言うまでもなく第一印象というのは重要である。ファースト・コンタクトで間違ったイメージを持ってしまうと、後々までその先入観が邪魔をして真の姿が見えてこない。私の場合、そういった偏見がもとで長いこと加山雄三というアーティストを誤解していた。いや、アーティストどころか、私は数年前(!)まで彼をただのヤニさがったオッサン歌手だと思っていたのだ。それもこれも初めて彼の歌を聞いた時(かなり昔の話だが...)にいきなり極度の嫌悪感を抱いてしまったからだ。その歌とは「君といつまでも」である。例の “二人を 夕闇がぁ~♪” で始まる彼の代表曲だ。あの歌の中の “幸せだなぁ... 僕は死ぬまで君を離さないぞ...云々” という語りの部分がもうブツブツが出るほど嫌いで、あんなキモいセリフを公共の電波に乗せんなよ!とラジオでかかるたびに音を消していたくらいだ。
そんな先入観が吹き飛んだのが数年前のこと、ベンチャーズにどっぷりハマッて聴きまくっていた時、「EPコレクション」という4枚組CDの中に入っていた「夜空の星」という曲がめちゃくちゃカッコ良く、ライナーの解説を読むと “加山雄三の自作自演曲” とあったのでビックリ(゜o゜) 何であんなオッサンがこんなカッコエエ曲を??? と不思議だった。そのすぐ後、今度はアルバム「ポップス・イン・ジャパン」に入っていた「ブラック・サンド・ビーチ」がカッコエエなぁと思っているとこれまた “加山雄三とランチャーズ” がオリジナルだという。天下のベンチャーズが加山雄三の曲を何曲もカヴァーしているなんて... ここにきて初めて自分がとんでもない誤解をしていたことに気づいた私は慌ててヤフオクで彼のCDをゲット、それでやっと彼が日本のテケテケ黎明期のパイオニアだったということを知った次第。いやはやホントにお恥ずかしい(>_<)
それ以降、私は加山雄三という名前に対してはリスペクトの念を持って接するようになり、「夜空の星」は私の中で “この曲が入ってるCDは全部買う” レベルの、いわゆるスーパー愛聴曲のリストに加わった。ということでネットで「夜空の星」検索をしていて偶然見つけたのがこの「永遠のギターキッズ LIVE Vol. 2」である。曲目を見ると愛聴曲ばっかりだ。試聴はできなかったけど、このメンツでこの選曲なら悪かろうはずがないという確信を持ってポチッとオーダーした。
このCDは1999年の東京中野サンプラザホールでのライブ盤で、加山雄三&ハイパーランチャーズが①②⑨⑩⑪の5曲、Dr.K Project が③④の2曲、ノーキー・エドワーズ& Dr.K Project が⑤⑥⑦⑫⑬の5曲、加山雄三&ハイパーランチャーズ with ノーキー・エドワーズが⑧1曲、そして⑭⑮はこの日の出演者全員で演奏している。
コンサートはデル・シャノンの①「悲しき街角」でスタート、もう1曲目からノリノリである。本家ベンちゃんのカヴァー・ヴァージョンに迫る勢いの疾走感溢れる演奏だ。続く②「ナッティ」はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」をベンチャーズが見事にテケテケ化したもので、ELPの「展覧会の絵」に入っている「ナットロッカー」はこのベンちゃんアレンジをアダプトしたものだと思うのだが、加山雄三&ハイパーランチャーズは①に続いて絶好調なプレイを聴かせてくれる。ドラムスがメル・テイラーよりもカール・パーマーしちゃってるのが笑えます...(^.^)
③「カンダリバー・ツイスト」はかぐや姫の「神田川」をインスト化したもので、「木の葉の子守唄」なイントロから、現われては消え、消えては現れる珠玉のベンちゃん・フレーズに彩られながら、日本人なら誰でも知っている四畳半フォークの名曲が見事なアレンジ(テケテケテケ~♪が絶妙なタイミングで炸裂!)でエレキ・インスト化されている。これはめちゃくちゃ面白い(^o^)丿 Dr.K Project のリーダー、徳武氏の音楽的センスには脱帽だ。続く④「萌え萌えのテーマ」は徳武氏のオリジナルで、ベンチャーズのエッセンスをギュッと凝縮したような曲想が楽しい。さすがは日本におけるベンチャーズ研究の第一人者である。
