前回取り上げたラモーンズのカヴァー・アルバムに入っていた「ハヴ・ユー・エヴァー・シーン・ザ・レイン(雨を見たかい?)」は “この曲が入ってたら必ず買う!” レベルの超愛聴曲なので、ラモーンズ・ヴァージョンが出たついでに今日はこの曲のオススメ他ヴァージョンを特集しようと思う。
①Creedence Clearwater Revival
オリジナルは言わずと知れたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)1971年のヒット曲で、初めて聴いた時、その顎が落ちそうなグルーヴ感に一発でノックアウトされたのを今でもハッキリと覚えている。しかしこの曲を語る上で忘れてならないなのはその歌詞である。
最初 “Have you ever seen the rain, comin' down on a sunny day? (晴れた日に降る雨を見たことがあるかい?)” というパートを聴いて “キツネの嫁入りの歌かいな?シングル曲にしては変わったテーマやな...” と思っていたのだが、この一見お天気ソングみたいな歌詞の裏に秘められた真の意味を何かで読んだ私は愕然としてしまった。“晴れた日に降り注ぐ雨” とはアメリカ軍がベトナム戦争で使ったナパーム弾のことだというのだ。そう言われてみると shinin' down like water (水のようにキラキラ光りながら降ってくる雨)という表現なんか、油を撒き散らしながら落下して四方を焼く尽くすナパーム弾そのものだ。何かめっちゃシュールな歌詞やなぁ...(>_<)
後に作者のジョン・フォガティが語ったところによると、この曲は当時のバンド内人間関係の崩壊を比喩的に歌ったものらしい(←確かにこの時期に実兄のトムが脱退してる...)が、この曲がリリースされた1971年というのはベトナム戦争が泥沼化していった時期で、そういった社会情勢もあって、フォガティがCCRの崩壊を例えた「雨」という言葉をリスナーが「晴れた日にも降ってくるナパーム弾の雨」と解釈し、反戦歌として受け止めたということだろう。
私はこんな大名曲がビルボード・チャートで8位止まりというのがどうにも解せなかったのだが、上記の理由から多くのラジオ局で放送禁止を食らいながらもトップ10入りしたというのは今から考えればむしろ大健闘と言うべきなのかもしれない。まぁこの曲に関してはチャート成績云々するのは野暮というもので、これまでも度々CMソングに起用されるなど多くの人々に親しまれており、まさに “記録よりも記憶に残るヒット曲” の典型と言えるだろう。
CCR-Have You Ever Seen The Rain? Lyrics
②クワタバンド
この曲は綺麗な声でスムーズに歌うよりもジョン・フォガティのようなちょっとクセのあるしわがれ声で歌ってこそ映えると思うのだが、そういう意味でも桑田師匠が1986年の1年限定ソロ・プロジェクト、クワタ・バンドでこの曲をカヴァーした時は我が意を得たり!と大喜びしたものだった。それもアルバムには入れずにシングルのB面である。私にはA面の「One Day」がイマイチだったせいもあって、アホの一つ覚えみたいにB面ばかり聴いていた。師匠もこの曲が大好きで相当聴き込んだのだろう、まるでジョン・フォガティが憑依したかのような熱唱を披露、CCR愛に溢れた傑作カヴァーに仕上がっている。ラモーンズの高速回転ヴァージョンも好きだが、やはり原曲が内包しているアーシーなグルーヴ感をこれ以上ないぐらい見事に表出したという点において、このクワタ・バンド・ヴァージョンが私的№1カヴァーであり、CCRのオリジナルに比肩する吸引力を持っているように思う。
「雨を見たかい」KUWATA BAND
③Joan Jett & The Blackhearts
私がクワタ・バンド・ヴァージョンと同じくらい気に入っているのがジョーン・ジェット姐さん(←師匠とか姐さんとか、そんな人ばっかりやね...)によるカヴァーだ。やはり美声とは言い難い姐さんのドスの効いたヴォーカルがこの曲にベストのマッチングを見せ、聴く者の心にグイグイ食い込んでくる説得力抜群のヴァージョンになっている。又、この曲を収めた姐さんのカヴァー・アルバム「ザ・ヒット・リスト」もロック・ファンには超オススメだ。
have you ever seen the rain?
