津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

熊本弁講座「あとぜき」

2011-01-03 23:16:20 | 熊本

 つい最近まで頻繁にお邪魔していた某所のドアには、おおきく「あとぜき」と書かれた紙が貼り付けてあった。「ドアはちゃんと閉めなさい」という意味だが、典型的な熊本弁の一つである。某サイトの解説を拝借するなら、「後を塞く」から来ているらしい。先にも書いたが、熊本には古語が随分残されていてこれが現在でも当たり前に使われていて、熊本弁であることを忘れてしまっている事がある。

 現在ご紹介している「有吉文書」に、この言葉が登場しているのに気づいて吃驚している。
曰く、「退去末座より引取跡せきニ不及候事」とある。

 陽春御間に家老一同が入室するときには、御用人が杉戸を明け座着に及ぶが、「退去の節には末座より引き取り跡せき(跡を閉める)には及ばない」というのである。

 この有吉文書は、代々家老である有吉家の手控えの様なものだが、このような文書の中に熊本弁のルーツを見出すとは思っても見なかった。

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有吉家文書「年中行事抜粋」(十五)御発駕ニ付被仰渡之式書抜・二

2011-01-03 11:02:14 | 有吉家文書

一丁口同席一人取合として九曜之
  御間内御無目敷居より横畳四枚目
  南之御敷居を後ニシテ御座所を向
  御出座前坐着之事
    但御用人、御右筆罷出候を矩ニ列
    座より進出候事

一列座之面々は皆帯剱、拝聞之面々ハ
  鷹之御間より右衝立外之様ニ
  脱剱之事
一御出座之節如例皆一同ニ平伏
  御意左之通
    今度参勤ニ付、謹方之儀ニ付、書
    付を読聞せ候事
一御取合之同席御前江奉向
  御請左之通
    御意之趣いつれも奉得其意
    候
  右之通ニ而一同平伏被為入候上ニ而
  退去之事
一右退去之上御城代被仰付候御一門衆
  より御用番江被仰出之趣被申
  達候間、佐弐役江其段申聞候事
    但御用番江逢被申度旨以坊主被
    申越候間、彼衆詰間江罷越候得者
    本行之通被申達候
      御次被仰渡
一御用人より案内有之最前之通
  九曜之御間御入側江列座御取合
  之人茂最前之通坐着之事
    但御一門衆御三家嫡子并御備頭
    御留守居大頭大御奉行列座無之
    候事
一同席之組者不参ハ追而於宅麻上下
  着之拝見有之候、御備頭之組ハ例年
  之御事ニ付、於宅之拝見ハ無之由
  候事
一御留守中御城代何某殿被
  仰付候段、例之所々江知せ、組持之同席ハ
  書付受取候事
一今日御番頭被召出候事
  但此召出之儀者御用人江相尋候處
  寛政七年以来今日比召出之儀
  致連綿居候段、御用人被申聞
  候之事

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