shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Weird Tales Of The Ramones

2010-10-03 | Ramones
 10月に入ってすっかり朝晩涼しくなり季節の変わり目を実感している今日この頃だが、音楽面では相変わらず9月のラモーンズ・フィーヴァーが継続中。私は彼らに最初にハマッたのが数年前という “遅れてきたラモーンズ・マニア” なのだが、今まさに第2次マイブームの真っ最中で、当時買いそびれていた CD や DVD を大人買いして(?)楽しんでいる。そんな中でも最大の収穫がこの「Weird Tales Of The Ramones」(邦題:ラモーンズ・ストーリー)だ。
 コレは彼らのデビューから解散までの22年間に発表された作品の中からジョニー・ラモーンが選曲した85曲を収めた3枚のCDと、過去にVHSで出ていたビデオクリップ集「Lifestyles Of The Ramones」にボーナス・トラックとして新たに6曲分の PV を追加収録した DVD 、更に彼らを題材にした52ページもあるコミック・ブック(しかもコレが3-Dメガネ付き!)まで付いた、超豪華なA4サイズ(!)のボックス・セットになっているのだからファンとしては垂涎モノの逸品だ(≧▽≦) コレこそ何種類も出ている彼らのベスト盤の中でも史上最強と言えるだろう。
 私は以前紹介した「ラモーンズ・アンソロジー」というベスト盤を始め、初期のオリジナル・アルバム5枚やライヴ盤3枚、それに後期のカヴァー盤などを既に持っていたのでこのボックス・セットにまで手が出なかった。輸入盤でも送料込みで軽く$50以上するし、DVDのリージョン・コードが明記されていない(海外版 DVD ってリージョンとか NTSC/PAL とかホンマに鬱陶しいわ...世界統一規格にせぇよ!)のも気になる。日本盤に至っては1万円近いボッタクリ価格で論外だった。
 そしてラモーンズ・フィーヴァーに明け暮れた先月、“未曾有の円高で $1=83円!” のニュースをヤフー・ニュースで見た私はすぐにUSアマゾンのサイトをチェック、するとラッキーなことに中古で1セットだけ$28で状態 very good というブツを発見。送料込みでも3,000円でお釣りがくる計算だ。 International Shipping Available となっているのはコレ以外すべて$45以上なので超お買い得である。アマゾンには何も書かれていないが HMV のサイトによると DVD はどうやらオール・リージョンらしい。私は即 “Place Your Order” をクリックした。
 CD に関しては Disc 1 が「ラモーンズの激情」~「ロード・トゥ・ルーイン」、Disc 2 が「エンド・オブ・ザ・センチュリー」~「アニマル・ボーイ」、Disc 3 が「ハーフウェイ・トゥ・サニティ」~「グレイテスト・ヒッツ・ライヴ」までと、各アルバムから代表作がまんべんなくセレクトされているという印象だ。もちろん全曲デジタル・リマスタリングされているが、彼らの CD は2001年のリマスター以降の盤ならどれも迫力満点のサウンドが楽しめる(←それ以前の盤は悲しくなるほどプアーな音です...)ので手持ちの盤と音質的な違いは感じられない。
 そんな中で嬉しかったのは Disc 3 に入っていた(21)「スパイダーマン」がイントロの1-2-3-4カウント無しの別ヴァージョンだったこと。私はこの曲のメロディー展開が大好きで数少ないカヴァー・ヴァージョンをせっせと集めているのだが、今のところダントツに気に入っているのがラモーンズのヴァージョンだ。疾走感溢れる曲想がラモーンズのラウド&ファストな演奏スタイルと見事にマッチしてめちゃくちゃカッコ良いロックンロールに仕上がっている。この曲の素晴らしさについてはまだまだ言い足りないが、先に進まなくてはいけない。
 私が一番楽しみにしていたのが DVD だ。私が持っている彼らの DVD は、バンドの歴史を見事にドキュメンタリー・フィルム化した名作「エンド・オブ・ザ・センチュリー」、マーキー・ラモーンが撮りためていた貴重な映像を中心にメンバーのオフ・ステージでの素顔を追った「ラモーンズ・ロウ」、そしてその圧倒的なライヴ・パフォーマンスの模様を詰め込んだ「イッツ・アライヴ 1974-1996」の3枚だったので、「エンド・オブ・ザ・センチュリー」以降の18曲分の彼らのビデオ・クリップの映像を見れるというのがファンにとっては大変ありがたい。
 今まで YouTube の小さな画面で見るしかなかった⑰「スパイダーマン」をテレビの大画面で見れるようになったのも嬉しいし、初めて見る映像も一杯入っていて、この DVD だけでもこのボックス・セットを買った甲斐があろうというものだ。私的には USA フォー・アフリカをパロッた⑦「サムシング・トゥ・ビリーヴ・イン」のビデオが面白かった。いつものように脚を踏ん張って歌うジョーイがカッコイイ⑯「アイ・ドント・ウォナ・グロウ・アップ」も何度見ても飽きないし、ラストに入っている⑱「電撃バップ」のライヴ映像ではレコードの1.5倍ぐらいの猛スピードで爆走するそのスリリングなパフォーマンスが圧巻だ。ただ、④「サイコ・セラピー」は曲と演奏は最高(←ベタなギャグですんません...)だがビデオの方はホラーが苦手の私には後半ちょっとキツかった...(>_<)
 最後の最後まで “パンク” というイメージが足かせとなったのかコマーシャルな面では成功したとは言い難い彼らだが、バンドが解散しフロントメンの3人が既に鬼籍に入ってしまった今でも彼らを愛するファンは減るどころか全世界規模で増えているような感すらある。常にロックンロールの原点としての凄みを見せ続けてきた、 “記録よりも記憶に残るバンド” の最高峰ラモーンズ、私はこれからもずっと彼らのロックンロールを聴き続けていきたいと思う。

Ramones - Spider-Man


Psycho Therapy - The Ramones


The Ramones - I Don't Want To Grow Up


Something To Believe In - The Ramones

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