④noon
noon は大阪育ちの在日コリアン・シンガーで、その歌声は絵に描いたような癒し系。デビュー当初はジャズのスタンダードを中心に歌っていたが、この人の声質はジャズよりもポップスの方が合っている。特にカーペンターズやモンキーズのカヴァーなんか大好きだ。この「雨を見たかい」は原曲のネチこさがすっかり漂白されて聴きやすいポップスになっており、そこが物足りなく感じる人もいるかもしれないが、あのグルーヴィーな曲をこんなヒーリング・ミュージックに染め上げてしまうのはある意味凄いと思う。
ヌーン
⑤Karen Souza
以前このブログで取り上げた「ジャズ& '70s」に入っていたのがコレ。原曲のイメージは影も形もなく、ジャジーなサウンドをバックにカレン・ソウザのダウン・トゥ・アースなヴォーカルが気だるさを演出し、そこにブルージーなギターが絡んでいくという実にユニークなカヴァーになっている。ジョン・フォガティがコレを聴いたら何と言うだろうか?
カレン・ソウザ
①Creedence Clearwater Revival
オリジナルは言わずと知れたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)1971年のヒット曲で、初めて聴いた時、その顎が落ちそうなグルーヴ感に一発でノックアウトされたのを今でもハッキリと覚えている。しかしこの曲を語る上で忘れてならないなのはその歌詞である。
最初 “Have you ever seen the rain, comin' down on a sunny day? (晴れた日に降る雨を見たことがあるかい?)” というパートを聴いて “キツネの嫁入りの歌かいな?シングル曲にしては変わったテーマやな...” と思っていたのだが、この一見お天気ソングみたいな歌詞の裏に秘められた真の意味を何かで読んだ私は愕然としてしまった。“晴れた日に降り注ぐ雨” とはアメリカ軍がベトナム戦争で使ったナパーム弾のことだというのだ。そう言われてみると shinin' down like water (水のようにキラキラ光りながら降ってくる雨)という表現なんか、油を撒き散らしながら落下して四方を焼く尽くすナパーム弾そのものだ。何かめっちゃシュールな歌詞やなぁ...(>_<)
後に作者のジョン・フォガティが語ったところによると、この曲は当時のバンド内人間関係の崩壊を比喩的に歌ったものらしい(←確かにこの時期に実兄のトムが脱退してる...)が、この曲がリリースされた1971年というのはベトナム戦争が泥沼化していった時期で、そういった社会情勢もあって、フォガティがCCRの崩壊を例えた「雨」という言葉をリスナーが「晴れた日にも降ってくるナパーム弾の雨」と解釈し、反戦歌として受け止めたということだろう。
私はこんな大名曲がビルボード・チャートで8位止まりというのがどうにも解せなかったのだが、上記の理由から多くのラジオ局で放送禁止を食らいながらもトップ10入りしたというのは今から考えればむしろ大健闘と言うべきなのかもしれない。まぁこの曲に関してはチャート成績云々するのは野暮というもので、これまでも度々CMソングに起用されるなど多くの人々に親しまれており、まさに “記録よりも記憶に残るヒット曲” の典型と言えるだろう。
CCR-Have You Ever Seen The Rain? Lyrics
②クワタバンド
