平成24年も今日で終わる。平凡な一日が過ぎ去るだけなのに、何か大切な一日を失うように感じる。節目として、ひとつの区切りを感ずる重さかも知れない。
区切りは心を切り替えるひとつの大事な手段である。ノーサイドはラグビーの試合終了の事であり、試合が終われば敵味方なしの意味が込められた基本理念として使われている。
アメリカの大統領選挙は、国を二分した激しい選挙戦が長期間に亘って繰り広げられる。しかし、勝敗がつけば、敗者が勝者の新大統領に「アメリカ国民のため頑張れ」と祝意のエールを送り、勝利をたたえる。ノーサイドの精神であり、心が和む。
師走の総選挙が終わった。山形第3選挙区は、無所属の新人が約1600票の僅差で勝った。主権者の厳正な審判が下り、試合は終わったのだ。ノーサイド精神から言えば「おめでとう、第3区のため頑張れ」とのコメントが敗者のエールとして美しい。
ところが、「これからも道路や橋の陳情は受ける。政治活動は続ける」と、マスコミへのコメントには驚いた。またマスコミも面白おかしく対立構造を煽り、敗戦の犯人捜しごときをやりだした。不毛の詮索であり、ノーサイドは大将の器を示す最大の度量である。
小野幸作議員は「翆風書院」を主宰する書道家である。議員仲間は、気安く「小野ちゃんこれ書いて」と選挙バレーンなど、簡単に頼んだり出来る重宝な書家でもある。
しかし、小野議員は高等学校教員免許を持ち、読売書法展理事、山形県総合書道展理事・審査員の資格を持ち、小学生、生徒、学生、一般の人たちに広く書道を指導している。「習えばうまくなる」と教えられ、議員仲間で教室に通っている人もいる。
せっかくの小野議員との出会いに、私は教室に通っても「うまくならない」自覚から、一服の掛け軸をお願いした。選んだのは伊達正宗の遺興吟である。
馬上青年過 時平白髪多
残躯天所許 不楽復如何
これは、名酒田市長だった相馬大作さんが20年間の酒田市長引退時に私が、相馬さんに送った伊達正宗の遺興吟である。
青年時代は政争に明け暮れ、世の中がうまく収まり、気が付いてみると白髪が多くなっていた。体が元気なのは天が与えてくれたもの、有意義な余生を送られるようにと、思いを込めたものである。
今回、小野翆風さんにお願いした書に万感の思いがある
12月19日、難病等対策議員連盟を発足する事が出来た。県議会での発足は全国で3番目と見られており、山形県の対策と合わせて難病疾患の患者や家族の一助になれればと40人の県議会議員の有志で設立されたものである。
そもそもの発端は、3.11震災時に長時間の停電が山形県全域で発生した。在宅療養していた重いALS患者の家族から「厳しい現実を見て欲しい」との依頼があり、訪問したことに始まる。24時間定期的に欠かす事のできない痰吸引や経管栄養。微妙な体位交換やコミュニケーションの取り方。人口呼吸器やその他の療養機器など停電は生命にかかわる事態に発展する切実な問題である。
家族にかかる負担は重く、ショートステイやレスパイト入院。訪問看護などを組み合わせた公的支援も実施されているものの、家族看護の依存度が高いことは否めない。24時間看護の問題など議会で質問したが、医療的ケアが可能なマンパワーの不足している現実は簡単に解決はできない。
そんな実態を島津議員や仲間の議員と話すと、議員の近くに難病で苦しんでいる患者の存在が以外と多い事が分かった。更に調査を進めると、県難病等団体連絡協議会では、介護や経済的理由で大切な情報交換の場である会議や大会にも出席がままならい患者家族が多いと知り、議会の有志で議連を立ち上げ、少しでも実態の理解と行政への働きかけ、それに県難病等団体連絡協議会を支援しようと輪が広がって議連の発足に至ったのが経緯である。
関係者との意見交換も含め、県民の理解が深まる活動をして行きたいと思ってる次第である。
先般、24回目の県政報告会を開催した。いつもながら110名を超える参加があり、有難く感謝している。年に2回、恒例の事業はすっかり定着の感があるが、今回はゲストに新しく市長になられた本間市長からの講演をお願いした。
私は、9月議会で質問した事を中心に議会報告をした。飛島の振興に欠かせない「定期船とびしま」は夏場以外は1便の運航である。しかも、飛島滞在時間は2時間45分。これで日帰り観光は出来ない。県の支援が必要である事を訴えた。新潟県の粟島はフェリーも含め5便の運航である。20年前、飛島も粟島も人口は1000人程度だったが、今は飛島230人位で、粟島600人位と差が開いた。人口減少は飛島が山形県のアンテナのように思えて仕方がない。
酒田共同火力の大切さも訴えた。風力発電も太陽光発電も不安定であり、質が悪く、コストが高い。それをカバーする火力発電所が大切である事があまり知られていない。電力は、水と同様に不可欠な生活インフラである。再生可能エネルギーの言葉遊びに浮かれてばかりは居れない現実もある。
本間市長は、プレステージ・インターナショナルの誘致に至った経過の話があった。500人規模の企業誘致成功例は、昭和50年代以来山形県ではない。500人の雇用が増える影響は地域にとっては大きく、社員募集が始まっている。豊田通商が酒田港をリサイクル積出港に選んだ事も朗報である。豊田通商が拠点港に選んだのは、日本で2港目であり今後推移に注目したい。
県政報告会は最先端情報満載であり、価値があると思っている。