とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

部品在庫を持たない巨大工場

2008年08月29日 | インポート

Img_0854 世界のトップ自動車メーカー 「トヨタ自動車」の10%を生産する関東自動車工業の仕組みを、視察したままに もう少し記録しておこうと思う。写真撮影は禁止なので、映像での記録は出来ないし、広い工場内をイヤホーンでの案内なので、少々正確さに自信はないがポイントを整理してみた。
 自動車の組み立ては、1本のラインでつながっている。工程はプレス、溶接、塗装、バンパーなどの樹脂形成、ドア、エンジン、サスペンションなどの取り付けと組み立て、そして、検査まで約10時間を要する。検査が終った時点で、台数がリアルタイムで、部品メーカー及び資材納入業者へ自動的に知らされる。そのペースに合わせてそれぞれのメーカーがリアルタイムで納入する仕組みである。基本的に部品在庫は持たないシステムである。納期と品質が絶対条件になる部品メーカーは、限定的にならざるを得ない。社内幹部の一人が「新庄にはいい工場があるんですよ。昨日行ってきました」と話していた。取引が始まっているのは分からなかったが、「岩手から新庄を見ているな」と感じた。
 完成車のモータープールには屋根があった。雪が70センチも積もるので、不可欠だと言う。おそらく他の自動車工場にはない施設だろうと思う。それに、タイヤは全てノーマル仕様なので完成車を移動させる場所は、すべてロードヒーテングが入っている。
 工場の大半の車は輸出向けで、仙台港から殆どを積み出している。釜石港からと秋田港から1割程度出荷しているが、釜石との道路アクセスがよくなれば釜石港を主力に考えてる発言もあった。
 どう考えても、主力工場とアクセスの整備の出来てないところは話題にも加われない実感を肌で感じた。陸羽東西線も視野に入れた、新たたな発想を 山形県は、迫られている。 

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雪も降る最北の自動車工場

2008年08月27日 | インポート

Photo   関東自動車工業岩手工場は、岩手県の南部、花巻温泉に程近い金ヶ崎町にある。世界一の自動車メーカー「トヨタ」の十分の一を製造する関東自動車工業が、何故雪の降る最北の地岩手に、主力工場を作ったのか。そんな謎が知りたくて関東自動車工業岩手工場を視察した。
 工場敷地は29万坪。年産35万台のトヨタ自動車を生産している。約75秒に一台のペースで完成車が生産されている勘定になる。完成車は7台積みのトレーラーが8分に1台のペースで運び出さなければならない。鋼材も1日350トン必要だと言う。各種部品は3万点にも及び整然と納品されている。愛知県を主軸にした物流システムの完璧さに驚いた。年産50万台規模にならないと二次下請けメーカーは、進出してこないと言う。セントラル自動車が2011年に年産15万台になれば、岩手県県南、宮城県北部は本格な工業ベルト地帯に生まれ変わるだろうと思う。
 話は戻るが、何故雪が積もる岩手だったのか。「岩手県や金ヶ崎町を中心とした近隣自治体の真摯な誘致活動以外にはない」と言う答えだった。最初は関東方面も探したがゴーサインはでなかった。「良質な人材」「インフラが完了した工場用地」「高速道路に新幹線、空港のアクセス」の条件も不可欠である事は言うまでもない。「当工場の従業員は、話を良く聞いてくれ、誠実に職責をこなしてくれる。定着率も良く、意欲も旺盛である」これだけ評価されれば岩手県立地も成功である。岩手大学との産学連携による新たな起業も視野にあると言う。学ぶべき点は多い。山形県のすぐ隣大衡村のセントラル自動車工場用地の造成状況も視察した。広大さから東北工業ベルト地帯を連想させるに充分だった。隣県として手をこまねいてはいられまい。先ずは、出来ることは実行あるのみである。

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国技の国際化

2008年08月23日 | インポート

Photo  第35回東北総合体育大会が、山形県内を会場に開催された。東北各県より5000人のアスリートが25競技で熱戦を繰り広げることになる。北京オリンピックの感動が続いている中、郷土の期待を背負って悔いのない競技を展開してもらいたいものだ。酒田市は相撲競技の会場になった。昨日の歓迎レセプションに引き続いて、今日の開会式に臨んだ。歓迎の言葉はいつになく気合がはいった。 競技に勝つことの難しさは、連日のテレビで、いやと言うほど見せてもらっている。 柔道と同じ様に、相撲の国際化も進んでいる。国際相撲連盟には78ヶ国が加盟しており、正式のオリンピック競技になる努力が関係者の間でされている。1998年にIOCの暫定承認団体となったが、2002年に日本が強すぎる理由で取り消され、近年、IOCはプロを排除しないとの原則に基づき、2004年に復活した。国際大会もすでに5回開催されている。
 オリンピック競技になるには世界への普及や、男女の競技人口の増加は絶対条件である。そのために、トランクスの上に廻しをつけるルールを設定したり、女性の相撲への参加を促すために新相撲の普及を図り、新相撲世界選手権大会も開催されるなど、2016年に東京オリンピックが実現する時がチャンスと捉えて準備を進めている。柔道も、柔道着の色やルールの変更には違和感もあったが、国際化とはこんなものかとも思えるし、相撲もやがては同じ運命にあるかも知れない。