この曲は綺麗な声でスムーズに歌うよりもジョン・フォガティのようなちょっとクセのあるしわがれ声で歌ってこそ映えると思うのだが、そういう意味でも桑田師匠が1986年の1年限定ソロ・プロジェクト、クワタ・バンドでこの曲をカヴァーした時は我が意を得たり!と大喜びしたものだった。それもアルバムには入れずにシングルのB面である。私にはA面の「One Day」がイマイチだったせいもあって、アホの一つ覚えみたいにB面ばかり聴いていた。師匠もこの曲が大好きで相当聴き込んだのだろう、まるでジョン・フォガティが憑依したかのような熱唱を披露、CCR愛に溢れた傑作カヴァーに仕上がっている。ラモーンズの高速回転ヴァージョンも好きだが、やはり原曲が内包しているアーシーなグルーヴ感をこれ以上ないぐらい見事に表出したという点において、このクワタ・バンド・ヴァージョンが私的№1カヴァーであり、CCRのオリジナルに比肩する吸引力を持っているように思う。
「雨を見たかい」KUWATA BAND
③Joan Jett & The Blackhearts
私がクワタ・バンド・ヴァージョンと同じくらい気に入っているのがジョーン・ジェット姐さん(←師匠とか姐さんとか、そんな人ばっかりやね...)によるカヴァーだ。やはり美声とは言い難い姐さんのドスの効いたヴォーカルがこの曲にベストのマッチングを見せ、聴く者の心にグイグイ食い込んでくる説得力抜群のヴァージョンになっている。又、この曲を収めた姐さんのカヴァー・アルバム「ザ・ヒット・リスト」もロック・ファンには超オススメだ。
have you ever seen the rain?
④noon
noon は大阪育ちの在日コリアン・シンガーで、その歌声は絵に描いたような癒し系。デビュー当初はジャズのスタンダードを中心に歌っていたが、この人の声質はジャズよりもポップスの方が合っている。特にカーペンターズやモンキーズのカヴァーなんか大好きだ。この「雨を見たかい」は原曲のネチこさがすっかり漂白されて聴きやすいポップスになっており、そこが物足りなく感じる人もいるかもしれないが、あのグルーヴィーな曲をこんなヒーリング・ミュージックに染め上げてしまうのはある意味凄いと思う。
ヌーン
⑤Karen Souza
以前このブログで取り上げた「ジャズ& '70s」に入っていたのがコレ。原曲のイメージは影も形もなく、ジャジーなサウンドをバックにカレン・ソウザのダウン・トゥ・アースなヴォーカルが気だるさを演出し、そこにブルージーなギターが絡んでいくという実にユニークなカヴァーになっている。ジョン・フォガティがコレを聴いたら何と言うだろうか?
カレン・ソウザ
私はラジオを聞かないので「夜遊び」も「生唄」も知らなかったんですが
YouTubeでザ・ピーナッツや美空ひばりを検索していて
偶然師匠の弾き語りを見つけて狂喜しました。
師匠は何を演ってもホンマにカッコエエですね。
桑田圭祐さんの「雨を見たかい」ナイスカバーですね~。
僕は、本人のラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』生唄コーナーで、この曲を聴いてかっこいいな~っ、さすがクワタさんと思いました。
この「雨=ナパーム弾」説、初めて聞いた時はビックリしますよね。
ネーナの「ロックバルーンは99」なんかもそうでしたが
洋楽には行間を読む楽しみがあります。
学校の英語の勉強は大嫌いでしたが
辞書を片手に歌詞を研究するのは
意外な発見があって中々楽しいです。
桑田師匠のヴァージョン、コワイぐらいにハマッてますよね。
特に “ア~ワナ ノォォウ♪” のラインなんか
歌い方の「間」が絶妙で、
同じロック/ポップス・ファンとして
人間国宝級の名人芸だと思います。
CCRの「雨を見たかい」はもちろん聞いたことがありますが、歌詞の意味までは知りませんでした、そんな意味があったとは正直驚きです。
KUWATA BANDはアルバムは持っているのですがOne Dayのシングルは持っていないのでKUWATA BANDが歌っていることも知りませんでしたやっぱり桑田師匠が歌うとぴったりはまる感じでいいです、いいものを聞かせてもらいました。