吉村新知事の初舞台、2月定例県議会で所信表明があった。多くのマスコミと満席の傍聴席、緊張気味の議員の前である。本人の緊張は極限に達しただろうと思う。私自身も一言も聞き漏らすまいと、いつになく耳をそばだてた。「温かい県政」「対話の重視」の姿勢を強調する時は、特に声が大きかった様に感じた。
全体を通して私の感想は、「信念が強く頑固そうだな」である。物腰は柔らかそうだが、新人知事だからといって甘く見るととんでもないことになりそうである。これから議論が始まる。議会との緊張関係もあるし、いい議会になりそうである。「温かい県政」に異論はない。しかし「甘い県政」ではない。だんだん厳しさが現実味を帯びてくるその時、どう対処するのか真価が問われる事になる。「対話の重視」は民主主義の根幹である。東京都知事に「一人でも反対があれば私はやらない」と言った人がいた事を思い出した。対話は、「私はこう考えてますから理解して下さい」と「積みあがってきた意見に私は違います」との2種類がある。皆が「いいよ」と言ってくれる対話など先ずない。利害の対立を調整するのが政治だからである。
ほっとした事もあった。長年訴え続けた酒田港の活性化が所信表明で表明された。表舞台になりえなかった酒田港活性化の広範な取り組みが担保された意義は大きい。特別支援学校酒田校の設置も組み込まれた。その内、山形新幹線の庄内延伸も聞いてみようと思っている。
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