蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

物理学者、ゴミと戦う

2007年06月25日 | 本の感想
物理学者、ゴミと戦う(広瀬立成 講談社新書)

前半は、エネルギー保存の法則とエントロピーが環境問題とどう関わっているのかをやさしく説いて、わかったような気にさせる。特に地球上に存在する水分が、環境保持に大切な役割を果たしていることがよく理解できたように思う。
後半は、リサイクルにあまり意味はなく、ゴミの排出を減らしていくことが大切だと主張されるのだが、前半とうまく関連づいていないという印象だった。

私が住んでいる地域では、ゴミ焼却場でゴミが少なくて困っている(ゴミの量が少ないと焼却炉の性能がでなくて高熱で燃やすことができなくなる)らしい。それで燃やすと高熱が出るプラスチック類を燃やせるゴミとして出してくれ、というお知らせが回ったことがあった。「それ、何か変だろ~」と思ったのだが(そう思った人が多かったのか)数ヶ月でもとに戻った。
ゴミ処理はすでに一大産業で、ゴミがあまり減っても困る人が多くなりそうだ。そもそも環境問題に貢献するほどまで(この本で強調される)「もったいない精神」が一般社会に浸透したら、日本の経済レベルが低下することを覚悟しないといけないのかもしれない。

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