変わらず健在で、クリスタルズ風ウォール・オブ・サウンドの影響を巧く消化しながらオリジナルなサウンドを作り上げている。一言で言えばフィル・スペクターがプロデュースしたマージー・ビートといったところか。
多岐川裕美の⑧「酸っぱい経験」、コレはめっちゃ懐かしい!!! 1981年頃にカゴメ・トマトジュースのCMソングとして頻繁にテレビから流れてきた曲で、長いこと聞いてなくてすっかり忘れていたが、出だしの “シャ~ツゥの ボ~タン♪” のワン・フレーズを聴いてすぐに記憶がよみがえってきた。CMソングの威力ってやっぱり凄いですな。当時は何も考えずに聞いていたが、今改めて聴くとイントロなんかもう「ビー・マイ・ベイビー」そのまんま(笑)で、曲想やメロディー展開はこの曲の半年前に出た⑮「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」の影響を強く受けていると思うがエコー感は極めて薄く、サウンド的にはフィル・スペクターというよりもむしろ尾崎亜美や門あさ美といった当時のニューミュージック系女性シンガーを想わせるものがある。女優さんの余技だけあって歌の方は上手くはないが、イイ女がイイ曲を歌うというただそれだけで十分ではないかと思う。
酸っぱい経験 多岐川裕美
太田裕美の⑨「恋のハーフムーン」は大瀧氏プロデュースとはいえ、このコンピ盤の中ではちょっと浮いているというか、 “スペクター度数” はかなり低いと思うのだがどうだろう? 曲としてはシングル向きというよりはむしろアルバム中の1曲という感じで、同じ大瀧プロデュース作品なら前作シングル「さらばシベリア鉄道」のインパクトには遠く及ばないと思う。
私はこれまで40年近くの長きにわたって色んな音楽を聴いてきたが、偏った聴き方をしてきたせいか “有名アーティストなんだけど、実はまだ聴いたことがない” という歌手やグループも結構多い。シュガー・ベイブもそんな未聴有名アーティストのひとつで、山下達郎が在籍していたグループということしか知らない。今回このコンピ盤に収録された⑩「雨は手のひらにいっぱい」で初めて聴いたワケだが、正直言ってあまり印象に残らなかった。
原めぐみの⑪「涙のメモリー」、コレめっちゃ好き!!! 彼女は80年代初めにデビューした元アイドル歌手で、一旦引退したものの、このコンピ盤発売を機に “音壁アイドル” (←何やそれ...笑)として完全復活、28年ぶりにコテコテのウォール・オブ・サウンドで完全武装した新作まで発表してしまったというから驚きである。この「涙のメモリー」は81年にリリースされた2枚目のシングル「見つめあう恋」のB面曲で、コレがもう絵に描いたような音壁ガールズ・ポップスなのだ。特に音壁お約束満載のイントロはロネッツの「アイ・ワンダー」を想わせるものがあり、イントロに続いてヴェロニカの “Mama said, before I'd grown~♪” という歌声が聞こえてきそうな錯覚に陥ってしまう。ストリングスの使い方なんかスペクターそのものだし、ハル・ブレイン直系の3連ドラムにも涙ちょちょぎれる。やっぱりウォール・オブ・サウンドはこうでなくっちゃ(^o^)丿 (つづく)
音壁アイドル 原めぐみ ♪涙のメモリー Wall of Sound Japan
ポニー・テールというグループの⑥「二人は片想い」(1976)は70年代初期の雰囲気を湛えた女性フォーク・デュオの歌声をウォール・オブ・サウンドでコーティングするという発想が実にユニーク。この手のグループは一歩間違えると “どれを聴いてもみな同じ” ような無個性ソングに堕してしまう危険性を内包しているが、ここでは深いエコーやカスタネットといったスペクター的な要素によってピリリとスパイスが効いているし、エコーがスベッただのカスタネットがコロんだだのという以前に楽曲の出来自体が素晴らしい。それもそのはずで、作詞作曲は荒井のユーミン様だ。この曲は6年後に歌詞やアレンジをガラッと変えて「昔の彼に会うのなら」と改題してアルバム「パール・ピアス」に収録されているので、興味のある方は聴き比べてみて下さい。それにしてもユーミンはホンマにエエ曲を書くなぁ... (≧▽≦)
ポニーテール/二人は片想い
昔の彼に会うのなら 松任谷由実
杉真理という人は竹内まりやの初期の3枚のアルバムに曲を提供していたこともあってそのポップな作風は昔からよく知っていたが、この⑦「夏休みの宿題」でもウキウキするようなメロディー・センスは相変わらず健在で、クリスタルズ風ウォール・オブ・サウンドの影響を巧く消化しながらオリジナルなサウンドを作り上げている。一言で言えばフィル・スペクターがプロデュースしたマージー・ビートといったところか。
