とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

天声人語に山形の味

2011年07月29日 | インポート

001  今日の朝日新聞「天声人語」に納得した。旬の夏野菜の代表格、ナスをベースにした山形の郷土料理「だし」にまつわる記者の所感である。庄内でというよりか、わが家で似た様な料理は数多く食べるが「だし」とは言わない。「だし」はナス、キュウリ、ミョウガ、しその葉、昆布などを細かく刻み醤油で和えて、ご飯や豆腐にかけて食べるふりかけの様なものだ。近くのスーパーでは「だしっ」の商品名で売っている。天声人語の筆者は銀座の「おいしい山形プラザ」まで出向き買い求めて、夕食でご飯にまぶして食べたと書いている。そして、山形県出身の児童文学者、国分一太郎さんの「食べると、トントンと刻んでいる祖母や母を思い、故郷にへその緒がつながっている思いになる」と紹介している。
 蕪村の「水桶に うなづきあふや 瓜茄」色彩と涼感をめでた句を引き合いに出し、今の現実に向き合う心の豊かさを求めた名コラムだと感嘆した。筆者は私と同年代なのだろうか、まさに共感できる。私はオクラをトントンと刻んで醤油和えし、焼き海苔の刻みを上げて、オクラ丼。「ナスごんげ」もある。ナスを細く切り、油で炒めて、しその葉を入れて醤油味。「ナスごんげ丼」も夏食の大好物である。
 天声人語いっぱいの山形バージョンは気分が良いものである。

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暫定規制値超えの山形牛が一頭

2011年07月25日 | インポート

003  深夜の11時半にFAXが入った。放射性物質の農産物汚染の検査結果は連日、FAXで知らせてくれている。日曜日の11時半、危機管理・くらし安全局からのFAX に不吉な予感がした。しかも夜の7時半に次いで2回目の通信である。予感が的中した。鶴岡で生産された肉牛から国が定める、暫定規制値をこえる590ベクレルの放射性セシウムが検出されていた。県産牛の基準値超は初めてである。汚染稲わらを食べさせていた肉牛からは、規制基準値は超えないものの、多少の放射性セシウムは検出されてはいたが、基準値を超えたとなると穏やかではない。県農産物出荷額のコメ、サクランボ、に次ぐ肉牛の被害は県農業に与える打撃は計り知れない。
 福島第一原発事故以来、山形県はあらゆる計測を続けてきた。特に農産物については品種ごと、地域ごと毎日の検査結果を公表し続けてきた。「山形県は安心だよ」と何よりものメッセージであった。しかし、肉牛に不可欠な粗飼料、稲わらの放射能汚染を国も見落としたと認めている。残念な事だ。汚染はたちまち全国に広がった。放射能不検出の庄内から規制基準値超えの肉牛が出るとは驚きである。
 放射性セシウムは大半は排せつされると言われている。汚染稲わらを食べた時期と牛肉になった時期とでも検査に違いが表れる。基準値にもいろんな知見がある。しかし、不検出食品を食べるに越したことはない。夜遅くまで県庁で県民の安全を見張る職員には頭が下がる。

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森藤右衛門とワッパ騒動

2011年07月19日 | インポート

002  今、酒田で森藤右衛門の研究が静かに進められている。
森は天保13年に出羽国(酒田)に生まれ、家は屋号を唐仁屋(からにや)といい、酒田36人衆に入る旧家で酒造業を営んでいた。明治の自由民権家で福沢諭吉や板垣退助とも並び称される程高く評価されていた民権家である。森藤右衛門があまり知られていないのは、時の県令三島通庸と闘った「ワッパ騒動」に起因するのではないかと思われる。
 騒動の主原因は中央政府が金納を認めていたにも関わらず、酒田県は金納(石代納)を認めず、米の物納としていた。酒田県は米価高騰時代に金納と米との巨額の差益を得ていたこと。加えて旧藩時代の高率の雑税と村入用を中央政府は廃止したにも関わらず取り続け、その使途について疑念がもたれていた事等である。
 早くから中央政府へ訴える活動を重要視していた森藤右衛門は、東京と酒田を行き来し建白運動に尽くした。訴えが通れば「ワッパ一杯の金が戻る」を合言葉に運動は広がりを見せた。1874年に三島通庸は酒田県令に着任するも森は三島県政批判を強めた。司法省は臨時の法廷を開廷し、県官十数名を処分したが過納金は戻らなかったが、村費等6万円余りの金が返ってくる事にはなった。
 時の県令に逆らった酒田はそれを今も引きずっている様にも思える。東北公益文科大学で三原容子教授と2時間の懇談で得た知識は大きかった。

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転作大豆の一生シリーズ (2)

2011年07月11日 | インポート

003  転作大豆が芽をだして1ヶ月、主茎長は28センチ位になった。6月の末の長雨は生育を遅らせている。この大豆も2回も冠水し心配していたが、何とか持ち直しこの数日の高温日照で元気そうに見える。今までに、防草を兼ねたトラクターでの軽い作溝培土で畝がが出来ている。大豆は加湿を嫌う。さらに作溝を深く入れて水はけを良くするのだ。
 畝幅80センチに10センチ間隔で播種されているが、発芽不良や鳥害でところどころに欠株が見えるが仕方がない事だ。大豆の基本は、多くの莢を付けられるよう、大豆の株を大きく育てることにある。開花期の湿害や強度の乾燥に合わないように注意が必要だ。大豆の粒が十分太れるようにする。そして、根粒菌の活力を高めるように肥培管理に努めなければならない。天気と開花期の追肥や病虫害駆除などが、今後の作業になる。転作大豆も育てればかわいいものだ。

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定期コンテナ船 中国に延伸

2011年07月10日 | インポート

Img_1536  今朝8時、今夏初めて蝉の声を聴いた。昨日から気温は30度を超えている。わが家は樹齢二百年前後の欅に囲まれている。窓を開ける盛夏には、蝉しぐれでテレビの音も聞きとれない喧騒だ。「閑さや 岩にしみいる 蝉の声」いよいよ夏本番が始まる。
 昨日、酒田港と韓国・釜山を結んでいた国際定期コンテナ航路が中国・大連まで延伸された第一便サニーオーク号酒田港に入港した。記念式典に私も出席した。酒田港は震災以来コンテナ貨物量が増え続けている。貨物の6割が中国との取引であるので、釜山での積み替えが無くなる分スピーディになり利便性がアップされる。相乗効果を望みたいものだ。
 先般の県議会で予算特別委員会で質問した。酒田港の機能強化については未整備岸壁の整備や、足りない上屋の建設、ガントリークレーンの増設を訴えた。県土整備部長から形通りの答弁があったが私は納得できなかった。とっさに知事答弁を求めた。知事は「ガントリークレーンの増設は指示してある。増設する」港の振興に強い思いを持っている知事の明快な答弁だった。委員会がざわめいた。禁じ手かなとの思いはある。
 しかし、酒田港の施設の老朽化はかなり進行している。ガントリークレーンの稼働率もある。鶏と卵の論理では現状を打開出来ない。先ず、震災の影響で貨物量が増加していること。中国を中心に対岸貿易の拡大見据えた拠点港の指定は、日本海側3港程度と言われている。狙っている山形県としては必須条件である。中国へコメの輸出港としては東北で唯一の積出し港である。酒田港から東北全域の中国輸出米を5万トン積み出すとなると、20フィートコンテナが2800個になる。ワイヤーが切れる様なガントリークレーン一基では持たない。知事の判断は正しかったと思う。

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