この本は、夫がリハビリ学会で、この本の著者であるリハビリ医仲間で先輩の岡本五十雄先生から頂いてきたものです。
岡本先生は北海道の出身で、北海道勤医協を退職後もご活躍されています。
岡本先生とは私も面識がありましたので、ぱらぱらとめくって読み始めたら、はまってしまいました。北海道文学界の3人の巨匠とのお付き合いから、3人の生きざまを日常から見る、そんなことが書かれた本です。
私は、三浦綾子像にとても魅かれました。
岡本先生は将棋と囲碁の腕はプロなみです。三浦綾子さんのお連れ合いの三浦光世さんも将棋が趣味で強い方でした。そんな縁もあって交流があったそうです。
三浦綾子さんが、長年闘病生活をしながら文筆活動をしていたことは、みなさんが周知するところですが、リハビリ医から見ての闘病の強さの分析に、感銘を受けまいした。
ひと言で言えば、障がいの受容の強さです。
若い時の肺結核、脊椎カリエスのための長い闘病生活、60才を過ぎてから直腸がんを患い、失明の恐れがあった顔面のヘルペスにかかり、最後にパーキンソンで文字を書くことも難しくなり、口述筆記で作品を描き続けました。
クリスチャンでしたから「何事も与えられた試練」と受け止める信仰から得た強さもあったでしょうが、受け入れだけでなく、書くことへの情熱を失わないところは、信仰だけでない何かがあったのでは、と私は思います。
彼女は、小学校教師として軍国主義教育を行ってきたことに深く心を痛めていたといいます。
三浦綾子さんの作品のテーマ「愛とはなにか」の根底には、その経験があるのではないかと思うのです。あらためて「銃口」には、三浦綾子さんの苦悩が書かれた作品なのか・・とおもいました。
気軽に「岡本先生」と呼んできましたが、この本を読んで、先生の深いところにちょっとだけ触れた思いがして、尊敬の念が深まりました。
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