蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ミュンヘン

2006年12月31日 | 映画の感想
どの程度実話に基づいたストーリーなのかは知りません。
スピルバーグの作品なので少なからずイスラエル寄りなのかもしれません。
そのせいかどうか、イスラエル側の暗殺チームがかなり素人くさく描かれています。
モサドの暗殺者というと、私なんかはデューク東郷みたいなプロ中のプロみたいな人ばかりだと思っていたのに、映画の設定では、信用できなさそうなブローカーの情報に頼りきりだったり、主な暗殺手段である爆弾の製造者はオモチャ屋(作る方)出身だったり。
ゴルゴ13みたいな人がどの国にもウヨウヨいたら大変困ったことになるのも確かで、CIAだのFBIだのKGBだの中身が見えないからこそ虚像がでかくなっているだけで、実態はこの映画のように案外行き当たりばったりなのかもしれない、とも思いました。イラクでのCIAの活動なんかもかなり寒いものだったみたいだし。

以前「宇宙戦争」の感想でスピルバーグは、自分が作りたい映画と商売のための映画を画然と区別しているのではないか、と書きました。本作は前者なのでしょうけれど、どちらがより見たいかというと、私は後者の方かも。

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