ふと、気がついた。
例年なら春先独特のけだるさになやまされ、
どうしようもない倦怠感に襲われるのだが、
今春はそれがない。
毎日、新型コロナウィルスの危機感にさらされ、
それなりに緊張しているからだろうか。
いいのか悪いのか、分からないけど、
木の芽どきにあらわれる心の愁い、
つまり「春愁」は、
英語圏にもあって、
「スプリングフィーバー」というのだそうだ。
辞書をひけば、
「春先のものうい感じ、春の憂鬱病」と出てくる。
「春愁」「春熱」「春困(しゅんこん)」ともいわれ、
これは世界共通のものらしい。
それが、いまや、
世界共通の「春熱」「春困」といえば、
新型コロナウィルスである。
心のストレスどころか、
生命をもおびやかすウィルス危機。
予防薬、治療薬の開発が一日もはやく望まれるが、
それまでできること。
太陽を浴びての散歩などの運動、
充分な睡眠、
規則正しい生活のリズム、
といった、月並みなこと。
生命力をよみがえらせる季節のサイクルを、
何とか心身に取り込みたい、
巣ごもりの春である。
※ 見おさめのサクラ