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お盆の墓参り

2008年08月14日 | インポート

Img_1419  今年もお盆がやってきた。先祖や縁者の霊を供養する大切な月である。古里は帰省客で賑わっているが、どんな心で帰省をしているのかは分からないが、まあ、墓参りなどはしている様なので形だけは残っている。子どもの頃のお盆は、行事が多彩だった。13日の早朝、村はずれに干草や、わらを積み上げて火を付け、たいまつにその火をもらい、ぐるぐる回しながら「精霊だち、精霊だち、この火の明かりで来とうね、来とうね」と叫びながら精霊を向かい入れる子ども会の行事があった。その頃は、村のはずれのあちこちで、迎え火の明かりが見えたものだった。15日の夕刻には、送り火を同じ様な形で実施した。夜会式も盛んで、神社境内では、梵天相撲が盛んだった。
 家の窓に、まこもを干した「がずぎ」で馬や、牛の人形を作ってつるし、精霊がこれに乗って来るのだと教えられた。「もっと速い乗り物なら、もっと速くつくのでは」と自動車や、飛行機の絵を描いてつるしたりもした。こんな体験を積み重ねて、先祖への畏敬の念を育み、長男教育や、両親や家族にたいする想いを育てていくのだろうと思う。自分ひとりで大きくなったのでは無いことは確かだ。
 お盆は、オリンピックに甲子園のテレビ観戦で釘付けになってしまう。無差別殺人を繰り返す青年もいれば、青春の全てをかけ闘っている青年もいる。どこが分かれ道なのかそこが知りたい。柔道は、日本からうまれた国際スポーツで「シドウ」「マテ」「ユウコウ」「ワザアリ」「イッポン」がルール語だ。国際化した分、日本柔道らしくない下を向き、腰を曲げてネチネチして面白くない。そんな中、谷本選手の一本勝の金メダルは、快挙だった。谷本選手は「一本を取る柔道を私は教えてもらったので、それを貫いた。びっくりです」とコメントしている。原点は大事だ。

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コメ豊作が喜べない裏事情

2008年08月07日 | インポート

004  政府より一足先に、水稲作況がコメ市況調査会社「米穀データバンク」より、7年ぶりに全国の作況102のやや良と発表された。予測通りとなると、主食用コメの収穫目標の815万トンを60万トンも上回る異常状態に陥る。同じ事の繰り返し「またか」の感が強い。
 米価の値ごろ感と、小麦などの外国穀物の高騰により最近コメの需要が上向き始め、30万トンくらいの消費が増えると見込まれ、米価は上昇傾向にあった。農家はひとつの光明を感じていたし、今年こそはと期待していた。
 わたしは、昨年の9月予算特別委員会で、米価問題について質問している。「低米価のままでは米作農家は消滅の危機にある。政府が勧める集落営農組織は、問題が多すぎる。民主党の個別所得方式は、長続きしない。しかし、減反に協力した農家のコメには価格の下支えが必要だ。」と食い下がった。議場からは、その通りのヤジ応援もあった。答弁は、農林省的な一般抽象論に終始した。知事のブログには「君子豹変す」と揶揄され、前に進むような議論にはならなかった。
 コメの消費が伸びているのは、第一に値ごろ感である。コメの政府囲い込み政策は、コメ全体の価格を押し上げる邪道である。結果は、減反しない農家も助かることになる。いつになっても解決しない泥沼政策でしかない。減反した農家のコメを下支えをすれば、米作は再生産可能になるし、将来に対する投資や、規模拡大につながり、農家意欲を高めていく事になる。
 今年も、発生が予想される過剰米をどう扱うのか。今年増やした減反追加面積10万haの7割は現時点で未達成である。農政を真面目に考え実施した農家がバカを見る。農家を守るつもりなら、現場に沿った農政でなければならない。「いっそ、何もしないでほっとけば」と言う声もある。農家の再生は、それ以上のコストがかかる。日本の国の形は、めちゃくちゃに崩壊する。

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