多岐川裕美の⑧「酸っぱい経験」、コレはめっちゃ懐かしい!!! 1981年頃にカゴメ・トマトジュースのCMソングとして頻繁にテレビから流れてきた曲で、長いこと聞いてなくてすっかり忘れていたが、出だしの “シャ~ツゥの ボ~タン♪” のワン・フレーズを聴いてすぐに記憶がよみがえってきた。CMソングの威力ってやっぱり凄いですな。当時は何も考えずに聞いていたが、今改めて聴くとイントロなんかもう「ビー・マイ・ベイビー」そのまんま(笑)で、曲想やメロディー展開はこの曲の半年前に出た⑮「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」の影響を強く受けていると思うがエコー感は極めて薄く、サウンド的にはフィル・スペクターというよりもむしろ尾崎亜美や門あさ美といった当時のニューミュージック系女性シンガーを想わせるものがある。女優さんの余技だけあって歌の方は上手くはないが、イイ女がイイ曲を歌うというただそれだけで十分ではないかと思う。
酸っぱい経験 多岐川裕美
太田裕美の⑨「恋のハーフムーン」は大瀧氏プロデュースとはいえ、このコンピ盤の中ではちょっと浮いているというか、 “スペクター度数” はかなり低いと思うのだがどうだろう? 曲としてはシングル向きというよりはむしろアルバム中の1曲という感じで、同じ大瀧プロデュース作品なら前作シングル「さらばシベリア鉄道」のインパクトには遠く及ばないと思う。
私はこれまで40年近くの長きにわたって色んな音楽を聴いてきたが、偏った聴き方をしてきたせいか “有名アーティストなんだけど、実はまだ聴いたことがない” という歌手やグループも結構多い。シュガー・ベイブもそんな未聴有名アーティストのひとつで、山下達郎が在籍していたグループということしか知らない。今回このコンピ盤に収録された⑩「雨は手のひらにいっぱい」で初めて聴いたワケだが、正直言ってあまり印象に残らなかった。
原めぐみの⑪「涙のメモリー」、コレめっちゃ好き!!! 彼女は80年代初めにデビューした元アイドル歌手で、一旦引退したものの、このコンピ盤発売を機に “音壁アイドル” (←何やそれ...笑)として完全復活、28年ぶりにコテコテのウォール・オブ・サウンドで完全武装した新作まで発表してしまったというから驚きである。この「涙のメモリー」は81年にリリースされた2枚目のシングル「見つめあう恋」のB面曲で、コレがもう絵に描いたような音壁ガールズ・ポップスなのだ。特に音壁お約束満載のイントロはロネッツの「アイ・ワンダー」を想わせるものがあり、イントロに続いてヴェロニカの “Mama said, before I'd grown~♪” という歌声が聞こえてきそうな錯覚に陥ってしまう。ストリングスの使い方なんかスペクターそのものだし、ハル・ブレイン直系の3連ドラムにも涙ちょちょぎれる。やっぱりウォール・オブ・サウンドはこうでなくっちゃ(^o^)丿 (つづく)
音壁アイドル 原めぐみ ♪涙のメモリー Wall of Sound Japan
ユーミンの「昔の彼に会うのなら」は初めて聞きましたがさすがにいいですね。
須藤薫ともう一人お気に入りになったのは、音壁アイドル(笑)原めぐみでした。
どうもアイドルに弱いようです。
http://www.youtube.com/watch?v=upvykwsCQ0M
↑カップリング曲「見つめあう恋」
「涙のメモリー」は「アイ・ワンダー」でしたがこちらは見事に「ビー・マイ・ベイビー」してます。
私はこの曲を音壁の18曲目としてウォークマンに入れました(笑)。
もう一人のお気に入りはメグミンでしたか!!!
17組のアーティストの中で、
新しいお気に入りの2組がかぶってしまうとは何たる偶然...いや、必然かな?
私もアイドルに弱いもんで...(笑)
それにしてもホンマに趣味合いますね~♪
>私はこの曲を音壁の18曲目としてウォークマンに入れました
私もメグミンの他の曲を追加して自家製CD-R「ザ・コンプリート・音壁Japan」を作りました。
我々以外にも同じことやってる人、絶対いると思います。
「昔の彼に会うのなら」で歌詞だけでなくアレンジも音壁からレゲエ調にガラッと変え、
それでも違和感なく聴かせてしまうところにユーミンの天才を感じます。
それにしてもポニーテールのシングル盤のアートワーク、
もうちょっとマシな写真なかったんでしょうか?