とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

国境の島対馬

2014年07月26日 | インポート

Dsc00495 国境の離島対馬は以外に大きい島だ。南北に83km東西18kmあり、9割が急峻な山岳地である。対馬の歴史は古く、九州本土と朝鮮半島を結ぶ海上交通の要所として栄えていた。豊かな漁場は漁師に恵をもたらした。新聞報道に「毎日一万円札を拾いに行くようなもんだった」と厳原漁業協同組合長のコメントがある。今はその面影はない。漁獲高は10分の1程度まで落ち込み、温暖化による磯焼け、まき網船団の荒っぽさは沿岸漁民を苦しめている。
 ピーク時は7万人の人口も、今は3万人程度と過疎が進み、たった1本の曲がりくねった国道382号線も人の気配がない。そこへ韓国人観光客がどっと押し寄せ、一昨年は15万人、昨年は18万人に上り、日本人とのバランスを大きく欠いている。ホテルや空家が韓国人に買い取られる現象も現れた。朝見かけたホテルの宿泊客もほとんど韓国人だ。釜山までは約50㎞、高速艇で1時間の近さであり、船賃も安い。福岡対馬間の小型飛行機は17000円と割高の影響もあるのだろうか。韓国から最も近い島は危機にあるように見えた。
 夕食に対馬選出の坂本県議、対馬市議3人を交えた懇談会は、対馬市の現状を知る絶好の機会だった。「国は国境の島で頑張ってる事を分かって欲しい。国会にお願いしている国境離島新法は、我が国の領海、排他的経済水域の保全、密航、密輸の防止、東アジアとの相互理解の国際交流などは、人が住み続ける事が最重要であり、定住促進、交流人口拡大は避けて通れない」と熱っぽく語ってくれた。まさに島が危ない。
 ぴくぴく動くイカの刺身、サザエ、海草類など食材の鮮度。庄内の海鮮料理もうまいと思っていたが、対馬海鮮にはかなわない。

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今年も繰り返された豪雨災害

2014年07月19日 | インポート

Dsc00482 台風8号に刺激された梅雨前線影響で、9日未明から山形県南部に記録的な豪雨が発生。河川水位の上昇で、9市町に避難勧告、指示が出され、道路への土砂崩落などで4市町に孤立集落が発生した。農地1600haが冠水、農作物、農業施設にも甚大な被害が出た。
 南陽市周辺は昨年も集中豪雨で、水路等の復旧工事を終えたばかりである。その白鷹町、南陽市の状況を視察した。復旧したばかりの白鷹町荒砥朝日水路は、断面1㎡級の大型三面溝が無残な姿で流されていた。設計や工法に問題が無かったのか検証の必要がある。それにしても再度の復旧工事となる。
 南陽市宮内の吉野川厨川堰も同様に、今年3月に復旧したばかりが再度被災し、取水口、水路、サクランボ園地が流亡。急ピッチで仮設工事が始まっているものの水害の怖さを改めて視察した。白竜湖周辺農地の湛水状態はテレビニュースなどで知ったが、現在は通常に戻っていた。この周辺の排水は、水路による自然流下の構造であり、河川水位の上昇で逆流を防ぐ樋門閉鎖で冠、湛水が発生すると説明があった。「今年も又か」の思いが残る。
 近年、豪雨被災が連日のように報道されている。異常気象を言い訳に使えない現実がある。「治山、治水は国の基」である。二度と同じ災害を繰り返さない根本的な対策が求められる。

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農業の企業化

2014年07月13日 | インポート

Dsc00476 政府の推奨する農業の企業化、大規模化を実践している鹿児島県志布志市の農業法人「さかうえ」を視察した。政府依存度の高い農業は、朝令暮改とも言える「猫の目農政」に振り回され、どうも腰が定まらない。国土保全、食料安全保障の観点から独立国として農業は存続させたいが、国際競争力に耐えうる産業でなければならないと農業改革を政府は唱えている。
 農業法人「株式会社さかうえ」は平成7年に設立。現在50人の社員で500haを耕作。日本農業のモデルとして各賞を受賞全国的に知られている。経営の根幹は契約栽培である。食品会社などとの契約は、量、品質、安全基準、期間内納品を確実に提供する事が求められ価格の安定はあるものの、自然相手の作物は栽培技術などと合わせてリスクが多い。ポテトチップス用ジャガイモ、青汁原料用ケール、焼酎原料用サツマイモなどが主な契約栽培作物であるが、生産工程、投資、予算管理を「見える化」し、IT活用による工程管理システムを開発し契約主の期待に応えている。
 デントコーンを大規模に栽培し、独自に開発したサイレージ加工の牧草飼料「サイロール」を販売、畜産農家の要望に応え、耕畜連携が出来上がっている。ずらり並んだ大型農業機械は圧巻だった。社長の坂上隆さんは「個人農家は所得、企業は利益の最大化にある」と語ってくれた。
 農業とは何か。古代より開墾し続け、広がり引き継がれてきた農地は今、存亡の危機にある。NHKの「明るい農村」も今は放送されていない。「明るい山村」を取り戻す知恵が試されている。

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山形県相撲連盟の危機

2014年07月06日 | インポート

Dsc00464 国体予選と東北総体の予選選考を兼ねた、山形県相撲競技大会が酒田市相撲場で開かれた。相撲は国技であり、その歴史は古く日本全国、津々浦々で草相撲があった。小学校の一角には相撲場があり、化粧まわしをつけた子供横綱の土俵入りや、軍配を持った行司衣装の見事さも身近なものだった。勝ち抜き戦は、父兄の声援や子供たちの黄色な掛け声で盛り上がったものだ。
 県議になってから、山形県相撲競技に関わって来たが、参加選手の少なさに驚いた。少年の部は、加茂水産高校4名、新庄神室高校2名、新庄北高校1名、酒田東高校1名の8名である。団体戦などはとても出来ない。成年の部は、登録選手が6名で、半分が棄権である。国体出場権は高校の部で5名、成人の部で3名にそれぞれ補欠選手を加えることが出来る決まりになっている。
 驚いた私は、関係者に事情をきくと「昭和45年の岩手大会で、準優勝したこともある。今は山形県が東北でも最低だ。でも中学生に東日本で2位の子供がいるので、それを楽しみにしている」なんとも心もとなく思えた。大相撲に山形県出身力士の番付に関取がいない事と、報道関係者がいない事を尋ねると「大相撲枠は800人。子どもの将来を考えると迷ってしまう。でもスカウトの人はきてますよ。報道関係には連絡しなかった」と打ち明けてくれた。
 このままでは、大会が開催できなくなるかも知れない瀬戸際にある山形県相撲連盟の現状である。かつては羽黒山、柏戸を輩出したわが県の相撲の隆盛を願いたいものだ。

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