shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Led Zeppelin Medley / 大橋純子

2013-02-27 | Led Zeppelin
 去年の暮れにレッド・ゼッペリン祭りを始めてから早いものでもう2ヶ月が経つが、このように一つのアーティストを徹底特集していると自ずとYouTubeやグーグルで検索する回数が増え、思わぬ新発見をすることが少なくない。「カシミール」繋がりで出会ったエスカーラなんかその最たるものだったが、やはりロック以外のジャンルのアーティストによるカヴァーはどうしても盲点になりやすいし、その意外性という点からも驚きが大きい。
 つい先日のことになるが、王様の「深紫伝説 ~ディープ・パープル日本語直訳メドレー~」を聴いていて、ふと “そういえばゼップのメドレーって無いんかな?” という素朴な疑問が浮かんだ。少なくとも私の知る限りでは日本が世界に誇るゼップのコピバン、シナモンの2nd と 3rd ぐらいしか思い浮かばない。スターズ・オンやジャイヴ・バニーetcのメドレー物が大好きな私は他に何かあらへんのかなぁと思い “レッド・ツェッペリン・メドレー” で早速ググってみると、タワレコ・オンラインのページで “大橋純子/ジェイセレクション” というのを発見! 大橋純子って、70年代後半から80年代初めにかけて抜群の歌唱力で大向こうを唸らせ、「シルエット・ロマンス」や「たそがれマイ・ラブ」etcのヒットを飛ばした、あの大橋純子なのか??? 彼女がゼップを歌ってるとしたらコレはエライコッチャである。
シルエット ロマンス-大橋 純子

大橋純子--たそがれマイ・ラブ


 半信半疑でその「ゼップ・メドレー」が入っているという94年のアルバム「J'selection Vol. 1」をアマゾンで調べるてみると、確かに③「レッド・ツェッペリン・メドレー」というタイトルで「胸いっぱいの愛を」~「ブラック・ドッグ」~「ロックンロール」~「天国への階段」~「胸いっぱいの愛を」をメドレーでやっている。しかもそれ以外の収録曲もすべて洋楽のカヴァーで、ドゥービーズの①「チャイナ・グローヴ」、ポールの②「マイ・ラヴ」、パープルの④「ブラック・ナイト」、ストーンズの⑤「ホンキー・トンク・ウイミン」、クラプトンの⑥「ティアーズ・イン・ヘヴン」ときたもんだ。試聴できるサイトはなかったが、コレは聴かねば... と猛烈に好奇心をそそられた私は即買いを決めた。
 届いたCDはめっちゃ地味なジャケットで、ブックレットには “デビュー20周年を迎え、何かを始めたいと思った。ライフワークとして、ずっと続けられる何か。そこで J-セレクション という企画を思いついた。以前から興味はあったけれど、チャンスがなかったカバーのアルバムである。毎年1枚づつ、ひとつのジャンルにこだわったアルバムのシリーズ化... オリジナルのアルバムとは違って、大いに趣味の域を出したいと思っている。音楽に関しては、本当に気の多い別の私を楽しんでもらいたい。シリーズ1作目はスタートということもあって、私の音楽基盤でもあるロックに挑戦した。「こう見えて、実はアマチュア時代、ハードロックのリードヴォーカルだったの...」” という本人のコメントが載っている。へぇ~、大橋純子って元々ハードロックを歌ってたんか...
 アルバムは全6曲で34分と少し短いが、つまらんオリジナルを延々80分近く聞かされるよりはずっといい。一気通聴してみた第一印象は、とにかく歌が上手いなぁということ。伸びやかで艶があり、パワフルなその歌声は歌謡曲を歌おうがロックを歌おうが関係なしで、特にポールの②のようなスロー・バラッドでは余裕すら感じさせるその豊かな声量と確かな歌唱力で朗々と歌い上げており、まさに水を得た魚といった感じだし、同じスロー曲⑥では繊細な一面ものぞかせており、まさに向かうところ敵なしの無双状態だ。
マイ・ラブ


 お目当てのゼップ・メドレー③でも持ち前の伸びやかなハイトーン・ヴォイスでゼップの代表曲を次から次へと10分以上にわたって熱唱しており、続くパープル・カヴァー④と共に、力強くエネルギーに満ち溢れた歌声でハードロックの名曲を見事に歌いこなしているのだからコレはもう黙って聴くしかない。ただ、彼女の場合、クリアーに響き渡るタイプの歌声なので、ゴリゴリのロックを歌う時はもう少しザラついた感じの不良性が加われば鬼に金棒だろう。
 この「J'selection」は世間的にはあまり知られていないアルバムだと思うが(←それともただ単に私が知らなかっただけなのか???)、日本を代表する実力派シンガーが歌う洋楽カヴァー・アルバムとして十分傾聴に値する隠れ名盤だと思う。
レッド・ゼッペリン・メドレー

ブラックナイト

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