とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

病院の中のクリスマスコンサート

2008年12月26日 | インポート

Img_1662  夕刻の日本海総合病院は、救急救命出入り口と入院見舞い客の往来でごった返している。連日こんなに回復を待つ家族や、関係者がいるのかと驚きである。殺伐とした病院のそんな中、25日の夜、エントランスホールではクリスマスコンサートが行われていた。鶴岡市大山出身のチェリスト吉川よしひろさんのチェロ・ソロパフォマンスで、「五木の子守唄」「海」「最上川舟歌」などなじみの曲目を吉川さん風にアレンジした心温まるコンサートだった。点滴を受けながら聞き入るひと、車椅子で聞きに来ている人。入院服のままの人や、見舞い客、手の空いていた看護師やドクターたちなど100人くらいの中のコンサートである。
 吉川よしひろさんは、アメリカで主たる演奏活動をされている方で、ご自身生まれながら左耳に聴覚障害を持ち、ハンディを乗り越えて、コマーシャルソングの作曲やNHKのドキュメンタリ番組に出演するなど、チェリストの第一人者である。
 体調を崩すことは、人生の中で一番辛い事だ。病気を治して社会に復帰しようとする強い意志と、それをサポートしてくれる病院との強い絆が、このコンサートを通じて感じた。

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子ども歌舞伎

2008年12月22日 | インポート

Img_1642  昨日、「酒田こども歌舞伎舞踊教室」の発表会が希望ホールで開催された。これは、財団法人・伝統文化活性化国民協会の助成で、伝統文化の歌舞伎を子どもから、一般のひとに広めようとの趣旨に賛同した千川貴楽先生が、酒田の子ども達に指導されたもので、その情熱には頭の下がる思いである。なぜ伝統文化は大切なのか。日本人の心のルーツが日本を動かしていることを、確認しておく必要がある。
 そもそも歌舞伎は、約400年前に巫女が踊ったもので、それが評判になり模倣者が現れ、遊女が演ずる遊女歌舞伎が現れたり、少年が演ずる若衆歌舞伎などが現れ、風紀を乱すとの理由で禁止されて、成人の男子であれば良しとなり、現在の歌舞伎の姿になったと言われている。江戸文化の爛熟の中で洗練されて、現在の世界に誇る重要無形文化財、世界無形遺産となった。
 児童22人が演じたのは、江戸時代に越後から江戸に上って踊りや芸をして歩いた男を描写した「越後獅子」と、5人の泥棒の活躍を描いた「白浪5人男」である。衣装も本格的なもので、演ずる役者もなかなかであった。ドスのきいた声を出しすぎて、むせる子もあり満席の会場から笑い声が溢れた。「待ってました」「お見事」の掛け声もかかり、国立劇場なみの雰囲気であった。今年から、5ヵ年は続けるという。酒田の文化の心意気は、「日本一」と声をかけたい気持ちである。

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知事任期最後の議会

2008年12月19日 | インポート

41 12月定例会が終った。今議会は、いつもになく議会と知事部局の緊張関係があり、中味のある議会だった様に思える。課題もまた、たくさんあった。急速に冷え込む経済の悪化と、雇用不安に対する緊急対策に多くの質問が集まった。知事答弁は「財政健全化は、中長期的な課題であり、来年度は金融支援を含めた500億円規模の財政出動を考えたい」と述べている。国の二次補正が定まらない中、県も一歩踏み出せないもどかしさががある。私は、「雇用の即効性は公共事業の拡大にある。事業の前倒しは出来ないのか。実施予定の事業を前倒して、即急に進めるべきだと思う」と詰め寄った。酒田港の物流拡大策も、具体的な提案を求めた。「港の藤彌」とみんなに笑われた。農業の研究予算も年々減少している。これでは、農業県山形が遅れる。研究・技術者のモチベーションを上がる対策をとるべきだ。また、日本海総合病院の経営状況は良好であるが、県は逃げないでしっかり支えて欲しいとも述べた。指定管理者制度のあり方についても、経費削減だけが一人歩きしている。本来の使命は違うはずだと質した。
 アンテナショップや、サッカーJ1の改名問題、教育問題など議論が交わされた。今議会は齋藤知事任期最後の議会である。二期目の当選なるか、新しい知事が誕生するのか。県民の審判がくだされようとしている。

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見直された酒田港

2008年12月04日 | インポート

Img_1531  12月定例議会が始まった。今回の知事説明は、いくつもの注目すべき点がある。まず、19ページにも及ぶ説明要旨の中で1ページに渡って、広域物流の活性化の取り組みとして、重要港湾酒田港の存在について言及している。成長著しいロシア・北東アジアとの物流活性化の玄関口としての酒田港の存在は、地理的優位性を踏まえた具体策の検討を始めたと、報告している。有識者会議からの戦略原案を受け、さらに、県民からのパブリックコメントとあわせて、年内には物流活性化戦略を取りまとめるとしている。大きな一歩である。
 基本的には ・ 自動車関連産業の振興により県内・県外間の物流を増大し、広域物流の活性化を図ること ・ 対岸貿易の振興による物流増大の流れを酒田港の利用拡大につなげること ・ これらを支える物流インフラ機能の充実を図るとともに、酒田港を日本海側における中核的物流拠点にすることとしている。具体的な中味については、今議会で審議されることになる。
 今年5月に日本から中国へ米輸出が解禁され、県産米「はえぬき」が友好県省である中国黒龍江省へ輸出されることになったのは、長年にわたって交流の重要な役割を果たされた東方水上シルクロード貿易促進協議会の活動が実を結んだものだと言及している。
 私が知る限り、自動車関連産業が東北に拠点を作ったとはいえ酒田港の利活用促進に、知事がこれだけ言及されたことはない。県議当選以来「山形県の元気は港から」と訴え続けてきた私にとっては、ようやく手が届きそうになってきたなと思う。

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庄内柿しぐれ

2008年12月01日 | インポート

Img_1635  庄内の特産「庄内柿」は平核無の元祖であり庄内から全国へと普及し、柿といえば平核無が当たり前になった。しかし、このところ需給バランスを崩し安値が続き、柿栽培農家の悩みの種でもあった。そこで、県庄内総合支庁農業技術普及課産地研究室が2002年に柿の樹上脱渋技術の研究をスタートさせた。
 樹上脱渋技術とは、柿の実がまだ青い状態のうちに固形アルコールを入れたポリ袋をかぶせ、気化するアルコールで渋みを抜く技術の事で、簡単そうに思えるが気候変動を読み取り、一個一個袋をかけるタイミングや糖度、大きさなど研究に5年も費やした。樹上脱渋柿は、収穫してすぐに食べる事が出来、木ざわしの食感で、果肉にはゴマ状の斑点が入り、日持ちが良い特徴がある。肝心なのは市場にアピールできるネーミングである。ゴマがしぐれ状に入っている事、晩秋から初冬の時雨時期に収穫される事等と併せて、藤沢周平の「蝉しぐれ」にあやかって「庄内柿しぐれ」と商標登録を済ませた。そして、昨年やっと市場に出す事が出来た。市場価格は倍に跳ね上がった。県では「外観、大きさも含めて差別化をはかり、関東、関西の市場をターゲットに栽培面積を広げ、贈答用ブランドの確立を図りたい」としている。
 農業の新品種の開発や、技術の開発普及には目に見えない技術者の情熱と執念がある。そして予算がなによりも彼らを勇気付ける源泉である。目に見えない研究費は削減されがちでもある。

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