shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

901さんとの夏会 '24 ③ ~エヴァンスの「枯葉」祭り~

2024-09-23 | Jazz

私:いよいよエヴァンスいきましょか?
901さん:じゃあまず最初にフォンタナ盤からお願いします。
私:前に「Explorations」聴かせてもろうた初期国内盤2枚組のヤツですね。
901さん:そうそう、音を褒めてもろうて嬉しかったなぁ。
私:国内盤やからどうせ大したことないやろうと思ってたので、めっちゃ音が良くてびっくりしたんです。エヴァンスってどうしてもオリジナル盤に人気が集中してしまうでしょ。せやからこんなん持ってる人、中々いてへんのとちゃいますか?
901さん:いやいや、それが最近結構人気が出てきてて、1万円以上するらしいですよ。僕は難波のビッグピンクで800円で買いましたけど。
私:え~、800円ですか! でも大坂さんやったら国内盤ちゅーことでそんな値付けしやはるかもしれませんね。ビッグピンク、懐かしいなぁ... 【♪~】やっぱりエエ音してますね。
901さん:エエよね。じゃあ次はオリジナルのステレオ盤を聴かしてもらえる?【♪~】これはかなり違うなぁ。
私:ビックリするほど違いますね。何か別テイク聴いてるみたいな感じで、こっちはエヴァンスが主役、っていう感じの音作りになってる。ラファロもモチアンも大人しいっていうか、遠慮してるようなトリオのバランスになってますね。
901さん:ベースの音なんか明らかにフォンタナ盤の方が大きいねぇ。
私:もう1回フォンタナ盤聴きましょう。【♪~】うわぁ、やっぱり全然違う! モチアンのドラムの音が大きいし、ベースも強い。三位一体のエバンス・トリオのエッセンスを満喫できるダイナミックな音作りですよ。国内盤でこの音が聴けるって凄いです!
901さん:確かに違うなぁ。
私:今気ぃ付いたんですが、ランアウト(無音部分)の幅がオリジナル盤の方が広いでしょ。っていうことはつまり音溝のエリアが狭いってことで、オリジナル盤がエネルギー感で国内盤に完全に負けてるのも説明が付きますよ。
901さん: なるほどなぁ。それにしても何かすごいことになってきたなぁ...
私:それにマトリクスが手書きと機械打ちというのも違いますね。
901さん:よぉ気ぃ付いたねぇ。
私:ランアウトとかマトリクスとかはビートルズで徹底的に鍛えられましたから。おかげでレコードを手に取ったらすぐに目が行くようになっちゃいました...(笑)
901さん:じゃあ次は “ビル・グラウアー消し” の怪しいやついきましょう。【♪~】音が鮮明やね。
私:どこをどう聴いてもオリジナル盤の音が一番ショボイですやん。これはショックですわ。
901さん:この “ビル・グラウアー消し”盤もエエ音やね。せっかくやからCDも聞かしてくれる?
私:もちろん。
901さん:おぉ、僕の持ってるのと同じ20ビットのヤツや。【♪~】CDもエエ音しとるね。もう何やわからんようになってきたなぁ。これやったらCDで十分な気がしてきたわ...(爆笑)
私:ハハハ... ホンマにそうですね。もう1回オリジナル盤いいですか?
901さん:どうぞどうぞ。
私:モチアンが明らかに遠いし、ラファロも迫力不足ですね。
901さん:モチアン遠いなぁ。そういえばプロデューサーのオリン・キープニューズが書いたエヴァンスの18枚組(!)LPのブックレットの解説に、“「Portrait In Jazz」の録音当時は 9:1 の割合でモノラルが主流で、ステレオ録音の技術はまだ稚拙だった...”って書いてあったのを思い出しましたわ。だからやっぱりこれがオリジナル盤の音なんですよ。これが当時のステレオ録音の音で、その後技術が発達してビル・グラウアー消し盤やフォンタナ盤のバランスになったんとちがいますかね。
私:なるほど、それなら辻褄が合いますね。エエ勉強になりましたわ。オリジナル盤至上主義者の人らは納得いかんかもですけど、スピーカーから出てくる音はウソをつきませんからね。音圧も、音のバランスも、すべての面でオリジナル盤の完敗ですよ。せっかくやからついでにオリジナル・モノラル盤も聴きます?
901さん:もちろん!【♪~】うわぁ、迫力が全然違うわ。これがキープニューズが目指した音なんやね。
私:モノラル盤の圧倒的なパワーがステレオ盤の音の違い云々を一掃しちゃった... まさにそんな感じですね。
901さん:いやぁ、今日は内容が濃いなぁ... (≧▽≦) じゃあ最後にペッパーの「ベサメ」をお願いします。
私:どうぞ。【♪~】
901さん:うわぁ、やっぱり凄い音しとるなぁ。あの値段でこの音を手に入れはったのは価値あるね。
私:はい、このえげつない音の圧力、もう最高ですわ。
901さん: 実は僕もペッパーのオリジナル盤手に入れましてん。前々から「イントロのペッパー」を手に入れたかったんやけど、Shiotchさんの持ってはる盤よりも状態の良いのって多分出てけぇへんやろうし、出たとしてもそんなん物凄い値段になるやろうし。それやったらここで聴かせてもらおうと思って...(笑) で、「イントロのペッパー」を諦めたんで、その資金を回してこれ買いましてん。聴かはる?
私:おぉ、ディスカバリーの10インチ「Art Pepper Quintet」やないですか! この意味不明なジャケット、雰囲気あってエエですよね。実は僕も半年ほど前にイーベイで見つけて、買おうかどうか迷ってる間に売れちゃったんです。確か35,000円ぐらいやったかな。ディスカバリーの10インチは盤の材質のせいかノイズがあるって聞いてたので腰が引けちゃったんですよ。
901さん:確かにノイズありますね。
私:でもこの程度のノイズなら十分許容範囲内ですよ。僕も買おうかな。
901さん:いやぁ、今日も凄い音のレコードがいっぱい聞けてよかったですわ。次は11月にやりましょうか。
私:いいですね。“秋会” を楽しみにしています。