ここからノーキーが加わって再びデル・シャノンの名曲⑤「キープ・サーチン」だ。ベンチャーズがリアルタイムで取り上げていてもおかしくないほど(「ファビュラス・ベンチャーズ」あたりのサウンドにピッタリ!)しっくりくるテケテケ・ヴァージョンに仕上がっている。演奏といい、アレンジといい、こういうのを匠の技というのだろう。我が超愛聴曲⑥「秘密諜報員」は水を得た魚のようなノーキーのプレイに息をのむ。ノーキー + Dr.K の組み合わせは強力にして完璧だ。間髪を入れずに始まる⑦「京都の恋」、いやぁ~この日本的メロディを超絶エレキ・インストで聴ける幸せをどう表現すればいいのだろう?それにしても好きな曲ばかりこうも立て続けに出てくると嬉しくって仕方がない(^o^)丿 名曲名演のつるべ打ちとはこのことだ。
のどかな感じのするミディアム・テンポの⑧「WANNA BE CHET」は初めて聴く曲だが、それまでの曲に比べると印象が薄くなるのはしゃあないか。加山さんのヴォーカル入り⑨「旅人よ」、⑩「ブーメラン・ベイビー」の2曲ではそれまでのテケテケ路線はすっかり影を潜めて大ナツメロ大会に早変わり。そしてキタッ!!! 日本生まれのテケテケ・スタンダードの大傑作⑪「夜空の星」だ。何回聴いてもエエもんはやっぱりエエなぁ... (≧▽≦)
続いて再びノーキー + Dr.K の演奏で、泣く子も黙る⑫「十番街の殺人」へと突入、例のイントロからドラムソロ、そしてテケテケテケ... とベンちゃんファンには涙ちょちょぎれる演奏で、2分11秒があっと言う間に過ぎ去っていく。⑬「オレンジ・ブロッサム・スペシャル」は私の知っているスプートニクスの曲とは同名異曲で、いかにもノーキーが好きそうなカントリ・フレイバー溢れるナンバーだ。
ラスト2曲⑭「お嫁においで」と⑮「ワイプ・アウト」はアンコール・ナンバーで、特に⑮での日米スーパー・ギタリスト総出演による大テケテケ大会はこの素晴らしいコンサートの締めくくりに相応しい夢の饗宴だ。長嶋さんじゃないが “テケテケは永遠に不滅です!” って言いたくなるような楽しさ溢れるライブ盤だと思う。
カンダリバー・ツイスト
そんな先入観が吹き飛んだのが数年前のこと、ベンチャーズにどっぷりハマッて聴きまくっていた時、「EPコレクション」という4枚組CDの中に入っていた「夜空の星」という曲がめちゃくちゃカッコ良く、ライナーの解説を読むと “加山雄三の自作自演曲” とあったのでビックリ(゜o゜) 何であんなオッサンがこんなカッコエエ曲を??? と不思議だった。そのすぐ後、今度はアルバム「ポップス・イン・ジャパン」に入っていた「ブラック・サンド・ビーチ」がカッコエエなぁと思っているとこれまた “加山雄三とランチャーズ” がオリジナルだという。天下のベンチャーズが加山雄三の曲を何曲もカヴァーしているなんて... ここにきて初めて自分がとんでもない誤解をしていたことに気づいた私は慌ててヤフオクで彼のCDをゲット、それでやっと彼が日本のテケテケ黎明期のパイオニアだったということを知った次第。いやはやホントにお恥ずかしい(>_<)
それ以降、私は加山雄三という名前に対してはリスペクトの念を持って接するようになり、「夜空の星」は私の中で “この曲が入ってるCDは全部買う” レベルの、いわゆるスーパー愛聴曲のリストに加わった。ということでネットで「夜空の星」検索をしていて偶然見つけたのがこの「永遠のギターキッズ LIVE Vol. 2」である。曲目を見ると愛聴曲ばっかりだ。試聴はできなかったけど、このメンツでこの選曲なら悪かろうはずがないという確信を持ってポチッとオーダーした。
