庄内砂丘の海岸林クロマツ林は500万本と推定されている。日本一のボリュウムだ。1979年に発生した松くい虫は、瞬く間に拡大し、県境以北のクロマツは全滅し、その景観は絶句する悲惨な惨状と変貌した事実がある。
庄内砂丘のクロマツは、関係機関が連携して防除対策に取り組んだ結果、2002年をピークに2012年にはその15%まで減少し、油断はできないものの落着きを取り戻している。
庄内砂丘に元々クロマツが分布していた訳ではない。「古砂丘」には潜在樹種の自然林があり、戦国時代の戦乱や、製塩の薪材として乱伐され自然林が衰退したと言われている。蘇生を失った砂丘に、海から打ち上げられる砂が飛砂となって降り積もり、急激に発達して標高を高め現在の「新砂丘」となったと言われている。
飛砂に苦しめられた先人が、クロマツの植林を本格化させたのは18世紀の中頃で、多くの先覚者を輩出しドラマが伝えられている。地域のため、子孫のために「百年の計」で植林を続けたのです。
戦後の砂防植林が一応の完了みた頃、我が国は高度成長時代に入り、生活様式が一変。人と森林の関係は薄れ、砂丘林も人を寄せ付けない藪となり、外来種のニセアカシアや蔦の繁茂で、今度はクロマツを守る運動が始まった。
日本一のクロマツを守るために、それこそ百年の計と財源が必要である。再生可能エネルギーの普及に合わせて、その一部を恒久財源として使用できないものかと思っている。
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