ロック・ファン同士が顔を合わせると “好きなバンド” や “愛聴盤” の話題になることが多い。これは言ってみれば名刺代わりみたいなもので、相手の答えによって話が大いに盛り上がったり、逆に気まずい雰囲気になったりする。趣味嗜好がぴったり合って意気投合すれば “無人島ディスク” にまで話が及ぶこともあるだろう。しかし、この “好きなバンド”→“愛聴盤”→“無人島ディスク” という流れとは別に、“好きなギタリスト” が話題に上ることがある。何と言ってもギターはロック・バンドの中ではサウンドの要ともいえる存在だし、他の楽器よりも遥かに個性的なプレイヤーが多いからだ。しかも必ずしも好きなバンドのギタリストが一番とは限らないところが面白い。ギタリストというのはそれくらい “別格” な存在なのだ。
私の場合、「好きなギタリストは?」と聞かれても即答に困るというか、一人に絞ることは不可能だ。思いつくままに挙げていくと、ライトハンド奏法が生み出す万華鏡のような音世界に目も眩むエディー・ヴァン・ヘイレン、レッド・スペシャルの丸みを帯びた音色で歌心溢れるフレーズを弾くブライアン・メイ、野太い音でガッツ溢れるソロを連発するスティーヴィー・レイ・ヴォーン、全身全霊のプレイで聴く者を圧倒するアンガス・ヤング、フライングVの流れるような高速フレーズがたまらないマイケル・シェンカー、アグレッシヴなケンカ・リフが病み付きになるリッチー・ブラックモア、泣きのスライド・ギターに涙ちょちょぎれるジョージ・ハリスン、問答無用のリフ攻撃が快感を呼ぶジミー・ペイジ、説得力溢れる入魂のプレイに圧倒されるゲイリー・ムーアといったところか。みんなそれぞれが “その人にしか出せない音” を持っており、そのギター・サウンドを聴きたいがためにレコードをかける、そんなギタリストが好きなのだ。単なる速弾きギタリストに興味はない。そういう意味ではその鋭利な刃物のようなサウンドに一旦ハマると病みつきになるU2のエッジも大好きなギタリストの一人と言える。
U2との出会いは1983年のこと、小林克也さんの「ベスト・ヒットUSA」で③「ニュー・イヤーズ・デイ」のビデオクリップを見たのがすべての始まりだった。雪の降りしきる中、白い旗を背負い馬に乗って颯爽と駆け抜ける4人の姿はまさに“北欧の騎士”のイメージそのもので、まっ白い雪原で歌い演奏するシーンがめちゃくちゃカッコ良かったし、何よりも楽曲そのものが素晴らしかった。ボノの気迫に満ちたヴォーカルが熱く胸を打ち、エッジのシャープなギター・サウンドが凍てついた空気を切り裂く... 何という見事なコントラストだろう!粘っこいグルーヴを生み出すベースとどっしりとしたドラムスがビートを刻み、疾走感溢れるキーボードも曲のイメージを決定づけるぐらい印象的に使われている。このメロディアスでありながらシンプルで力強いロック曲に完全KOされた私は早速この曲が入ったアルバム「ウォー」を購入、改めてその緊迫感溢れる演奏の凄みを味わった。
ジョンが「ラック・オブ・ジ・アイリッシュ」で、ポールが「アイルランドに平和を」で取り上げていた “血の日曜日事件” を歌った①「サンデイ・ブラッディ・サンデイ」は歌詞の持つシリアスなメッセージ性に負けないぐらいの重厚で躍動感に溢れるロック曲として屹立しており、聴く者の心を激しく震わせる。④「ライク・ア・ソング」や⑦「トゥー・ハーツ・ビート・アズ・ワン」での胸のすくようなスピード感は、この4年後に世界を制覇することになる「ジョシュア・トゥリー」収録の「ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネーム」や「イン・ゴッズ・カントリー」の爽快感を彷彿とさせる。やっぱりU2は駆け抜けるようなハイスピード・ロックンロールが最高だ。
これはまだ超大物になる前の、4人の怒れる若者たちがその熱きアイリッシュ魂を注ぎ込んで作り上げた最高にイカすロック・アルバムだと思う。あなたも (you too) そう思いませんか?
私の場合、「好きなギタリストは?」と聞かれても即答に困るというか、一人に絞ることは不可能だ。思いつくままに挙げていくと、ライトハンド奏法が生み出す万華鏡のような音世界に目も眩むエディー・ヴァン・ヘイレン、レッド・スペシャルの丸みを帯びた音色で歌心溢れるフレーズを弾くブライアン・メイ、野太い音でガッツ溢れるソロを連発するスティーヴィー・レイ・ヴォーン、全身全霊のプレイで聴く者を圧倒するアンガス・ヤング、フライングVの流れるような高速フレーズがたまらないマイケル・シェンカー、アグレッシヴなケンカ・リフが病み付きになるリッチー・ブラックモア、泣きのスライド・ギターに涙ちょちょぎれるジョージ・ハリスン、問答無用のリフ攻撃が快感を呼ぶジミー・ペイジ、説得力溢れる入魂のプレイに圧倒されるゲイリー・ムーアといったところか。みんなそれぞれが “その人にしか出せない音” を持っており、そのギター・サウンドを聴きたいがためにレコードをかける、そんなギタリストが好きなのだ。単なる速弾きギタリストに興味はない。そういう意味ではその鋭利な刃物のようなサウンドに一旦ハマると病みつきになるU2のエッジも大好きなギタリストの一人と言える。
U2との出会いは1983年のこと、小林克也さんの「ベスト・ヒットUSA」で③「ニュー・イヤーズ・デイ」のビデオクリップを見たのがすべての始まりだった。雪の降りしきる中、白い旗を背負い馬に乗って颯爽と駆け抜ける4人の姿はまさに“北欧の騎士”のイメージそのもので、まっ白い雪原で歌い演奏するシーンがめちゃくちゃカッコ良かったし、何よりも楽曲そのものが素晴らしかった。ボノの気迫に満ちたヴォーカルが熱く胸を打ち、エッジのシャープなギター・サウンドが凍てついた空気を切り裂く... 何という見事なコントラストだろう!粘っこいグルーヴを生み出すベースとどっしりとしたドラムスがビートを刻み、疾走感溢れるキーボードも曲のイメージを決定づけるぐらい印象的に使われている。このメロディアスでありながらシンプルで力強いロック曲に完全KOされた私は早速この曲が入ったアルバム「ウォー」を購入、改めてその緊迫感溢れる演奏の凄みを味わった。
ジョンが「ラック・オブ・ジ・アイリッシュ」で、ポールが「アイルランドに平和を」で取り上げていた “血の日曜日事件” を歌った①「サンデイ・ブラッディ・サンデイ」は歌詞の持つシリアスなメッセージ性に負けないぐらいの重厚で躍動感に溢れるロック曲として屹立しており、聴く者の心を激しく震わせる。④「ライク・ア・ソング」や⑦「トゥー・ハーツ・ビート・アズ・ワン」での胸のすくようなスピード感は、この4年後に世界を制覇することになる「ジョシュア・トゥリー」収録の「ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネーム」や「イン・ゴッズ・カントリー」の爽快感を彷彿とさせる。やっぱりU2は駆け抜けるようなハイスピード・ロックンロールが最高だ。
これはまだ超大物になる前の、4人の怒れる若者たちがその熱きアイリッシュ魂を注ぎ込んで作り上げた最高にイカすロック・アルバムだと思う。あなたも (you too) そう思いませんか?