このCDは1999年の東京中野サンプラザホールでのライブ盤で、加山雄三&ハイパーランチャーズが①②⑨⑩⑪の5曲、Dr.K Project が③④の2曲、ノーキー・エドワーズ& Dr.K Project が⑤⑥⑦⑫⑬の5曲、加山雄三&ハイパーランチャーズ with ノーキー・エドワーズが⑧1曲、そして⑭⑮はこの日の出演者全員で演奏している。
コンサートはデル・シャノンの①「悲しき街角」でスタート、もう1曲目からノリノリである。本家ベンちゃんのカヴァー・ヴァージョンに迫る勢いの疾走感溢れる演奏だ。続く②「ナッティ」はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」をベンチャーズが見事にテケテケ化したもので、ELPの「展覧会の絵」に入っている「ナットロッカー」はこのベンちゃんアレンジをアダプトしたものだと思うのだが、加山雄三&ハイパーランチャーズは①に続いて絶好調なプレイを聴かせてくれる。ドラムスがメル・テイラーよりもカール・パーマーしちゃってるのが笑えます...(^.^)
③「カンダリバー・ツイスト」はかぐや姫の「神田川」をインスト化したもので、「木の葉の子守唄」なイントロから、現われては消え、消えては現れる珠玉のベンちゃん・フレーズに彩られながら、日本人なら誰でも知っている四畳半フォークの名曲が見事なアレンジ(テケテケテケ~♪が絶妙なタイミングで炸裂!)でエレキ・インスト化されている。これはめちゃくちゃ面白い(^o^)丿 Dr.K Project のリーダー、徳武氏の音楽的センスには脱帽だ。続く④「萌え萌えのテーマ」は徳武氏のオリジナルで、ベンチャーズのエッセンスをギュッと凝縮したような曲想が楽しい。さすがは日本におけるベンチャーズ研究の第一人者である。
ここからノーキーが加わって再びデル・シャノンの名曲⑤「キープ・サーチン」だ。ベンチャーズがリアルタイムで取り上げていてもおかしくないほど(「ファビュラス・ベンチャーズ」あたりのサウンドにピッタリ!)しっくりくるテケテケ・ヴァージョンに仕上がっている。演奏といい、アレンジといい、こういうのを匠の技というのだろう。我が超愛聴曲⑥「秘密諜報員」は水を得た魚のようなノーキーのプレイに息をのむ。ノーキー + Dr.K の組み合わせは強力にして完璧だ。間髪を入れずに始まる⑦「京都の恋」、いやぁ~この日本的メロディを超絶エレキ・インストで聴ける幸せをどう表現すればいいのだろう?それにしても好きな曲ばかりこうも立て続けに出てくると嬉しくって仕方がない(^o^)丿 名曲名演のつるべ打ちとはこのことだ。
のどかな感じのするミディアム・テンポの⑧「WANNA BE CHET」は初めて聴く曲だが、それまでの曲に比べると印象が薄くなるのはしゃあないか。加山さんのヴォーカル入り⑨「旅人よ」、⑩「ブーメラン・ベイビー」の2曲ではそれまでのテケテケ路線はすっかり影を潜めて大ナツメロ大会に早変わり。そしてキタッ!!! 日本生まれのテケテケ・スタンダードの大傑作⑪「夜空の星」だ。何回聴いてもエエもんはやっぱりエエなぁ... (≧▽≦)
続いて再びノーキー + Dr.K の演奏で、泣く子も黙る⑫「十番街の殺人」へと突入、例のイントロからドラムソロ、そしてテケテケテケ... とベンちゃんファンには涙ちょちょぎれる演奏で、2分11秒があっと言う間に過ぎ去っていく。⑬「オレンジ・ブロッサム・スペシャル」は私の知っているスプートニクスの曲とは同名異曲で、いかにもノーキーが好きそうなカントリ・フレイバー溢れるナンバーだ。
ラスト2曲⑭「お嫁においで」と⑮「ワイプ・アウト」はアンコール・ナンバーで、特に⑮での日米スーパー・ギタリスト総出演による大テケテケ大会はこの素晴らしいコンサートの締めくくりに相応しい夢の饗宴だ。長嶋さんじゃないが “テケテケは永遠に不滅です!” って言いたくなるような楽しさ溢れるライブ盤だと思う。
カンダリバー・ツイスト