東北横断道路のウエストライン石巻・新庄・酒田間地域高規格道路の勉強会が石巻市で開催された。山形県側関係議員12名。宮城県側関係議員13名と土木関係職員それぞれ5名程度づつの勉強会であった。宮城県副知事も駆けつけてくれ、ウエストラインの重要性がアピールされた。国道47号線から108号線を経由しての宮城県側ウエストラインは、カーブと狭さの連続で、これから始まる自動車産業の巨大な物流を消化する事は出来ない緊急事態との認識にたった。
一方、自動車関連産業が集積する大衡村、大和町周辺の高速道路網は、近くにインターチェンジも工事が進んでおり、来年秋の工場稼動に向けての準備が整えられている。仙台港へのアクセスは、1時間余りから、25分程度になるという。仙台港は、公園緑地を、モータープールにする工事も進められ、5万台の収容スペースを確保する準備万端である。担当者の説明は、意気に燃えていた。私は「仙台港は、航路が狭いので全ての物流は無理でしょう。工場の集積が進み、港湾貨物は右肩上がりで大変でしょう。酒田港も充分使えますよ」と申し上げた。
それにしても、来年は酒田で開催することになったのだが、右肩下がりの酒田港を視察されるのも、少々つらい気持ちである。
一番身近な市長・市議選が終った。特に市長選は、県内注目の選挙であった。阿部市長の4選継続か、酒田市出身でない梅津氏にチェンジを許すのかの戦いであった。酒田市民の気質は、新しい物好きで、あき易いと良く言われる。そして、他所者も受け入れる風土があるといわれるが、さすがに市長選挙ではノーの答えを出した。知事を巻き込んでの選挙戦の厳しさは、日増しに強まった。見事当選を果たした阿部市長には、選挙結果を総括、点検して全市民の期待に答えて欲しいと思っている。
選挙後の11月13日に東北公益文科大学の10周年記念事業に竹中平蔵氏の講演会があった。要約すると「日本の再生に2.5%の経済成長が必要だ。庄内空港周辺を法人税引き下げの特区にして、世界を相手にした庄内独自の農産物輸出システム作り上げる事。そして、他に真似の出来ない文化、食、観光を地域戦略の中心に据えて、地域産業の地盤を強くして欲しい」であった。
私が、選挙期間中に応援弁士として話したことと主旨が合致する。今がチャンスかもしれない。
11月3日は文化の日、各地で多彩な催しがあった。私は遊佐町で開催された民俗芸能公演会の案内状を頂いていたので、選挙の合間を縫って拝見させてもらった。民俗芸能は、娯楽の多様化や、より強い刺激を求める傾向が強まり、意識して保存しない限り伝承が危ぶまれている。例年実施され50回を数えた遊佐町のこの企画は、民俗芸能の東北大会とも言われるほど貴重な大会でもある。
秋田県、青森県、岩手県、宮城県、酒田市、杉沢比山の8団体が繰り広げる笛や太鼓の鳴り響く中、獅子舞、花笠舞、神楽、ひょっとこ舞などが次々に上演され、会場一杯の拍手や笑い声が絶えなかった。素朴な芸能の中に感じる、厳しい現実の中での笑いを求める心。神仏への畏敬の念は、現代にも通じる心である。これを伝承する役目を自認する遊佐町の関係者に拍手を送りたい。