とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

稲の一生シリーズ(7)

2009年09月27日 | インポート

Img_2183  稲刈りが始まった。今週の土日は快晴で、付近の田んぼでは、コンバインが一斉に動き出し農村が活気づいたようだ。
 私の稲は、5月11日に田植えしている。丁度4ヶ月と14日目、134日かかって収穫となった。種まきから数えると162日目にあたる。その間、台風などの災害はなかったものの、低温や日照不足など、自然の気まぐれに翻弄されたように思う。しかし、品種改良や稲作技術の進歩で、まあまあの作柄に落ち着き、最終作業としての稲刈りである。昔の手作業を経験した私にとっては、今のコンバインでの収穫作業は、重労働からの開放で産業革命に値するものだと思っている。田植え機械と合わせて、稲作の機械化は、日本独自の文明といえる。
 農家にとって、収穫は手塩にかけた我が子を送り出す親の心境である。損得勘定なしに、いとおしい。

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伏木・富山港の賑わい

2009年09月24日 | インポート

Img_2155  伏木・富山港を視察する機会にめぐまれた。この港湾は、新潟港と並んで特定重要港湾に指定されており、国が管理している港湾である。日本海側の特定重要港湾は二箇所しか指定がなく対岸貿易の拠点でもある。。先ず驚いたのは、広いコンテナヤードに国際色豊かなコンテナが、3段積みで所狭しと積まれていた光景が目に入った。それと同時に、コンテナトレーラーが、順番待ちでゲートに並んでいた。港の活気を肌で感じる瞬間だった。国際定期コンテナ便は、3ルートで月38便入港していると説明があった。年間20TEU換算で6万個以上の取り扱い高がある。冷凍コンテナ専用ヤードもあり、多彩な国際物流の玄関口といえる。
 海上コンテナによる貨物輸送は、30年ほど前から取り入れられたシステムで、今では外国貿易貨物の90%がこれによって荷捌きされ、コンピュータ管理された荷物は無人に近い仕分け作業と出し入れで効率化が図られている。
 考えてみると、伏木・富山港の背後地は、名古屋を中心とした中部地域で、山越えは酒田港の太平洋側に比べて、はるか遠隔地である。太平洋側との輸送インフラさえ整備されれば、酒田港の賑わいは必ず取り戻せると確信を持った。

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輪島の朝市

2009年09月18日 | インポート

Img_2162  能登半島を訪問する機会に恵まれた。流刑の地とも言われ、神秘的な文化や景観には語るに語れない奥深さを感じた。千枚田は今もボランテアなどで受け継がれ、重要景観として残されている。
 2007年の能登半島地震は記憶に新しい。輪島市西南西沖40キロが震源地で、マグにチュウドは6.9。震度6強は七尾市、輪島市、穴水町で、余震が500回を数える。全壊家屋684棟で半壊家屋、一部損壊家屋は3万棟にも及んだ。幸いなことに死者は、倒れた石灯籠の下敷きで犠牲となった方がひとりだけだった。道路の損壊や、山崩れも各所に発生したが今はすっかり修復されて、その形跡は見当たらない。
 輪島の朝市に行った。1千年以上も前から続いているだけにさすがに活気があった。200店もならぶ市で、殆どの売り子は女性である。物々交換が起源とされ、価格交渉も楽しみのひとつである。ただ、観光化された今は、すれたおばちゃんの客引きには少しうんざりした。おばちゃんの売り込みに負けて、私も海産物を買わされた。勿論、値引き交渉が成り立ってのことである。

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日沿道どうする新政権

2009年09月10日 | インポート

Img_1891  政権が代わって、09年度補正予算に盛り込まれた経済危機対策46基金事業4兆4千億円の一部凍結を民主党が打ち出した。県が6月補正で可決した「緊急雇用創出事業臨時特例基金」など五つの基金が怪しくなってきた。9月議会で直轄負担金に相当する交付金を予定して、大規模な補正予算も危ない雲行きだ。
 新政権の目玉政策である「高速道路無料化」は、マスコミの調査によれば65%が反対だと言う。財源問題、CO2、渋滞、受益者負担、ETC、雇用これらに何の問題もないと民主党担当者は、テレビで毎日抗弁している。これらは、全て税金でまかなっても国民的には利益になるという。分かったようで、分からない話である。
 高速自動車道を利用するのは、1割の自動車である。短時間で到着できる利便性の対価として、多寡は別として料金を支払っている。大都市圏や大動脈の料金収入は、プールして採算性の薄い地方の高速道路の建設費に充当させることが何故ダメなのか。弱肉強食の論理はノーと唱えながら、自らの矛盾をさらしている事に腹が立つ。
 日沿道320キロの供用率は46%。日本で一番遅れた道路である。結果、沿線は人口減少と経済衰退の著しい地帯となっている。9月8日、日本海沿岸東北自動車道の建設促進大会が酒田で開催された。青森、秋田、山形、新潟の4県が集結した。吉村知事も出席し、日沿道の重要性を述べた。決議文は、新政権へ強く要請する事になった。

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稲の一生シリーズ(6)

2009年09月05日 | インポート

Img_2119  田植えから4ヶ月。いよいよ稲穂が垂れ下がってきた。登熟期の後半である。先月の初めに開花・受粉して登熟が始まり、光合成ででんぷんを作り、胚乳に溜め続けて次の世代への種を作る神秘的な生命の営みである。登熟初期は、籾の中の米はまだ固くなっていないミルク状で、つぶすと白い液が出てくる。すずめはこれを食べにくるのだ。
 気温が高く日照があれば光合成が盛んになり、籾にどんどんでんぷんが蓄積される。日が沈み光合成が出来なくなると、今度はこれを稲の呼吸のために消費する。これを「転流」といい、夜間温度が高いと転流も多くなり、その分もみのでんぷんも少なくなってしまう。昼夜の温度差が大きい程、量と質が良くなり旨いお米になる。登熟期の温度と日照が最後の決め手であり、大切な時期といえる。大きな粒の透き通ったあめ色の玄米が目に浮かぶ。今年はどんなお米が出来るやら、期待と不安が入り混じる今年の作柄である。

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