とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

TPP交渉と日本の事情

2013年02月24日 | インポート

004 安倍総理の訪米で、TPP交渉参加へ舵が切られたと、報道が一斉に書き立てている。それが日本にプラスと識者やマスコミが解説とコメントを繰り返すと、すっきりはしないが、何となく「そうかな」と思う人が増えつつある。
 「聖域なき関税撤廃はダメ」は、聖域があればOKの裏返しであり、初めからうさんくさい予感があったが、的中した。グローバルな国際分業は、弱小な産業やメンタルな産業は日本国内から消える運命を背負っている。マクロ経済の論理だけで日本人のハッピーはない。
 大多数の零細な農家、条件の悪い中山間地で懸命に営まれている農業の姿が直観的に頭をよぎった。太陽エネルギーを最大限に活用し、多様な動植物の循環で私たちの命の源である食料をつくり、アリの様に国土を守っている存在を無視はできまい。
 TPPのための農業保護、イノベーション政策を打ち出すと政府高官が言っている。ガットウルグアイランドの時も聞いた話だ。補償金や補助金で農業が動かなかった学習をしていない。
 そもそも第一次産業は、非効率で計画性に弱い。しかし絶対必要な産業である事も事実だ。食料安全保障の議論や農業の尊厳を起点に日本のあるべき姿、中山間地を含めた集落の果たす役割。ほとんど兼業農家である意義も含めた議論が、今必要と思う。

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南国タイを視察

2013年02月17日 | インポート

031 日本もの作り産業に大きく関わる、ASEANの中心タイ・バンコクを訪問視察した。私は初めての国である。成田空港から6~7時間。そこは、吹雪の酒田では想像を超える最高気温36℃の連日であった。NHKニュースはオンタイムで視聴できる。日本の雪だるまマークの気象図に違和感を覚えた。
 町並みは人で溢れ、屋台、商店街の活気には度肝を抜かれる。加速度的な経済成長を肌で感じながら、30年前の日本の姿が重なる。人口は日本の半分の6000万人位で、国土は南北に長く日本の1・4倍だ。通貨はバーツ、壱バーツ約3円で物価が安く使い勝手が良い。
 仏教徒がほとんどで、両手を合わせ胸に当て、礼をするあいさつには納得がいく。食事に弁当文化はなく、屋台で食事をとる様子があちこちで見られ、共稼ぎが多くどうやら外食が中心らしい。旅行者のレストラン料理とは別物である。
 タイのコメは三期作が出来る。出穂してる稲もあれば、代掻きをしている田んぼもある。農業が盛んで外貨を稼いでるだろうと想像していたが、農業に見切りをつけ、工場労働者に変わる人が増え、タイも農業の衰退が始まっている。地主制の農業であり、今後の推移に注目したい。
 日系企業の広大な工業団地や、ジェトロ、カシコン銀行、パイオニアなどを訪問した報告は後述する。

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売り込め山形の技術

2013年02月08日 | インポート

005 トヨタ自動車東日本株式会社本社は宮城県大衡村にある。そもそもは関東自動車・セントラル自動車・トヨタ自動車東北の3社が2012年7月に統合して、コンパクト車の専門メーカーとして設立されたものである。
 セントラル自動車が相模原から宮城県大衡村に移転すると発表されたのが2007年の10月、その後、トヨタ自動車は国内3番目の製造拠点として東北を位置付けた。
 その隣県である山形県の戦略次第で、関われる事業展開が大きく変わる要素がある。私のブログでも、2007年より提案を書きはじめている。完成車の輸出に酒田港は使えないか。物づくり山形の技術でサプライチェーンに参入できないか。道路インフラの遅れに対処策はないのか。
 先般、本社工場を訪ねた。副社長が対応してくれた。国内車中心だが視点はグローバル化であり、東北をものづくりの拠点にする方針だ。
 開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造を高め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する理念に、山形県は腰を据えた長期戦略が求められる。
 山形県のもの作りポテンシャルは高い。サプライチェーンへの切り口はどこなのか。現在は仙台港だが、規模次第で酒田港へのアクセスの整備も急がれる。
 隣県に巨大な自動車製造工場がある。得意分野の山形県の技術を売り込む絶好のチャンス。ひけはとるまい。

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山大キャンパスに世界一の研究拠点

2013年02月02日 | インポート

003 山大工学部キャンパス内にある有機エレクトロニクス研究センターは、世界一の研究拠点として、日本を牽引するニューイノベーションを実践している。短時間だったが、5人の教授とルミオテック株式会社社長の情熱あふれる説明に感動を覚えた。安倍ノミクスで最も期待される成長戦略の近未来が、ここにある。
 
 有機ELとは、高分子化合物の有機物を素材に、電流を通して自発光させる発光素子の事。有機物自体が発光するため、液晶と違い極限の薄型が可能になるため、夢の次世代ディスプレーと期待されている。
 
 城戸教授が有機ELで、世界の権威と呼ばれるゆえんは、白色有機ELの開発に世界で初めて成功だけではない。大型化、照明、フィルムのようなデイスプレー、トランジスタ、太陽電池、メモリーなど多くの有機デバイスが研究され実践されている事にある。
 
 例えば、丸める事ができるインターネットデイスプレーや街角に貼れる案内板。100インチ壁掛けテレビなどが有機ELデイスプレーの応用で可能となる。

 驚いたのはRFIDタグへの応用である。一般的なタグは50円~100円位で、これを1円の単価が可能と言う。需要は無限大に広がる。野菜や果物一つ一つのトレーサビリティが実現できるし、流通は画期的に省力化が進む。環境、安全安心、セキュリティの管理が容易になる。
 
 リチウムイオン電池材料としても魅力がある。小型化、大容量のリチウム電池は、リッター当たり50キロ走行が可能なプリウスも誕生している。応用は多岐にわたる。

 有機トランジスタ、フレキシブル有機ELディスプレィ、塗布法による有機IFT、全印刷型有機電子回路。議会での議論はまだまだ遅れていると痛感した。

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