蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

フューチャリスト宣言

2007年06月21日 | 本の感想
フューチャリスト宣言(梅田望夫 茂木健一郎 ちくま新書)

インターネットは、アメリカ軍のシステムを大学で利用し始めたのが成り立ちだったと思う。
そのせいか、ネット上には豊富な論文が掲載されているらしく、アカデミックな世界に生きている人には、(発表するにしても、閲覧するにしても)大変に便利なものであるようだ。しかし、学術論文と縁がない一般人にとっては(少なくとも私にとっては)ネット上に記載されている情報って今ひとつ信頼感がないな~というのが正直なところではないだろうか。

この本では、インターネットがあればどんな学問も修得できる、みたいなノリなのだが、私のような人には、ややなじみにくい感覚だと思う。
テーマについて大学でゼミをやったくらいの基礎はないと、いくらネットに色々な資料が掲載されていても、そもそも適切なものへ行き着くことができないのではないか。

「インターネットを使いこなせば、君たちの未来はこんなに素晴らしい」というのが、この本のテーマなのだが、「君たち」というのが「大学入試レベルの数学くらいは高一でさっさと済ませる」ことができる人のことみたいなので、高校入試の数学でも困惑した身としては遠い世界の話に聞こえてしまった。

「ネットの時価総額」という考え方は面白いと思った。ブログやHPにアクセスが多ければ、それが(アフィリエイトとかを利用して)広告収入に直結するので、「ブログ等の内容の充実=時価総額の増加」という考え方には一理ある。
コメント
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