津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■鳩野宗巴の西南の役観察‐薩摩兵熊本を去る

2023-04-25 08:30:26 | 史料

            

            薩兵熊本を捨て南に去る

            山村に乱を避け柴荊に臥す
            人事は怱忙夢也 砲声は地を動すに驚き
            息む時無し 燹火天に連なり幾処か明かなり
            薩旅は逡巡す鴻鵠の志 魯人は睥睨す
            鷸蛑の争い 王政初めて仁恵の渥きを知る
            掲示を仰ぎ看て涙縦横
                       盾洲
                                     乱を避けて柴の庵に寝起きする
                              人の世は忙しく夢の如くに過ぎる
                              大砲の音に驚き心休まる時とてない
                              兵火が空を染め あちこち明るく見える
                              鴻鵠の志を抱いて起ちあがった薩摩の者たちの
                              故郷への旅の心の内はどんなだったろうか
                              傍らの者は冷ややかに見ているだけ
                              掲示を仰ぎ見て天皇の仁恵を知り涙にくれる      

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2 コメント

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Unknown ()
2023-04-25 14:56:50
私は個人的に、この漢詩はこのように句切りすべきだと考えています。

山村避亂臥柴荊,
人事匆忙夢也驚。
炮聲動地無時息,
燹火連天幾處明。
薩旅逡巡鴻鵠志,
魯人睥睨鷸蚌爭。
王政初知仁惠渥,
仰看揭示淚縱橫。

こうすると、中国語では韻を踏んでいます(「押庚韻」)、また頷聯と頸聯は対句で、七言律詩です。
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Unknown (津々堂)
2023-04-25 15:22:03
編者の意向を尊重しましたが、ご指摘の通りだと思います。有難うございます。
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