明けましておめでとうございます。三が日は、穏やかな天気に恵まれ久々の雪のない正月になった。正月風景も、昔とはだいぶ様変わりし、離れて住んでいる子供や孫が集まり、DVDやテレビ鑑賞して過ごす、ただの休日延長みたいなものである。それでも、お寺への参拝や神棚と仏壇のお参りは、教えているつもりだ。
昔の正月行事は、厳粛なものだった。年越しは、新米に納豆汁、おとそと譲り葉を入れた若水、履きそめ用の2連なで、鏡餅を飾って供えた。元旦の朝の雑煮つくりは、男子の役目。日頃の女性の炊事に感謝し、休ませてあげるのだと教えられた。その雑煮を食べるのは、早朝でなくてはいけない。怠けを戒める為の行事で、その早さを競ったものだ。ひどい時には、除夜の鐘が終わると同時と言う時もあった。
元旦の雑煮は、仏間で家族みんなで頂いた。若返るようにと、若水とおとそを頂き、それから2連なでで、履き初めをする。南に向いて、福を家に履きいれる行事である。それが終わると「におをつむ」と言って、夜が明けるまで仮眠をするのが、一連の行事である。
「一年の計は、元旦にあり」何事も初めが肝心である。今、こんな行事を残している家庭があるのか知りたいものだ。鳥海山が、きれいに晴れていた。鳥海山は、何でも知っている。