ヨーロッパでは、精神的に不安定になったり、うつ病や不安障害、強迫性障害などの精神疾患をかかえる若者の数が、ここ数年、急増しています。コロナ危機以前から増加傾向にありましたが、コロナ危機下で加速化し、コロナ規制の全面撤廃以後、現在まで、状況はほとんど改善されていません。
たとえばスイスでは、2021年、10歳から24歳の年齢の人の間で精神疾患が、前年に比べ17%増加し、入院理由のトップとなりました (Luchetta, Mentale, 2022)。11歳から18歳の女性の精神疾患関連の診療費用は、2017年から2021年で二割増え、2021年のこの年齢層の女性の全医療コストの20%を占めました。
ーーーシノドス
病める時代である。若者が追い込まれるのは当然のことだろう。若者の未来は暗黒に見える。コロナパンディミックがおこり、社会的な不安が広がった。そこにロシアが軍事侵攻を始めた。世界は崩壊に進んでいると感じられて普通だろう。世界は回答を見失い、ますます自己本位になっている。
アメリカと中国の対立は共産主義と資本主義の対立という事もあるが、アジア人を怖れる欧米世界という事でもある。対立を必要以上に煽るアメリカの姿を見ると、世界一からの脱落の不安があるのだろうと思う。中国は共産主義というよりも、国家資本主義である。
国家が一つの資本として、世界と競争することは目先の競争では有利なことは明らかである。このまま進めば独裁政治の方が、自由主義より競争では勝つという事になる。自由の価値を何より大事にしたい私としては、あってはならないことだ。
ではどのようにすれば、自由競争の中で安定した経済を維持できるのかである。これが見えないから、世界が不安に巻き込まれているのだろう。我々の世代はまだいい。次の世界に生きる若者たちにすれば、前途多難としか見えない世界だろう。
世界を不安にしているものは、まだまだある。気候変動。CO2対策。原子力問題。環境汚染。マイクロプラステック。人工知能。どの問題も先送りされるだけで、解決の糸口すら見えない。考えれば考えるほど、ホーキング博士の人類は100年後には滅んでいるという予測が正しく見えてくる。