①MonaLisa Twins play Beatles & more(2014)
モナリザ・ツインズがビートルズを中心に彼女たちが聴いて育った楽曲をカヴァーしたアルバムで、ビートルズの8曲を筆頭にイージービーツ、チャック・ベリー、バッファロー・スプリングフィールド、ビーチ・ボーイズ、ドアーズ、ローリング・ストーンズ、ジャニス・ジョップリンが各1曲ずつという内訳になっている。ライヴ音源とスタジオ録音音源が半々の割合で混在しており、「Drive My Car」「Can't Buy Me Love」「Day Tripper」のようなイケイケのロック曲がライヴ、「This Boy」「In My Life」「Blackbird」のようなスローなアコースティック曲がスタジオ録音という按配だ。
もちろん前者のようなアッパー・チューンもビートルズ愛がビンビン伝わってきて悪くはないが、彼女たちの個性が最も発揮されるのはやはりスタジオ録音曲だと思うので、私は後者のアコースティック・ナンバーにより大きな魅力を感じる。中でも断トツに気に入っているのが⑥「Blackbird」で、双子姉妹ならではの息の合ったコーラス・ハーモニーに心を奪われるし、リヴァプールで撮影された動画も良い出来で、モノクロとカラーを巧く組み合わせた映像処理がエエ感じだ。リヴァプールへのお引越しの興奮がダイレクトに伝わってくる動画にホッコリさせられる④「This Boy」もオリジナルの3連リズムを見事に再現していて気に入っている。
Blackbird - MonaLisa Twins (The Beatles Cover)
This Boy - MonaLisa Twins (The Beatles Cover)
②MonaLisa Twins play Beatles & more Vol. 2(2018)
「MonaLisa Twins play Beatles & more」の第2集はビートルズのカヴァーが7曲で、残りはホリーズ、ラヴィン・スプーンフル、ローリング・ストーンズ、エヴァリー・ブラザーズ、ナンシー・シナトラ、フランク・チャーチルが各1曲ずつの全13曲収録で、その内スタジオ録音曲が10曲と、前作に比べて大きく増えている。
「I'll Follow The Sun」「Two Of Us」「I'll Be Back」というスローなアコースティック・ナンバーの素晴らしさは相変わらずだが、「When I'm Sixty-Four」「Maxwell's Silver Hammer」(←この曲のカヴァーは珍しい...)のようなミディアム・テンポの楽曲で表現力豊かなヴォーカルと明るく弾むような小気味よい演奏が楽しめるのが今作の大きな魅力。ビートルズ関係以外ではホリーズの「Bus Stop」とストーンズの「Paint It Black」が出色の出来だ。
When I'm Sixty-Four - MonaLisa Twins (The Beatles Cover)
Maxwell's Silver Hammer - MonaLisa Twins (The Beatles Cover)
③MonaLisa Twins play Beatles & more Vol. 3(2018)
第2集から1年も経たない内にリリースされた「MonaLisa Twins play Beatles & more」の第3集は「愛なき世界」(ピーターとゴードン)も含めるとビートルズが7曲で、それ以外はサイモン&ガーファンクル、キンクス、クリーム、ゾンビーズといった60'sの名曲が並んでいる。全14曲中でライヴ音源はビートルズの「You're Going To Lose That Girl」だけで、他はすべてスタジオ録音だ。
収録曲の中では何と言ってもレノン=マッカートニー作の「A World Without Love」が圧倒的に素晴らしい。私的にはこの曲のベストなヴァージョンであり、モナリザ・ツインズの全作品中でも三指に入る名唱名演だと思う。公園で戯れる二人を映した動画もビートルズの映画「A Hard Day's Night」のシーンを思い起こさせるもので、観ていて実に楽しい(←リサの顔に赤毛が纏わりついて顔面真赤になってるのワロタ...)。又、“シンプル・イズ・ベスト” のお手本のような「Yesterday」も心に沁みる歌と演奏だ。ビートルズ関係以外ではS&Gの「The 59th Street Bridge Song」とゾンビーズの「Time Of The Season」が気に入っている。
A World Without Love - MonaLisa Twins (Peter and Gordon Cover)
Yesterday - MonaLisa Twins (The Beatles Cover)